「海外に行くなら、早ければ早いほうが良い」というのはよく言われますが、これは殆どの場合、英語などの外国語習得に特化した考え方だと思います。海外に暮らすメリットは英語だけじゃないのに、早ければ早いほうが良いなんて、本当にホントですか?!
俺は30歳を超えてからアメリカのミネソタ州にポスドク研究員で暮らし始めましたが(現時点で満8ヵ月、初海外暮らし)、『案外、この年齢で初めて海外暮らしすることのメリットってあるんじゃね?』っと思っていますので、今日はそれを紹介しようと思います。今後増えるかもしれませんが、とりあえず、現時点で、ってやつね。
特に、アメリカやミネソタに関係なく、「30歳前後に海外に初めて暮らし始める」なら普遍的に成り立ちそうだと勝手に俺が思うことについて、書いてみようと思います。
1. 英語ができなくてもナメられない
「20代ならまだしも、30代から初めて海外だと、いくらなんでも遅すぎて、英語で苦労するんじゃないだろうか?」と普通に思うと思います。俺も思っていました。
いやまぁ、そりゃ英語ができないと大変なことは多いんですが、、けっこう、こっちの人って、「待ってくれます」。これは正直、年齢の影響はあると思います。ただでさえ日本人は全員、童顔です。だから、最初は若く見えて、くわえて英語もできないから邪険にされることも多々あったのですが、自分の年齢と立場(学生じゃない)がわかると、途端に相手が待ってくれるようになることが多かったです。
英語ができなくてナメられたほうが、ムカついて、英語力は伸びるとは思います。ですが、そんなことでいちいちイライラして、コミュニケーションをとらなくなってしまうのも危ないこと(俺のような性格だとその危険性のほうが高い)。だったら、多少のイライラを回避して、確実に相手が待ってくれる環境の中で、自分が知ってる英語を確実に話していくほうが、自分のペースで英語に慣れていけるかなぁと思うのです。もちろん、一長一短かもしれませんが、俺はこれはかなり大きなメリットだと思います。
2. 「英語が本質」だと思わなくてすむ
けっこう、若くしてこっちに来て、その後、帰国している人などに見られるんですが、「英語=本質」だと勘違いしている人が多いように思います。
「自分とは違う国の人、色んな国籍や色んな人種の人がいる国際色豊かなところでコミュニケーションする」ことのほうが本質に近いわけで、英語はそのツールでしかありません。さらに、コミュニケーションしてみて、「自分が何を得られるか?何を皆に提供できるか?」というほうが、もっと本質に近いわけです。
大学の学部や院で留学をしてしまうと、「英語でそれなりにノリ良く喋れる」以外の武器を磨かないで実戦ばかりを繰り返していることが多かったりして、、それってぶっちゃけて言えば、意味が無いです。だって、「英語で、それなりに無難にノリ良く、それっぽく、議論できる人」なんて、この世にめっちゃ沢山いるわけですから。それよりも、「英語だけができない面白いヤツ」になっておくほうがマシだと思います。
その点、ある程度年齢を重ねてから海外に行くと、これまでに日本で培った「何か」があるはずだから、それを武器にできる(俺の場合は、物理やそれで得られた思考力や、あと音楽の素養もコミュニケーションする上で役に立ってます)。そのほうが議論そのものも深まりますし、相手が自分に対して議論を求めてきてくれます。英語以外の武器がある状態じゃないと、英語を使って、国際色豊かなところで喋る意味は、あまりないですから、どちらかといえば、まず先に、英語以外の何か得意(特異、でもOK)なことや好きなことを武器として日本で蓄えておいて、それを海外で相手から引き出してもらうようにしたほうが、自分からいちいち話しかけなくて良いので、ラクですし、有意義ですよ。
3. 人生のリセットが可能だという事実を味わえる
アメリカの大学に入った日本人の学部生達がよく言うのは、「日本の普通の大学を経験してみたかった」。
