たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

ハッタリ人生のすすめ

2016-07-18 04:41:28 | Weblog
 お世辞にも進学校とは呼べない私立中学から、それなりの進学校である公立高校に入った俺は、当時、あらゆるものがカルチャーショックだった。
 一言に集約するなら、これまで、ふつーに覚えるものだけ覚えておけば少なくともクラスで一番くらいにはなれたのに、覚えるものをみんながみんな覚えてくる、髪を染めてるようなヤツらまで全員、というのが、どうにも信じられなかったのだ。

 わかってはいても、目の当たりにすると違う、というのはよくあることで、上には上がいることは前から重々承知してはいたけれど、とにかくこのとき、俺は、賢いキャラの卒業か本当に賢くなるか、の選択が早急に迫られた。
 
 さあ、どうする?!どうする?!!

 当時の俺は、誤魔化そう!、という最悪の一手に出ることにした笑。
 このときの経験があるから、いま、誰かが誤魔化してると、敏感に反応できるんだろうなぁと思う。公立のノリにアジャストすることなく、事実を隠しながらどうにか賢いキャラで居続けられる方法はないもんか、と模索した故に、他人と乖離することを選んだ結果を後悔することは今でもある。ここさえなければ、高校時代、もう少し、もう少しは、グループ性高く(ノリよく)、もっと楽しくしていられたのだろうなぁと思う。同窓会で、普段の自分とは明らかに違う自分の振る舞いを感じ取って、余計にそう思う。だけど、同時に、この誤魔化しさえなければ、今現在の周囲に出会えていないし、東大で博士号なんてとってないだろうなぁ、と思うと人生難しいものである。

 誤魔化し、というか、ハッタリの重要性に気がついたのには、ある程度、明確にキッカケがある。

 高1のときの数学の時間では、先生が例題を解いた後に、黒板の前に出てきて解きたい生徒が練習問題を皆の前で解く、で、それは評価に繋がる、別に誰もやらなくてもいいけど、誰が解いてもイイよ、というものだった。高1の俺、当時、「そんなん誰も前に出て解かないだろ」と思っていた。
 高校に入学したての4月、その宣言がなされてから一問目、やはり誰も解かない。ま、当然っちゃ当然か。「じゃあ、僕が解いちゃいますねー」と先生が解き始めた。俺はここで思った。成績に影響するわけだろ?だったら、解けるんだったら解いた方が得じゃん。この一瞬の思考を今でも忘れていないし、考えてみれば、色んな意味で、ここが分岐点だったかもしれないなぁ。
 クラスメイトを良い意味で軽視していたのかもしれない。だって、どーせ、まだ知り合い誰もいないし。じゃあ、出ちゃえ。と、二問目。超簡単な練習問題を一問、ささっと解いた。俺以外、誰も前にでない。でもこれでいいんだ、と何回も自分に言い聞かせた。
 すると三問目、別の誰かが解き始めた。俺はその日に二回も前に出て点数を稼いだ。当時の自分としてはスゴい。そんなに貪欲になれるなんて。そこから先、半年後には、問題の奪い合いになる。俺はこのとき初めて(公式に認められる)ムーブメントを作ったのかもしれない。俺は、毎授業に一回は前に出て解くことを決めた。

 高2でも高3でもこの先生は俺の何らかの授業を担当していて、空気は初期化されるため、俺は3回もこれを体験する。
 俺は別に数学が特別できるわけじゃない(今は、世間一般よりはそれなりには特別に数学ができるとは思うけど)。ただ上の例題を見て、下の練習問題を解くことは誰でもできるだろ?この能力を最大限発揮しただけだ。だけど、間違えることは殆どない。失敗するのは恥ずかしいことだと思っていたから。問題は超選ぶ。特別、頭がイイわけではない。それが真実。でも、他人にはそうは映らないことを学んだ。

 試験前、後ろの席のBグループ(クラスで真ん中くらいにノリの良い集団に属している、ということ)の女の子に、数学の問題を訊かれる。前にも書いたように、Bグループの女子に俺の支持層はいない(俺の女子の支持層は、今も昔も、C上グループと一部のAグループだけです)。にも拘らず、俺に訊いてくるというのは、それなりには実力を認めてのこと(だと当時の俺は思った)。その子が訊いてきたのは、発展問題だった。はっきり言って、わからん。いや、俺なんて、応用問題すらまともに解いてないんですけど笑
 「わかんないけど、、発展問題じゃん」
 と言うと、
 「発展問題は解けなくても大丈夫なの?」
 と訊かれた。そうか、みんなは試験前は発展問題くらい解いてくるのが当たり前なのか。前に出てるおかげで10段階中9がついてるだけの俺には、気がつかなかったぜ。その次のテストから、せめて、応用問題くらいは解いてくるか。

 自分の最大能力を発揮していることについて「こんなん当たり前でしょ?」としているような演技力が身に付くと、周囲は勝手にその上の実力を期待してくれ、このハッタリをウソにしないように、自分の本当の実力が向上していく。本当に得意になってしまうのだ。

 そんなわけで、1年浪人ののち、物理学科に入学する。いや、高1まで俺は文系かなぁなんて思ってたわりには、スゴい変化でしょ?
 中学の理科で回路が全然理解できなかった俺は、「ま、テスト終わってもよくわかんなかったけど、高校では、こういうのやらないように科目選択しよー」っと思っていたのがウソのよう。まさか20歳超えてまで、こういう演習問題を解いているとは、思わなんだ。

 ハッタリでも構わないから、とりあえず立ってみろ。そして、立ったなら立ったで、一歩でイイから歩いてみろや。
 そうすれば、いつの間にか、最初に思ってたよりは、遠くに来れるってもんだ。

 ハッタリは、未だに続いている。それをみんなに公開してしまうほどに、ハッタリが自分の実力を向上させるのに、一番手っ取り早い。
 浪人中、アウトプットがなさすぎな生活にイライラしてることを相談したことがきっかけで始まった、このブログは、いまだに俺のハッタリツールとして機能している。

 そんなわけで(?)、今週、俺だけでツイキャスしてみようかなぁと思います。テーマは「ブログについて」とかで。実はK先生に「一緒にやろう!」と言われているんだけど(どんなバカでも、ハッタリを繰り返して徐々に現実に昇華させていくことで、最高学府で教鞭をとられている先生からツイキャスしよう!、とオファーをもらえるわけです笑)、いつも宮澤さんに任せっきりだし、俺だけでできなきゃ困るもんね。
 「俺ひく信州読書会」でどれくらい集客ができるのか試してみたいしね。あ、そうそう、ハッタリ好きの俺は、生だと間違ったことを言うかもしれませんので、宮澤さんみたいに、アーカイブに音声を残しませんので、生で聴いてね(この一文を書くための上の文章だったりして笑)。また、日程はここでお知らせします。

松浦亜弥 - LOVE涙色 [アカペラ cover]


(今回、特に、曲に意味はありません笑
これ聴いてたら思い出したってだけで。まぁ、これが流行ってた時期くらいの思い出ですからね)
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