これ、ほんとに、めちゃくちゃよく聴きます。
おそらく「本当に日本の大学に入り直してみたいなぁ」と思ってるわけではなく、「同年代とだらだら過ごす、日本の大学生活、通称人生の夏休み、ってヤツを味わってみたかったなぁ」くらいの意味だと思います。日本の大学って、「同年代」って条件がかなり厳しくて、「誰でも入って良い」というわりには、18-22歳が暗黙になってたりします。
つまり、日本の大学は、この時期に入っておかないと、後々、比較ができないわけです。ぷらす同様に、日本でそれなりの社会経験をしないと、海外で形成されている社会とも比較もできません。だから、年齢主義な日本と比較したいなら、10代-20代は日本で普通に生活してみたほうが良いような気がします。どーしても、先に海外に来ちゃうと、日本を想像で語るしかなくなってしまいますから。
日本って根本的にダメだなぁと実感してから海外に来ると、あのシガラミや、あの人間関係を、すべて全部、無に帰すことができるのか、というのは、それなりの衝撃です。もちろん殆ど誰も人生を完全にはリセットしないとは思いますが、原理的に自分にはリセットしうれる、というスイッチを手にすることができるのは、人生を楽しく冒険しながら生きていく上で、そんなに悪いことじゃないように思います。そのためにも、「日本で普通に」というのも体験しておいたら?と思うわけです。
4. プライバシーを保持できる
学生じゃなく30歳から海外に来るってことは、それなりの収入がありながら、ってことだと思いますが、、、どうなんだろう??
これは、特にアメリカの場合になってしまいますが、高校生はホストファミリーが必須だし、大学生もたいていルームシェアしていたりします(まぁ欧州・アジア辺りなら同じようなもんだと思いますが)。で、引きこもり体質の俺としては、これのせいで「海外に行くのは絶対ありえない」と長年思っていたわけですが、30過ぎてると、一人暮らしでも全然問題ない。何か困っても、カネの力で解決できる。あと、これは(今度は)男限定になっちゃいますが、おばちゃんと仲良くなっておくことで、日本人は顔が若いので「しょうがないわねぇ」になるし、「若い」と「大人」のイイトコ取りができます。
この雑多な、何もかもが新しい環境の中で、一人の時間が確保できるのは、正直デカいです。そりゃ、24時間、外国人と暮らしてれば英語は上手くなるかもしれないけど、そのストレスに耐えられない体質の人もそれなりにはいると思います。ある程度年齢を重ねてから海外に来れば、この点を解消できます。
5. 日本のくだらない行事に欠席する大義名分が自然と得られている
日本にはくだらない、でもめちゃくちゃお金がかかる、イベントが、何故か強制的に組まれていたりします。
そうです。たいして親しくもないヤツの結婚式とかです。
海外にいれば、「うわー、招待状来ちゃったよぉ」っということが、ありません。いっさいありません。「こいつ、そこまで仲良く無いし、、だいたい、この結婚、本当に好き同士っていうよりは、明らかに妥協だろ?行く必要あるか?!」などと悩む必要もありません。FacebookやらLINEやらで連絡が来ても、「ごめん、今年は、海外にいるんだよねー」と言えば、それ以上追及されることはありません。
ちなみに、こっちに来るときに、互いに全然関係ない2人の友人から「結婚式から逃げやがったな」と言われました笑。これは、非常に大きなメリットだと個人的には思っています。だって、お金以上に、時間も無駄だし、苦痛だったりするんだもん。
(ごめん他の国の事情は知らんけど)アメリカにも結婚式はありますが、3万円もご祝儀を包むのが普通!、それ以外に結婚祝いも!、みたいな、くだらない「普通」が存在していません。最新の平均初婚年齢は、男性が32歳、女性が29歳です。どうですか?30歳あたりに、1年でも海外にいれば、だいぶ貯金もうくと思いませんか?笑
・・・というわけで、5つ挙げてみましたが、いかがだったでしょうか?
5番目は俺だけとしても笑、結構メリットがあるかなぁと思います。
でも、英語がネイティブレベルでペラペラに話せるように絶対になりたい!、というのなら、さっさと英語圏に来るほうが良いと思います。・・・っま、そんなの、あんまり意味ないと思うけどさ。
俺は30歳を超えてからアメリカのミネソタ州にポスドク研究員で暮らし始めましたが(現時点で満8ヵ月、初海外暮らし)、『案外、この年齢で初めて海外暮らしすることのメリットってあるんじゃね?』っと思っていますので、今日はそれを紹介しようと思います。今後増えるかもしれませんが、とりあえず、現時点で、ってやつね。
特に、アメリカやミネソタに関係なく、「30歳前後に海外に初めて暮らし始める」なら普遍的に成り立ちそうだと勝手に俺が思うことについて、書いてみようと思います。
1. 英語ができなくてもナメられない
「20代ならまだしも、30代から初めて海外だと、いくらなんでも遅すぎて、英語で苦労するんじゃないだろうか?」と普通に思うと思います。俺も思っていました。
いやまぁ、そりゃ英語ができないと大変なことは多いんですが、、けっこう、こっちの人って、「待ってくれます」。これは正直、年齢の影響はあると思います。ただでさえ日本人は全員、童顔です。だから、最初は若く見えて、くわえて英語もできないから邪険にされることも多々あったのですが、自分の年齢と立場(学生じゃない)がわかると、途端に相手が待ってくれるようになることが多かったです。
英語ができなくてナメられたほうが、ムカついて、英語力は伸びるとは思います。ですが、そんなことでいちいちイライラして、コミュニケーションをとらなくなってしまうのも危ないこと(俺のような性格だとその危険性のほうが高い)。だったら、多少のイライラを回避して、確実に相手が待ってくれる環境の中で、自分が知ってる英語を確実に話していくほうが、自分のペースで英語に慣れていけるかなぁと思うのです。もちろん、一長一短かもしれませんが、俺はこれはかなり大きなメリットだと思います。
2. 「英語が本質」だと思わなくてすむ
けっこう、若くしてこっちに来て、その後、帰国している人などに見られるんですが、「英語=本質」だと勘違いしている人が多いように思います。
「自分とは違う国の人、色んな国籍や色んな人種の人がいる国際色豊かなところでコミュニケーションする」ことのほうが本質に近いわけで、英語はそのツールでしかありません。さらに、コミュニケーションしてみて、「自分が何を得られるか?何を皆に提供できるか?」というほうが、もっと本質に近いわけです。
大学の学部や院で留学をしてしまうと、「英語でそれなりにノリ良く喋れる」以外の武器を磨かないで実戦ばかりを繰り返していることが多かったりして、、それってぶっちゃけて言えば、意味が無いです。だって、「英語で、それなりに無難にノリ良く、それっぽく、議論できる人」なんて、この世にめっちゃ沢山いるわけですから。それよりも、「英語だけができない面白いヤツ」になっておくほうがマシだと思います。
その点、ある程度年齢を重ねてから海外に行くと、これまでに日本で培った「何か」があるはずだから、それを武器にできる(俺の場合は、物理やそれで得られた思考力や、あと音楽の素養もコミュニケーションする上で役に立ってます)。そのほうが議論そのものも深まりますし、相手が自分に対して議論を求めてきてくれます。英語以外の武器がある状態じゃないと、英語を使って、国際色豊かなところで喋る意味は、あまりないですから、どちらかといえば、まず先に、英語以外の何か得意(特異、でもOK)なことや好きなことを武器として日本で蓄えておいて、それを海外で相手から引き出してもらうようにしたほうが、自分からいちいち話しかけなくて良いので、ラクですし、有意義ですよ。
3. 人生のリセットが可能だという事実を味わえる
アメリカの大学に入った日本人の学部生達がよく言うのは、「日本の普通の大学を経験してみたかった」。
これ、ほんとに、めちゃくちゃよく聴きます。
おそらく「本当に日本の大学に入り直してみたいなぁ」と思ってるわけではなく、「同年代とだらだら過ごす、日本の大学生活、通称人生の夏休み、ってヤツを味わってみたかったなぁ」くらいの意味だと思います。日本の大学って、「同年代」って条件がかなり厳しくて、「誰でも入って良い」というわりには、18-22歳が暗黙になってたりします。
つまり、日本の大学は、この時期に入っておかないと、後々、比較ができないわけです。ぷらす同様に、日本でそれなりの社会経験をしないと、海外で形成されている社会とも比較もできません。だから、年齢主義な日本と比較したいなら、10代-20代は日本で普通に生活してみたほうが良いような気がします。どーしても、先に海外に来ちゃうと、日本を想像で語るしかなくなってしまいますから。
日本って根本的にダメだなぁと実感してから海外に来ると、あのシガラミや、あの人間関係を、すべて全部、無に帰すことができるのか、というのは、それなりの衝撃です。もちろん殆ど誰も人生を完全にはリセットしないとは思いますが、原理的に自分にはリセットしうれる、というスイッチを手にすることができるのは、人生を楽しく冒険しながら生きていく上で、そんなに悪いことじゃないように思います。そのためにも、「日本で普通に」というのも体験しておいたら?と思うわけです。
4. プライバシーを保持できる
学生じゃなく30歳から海外に来るってことは、それなりの収入がありながら、ってことだと思いますが、、、どうなんだろう??
これは、特にアメリカの場合になってしまいますが、高校生はホストファミリーが必須だし、大学生もたいていルームシェアしていたりします(まぁ欧州・アジア辺りなら同じようなもんだと思いますが)。で、引きこもり体質の俺としては、これのせいで「海外に行くのは絶対ありえない」と長年思っていたわけですが、30過ぎてると、一人暮らしでも全然問題ない。何か困っても、カネの力で解決できる。あと、これは(今度は)男限定になっちゃいますが、おばちゃんと仲良くなっておくことで、日本人は顔が若いので「しょうがないわねぇ」になるし、「若い」と「大人」のイイトコ取りができます。
この雑多な、何もかもが新しい環境の中で、一人の時間が確保できるのは、正直デカいです。そりゃ、24時間、外国人と暮らしてれば英語は上手くなるかもしれないけど、そのストレスに耐えられない体質の人もそれなりにはいると思います。ある程度年齢を重ねてから海外に来れば、この点を解消できます。
5. 日本のくだらない行事に欠席する大義名分が自然と得られている
日本にはくだらない、でもめちゃくちゃお金がかかる、イベントが、何故か強制的に組まれていたりします。
そうです。たいして親しくもないヤツの結婚式とかです。
海外にいれば、「うわー、招待状来ちゃったよぉ」っということが、ありません。いっさいありません。「こいつ、そこまで仲良く無いし、、だいたい、この結婚、本当に好き同士っていうよりは、明らかに妥協だろ?行く必要あるか?!」などと悩む必要もありません。FacebookやらLINEやらで連絡が来ても、「ごめん、今年は、海外にいるんだよねー」と言えば、それ以上追及されることはありません。
ちなみに、こっちに来るときに、互いに全然関係ない2人の友人から「結婚式から逃げやがったな」と言われました笑。これは、非常に大きなメリットだと個人的には思っています。だって、お金以上に、時間も無駄だし、苦痛だったりするんだもん。
(ごめん他の国の事情は知らんけど)アメリカにも結婚式はありますが、3万円もご祝儀を包むのが普通!、それ以外に結婚祝いも!、みたいな、くだらない「普通」が存在していません。最新の平均初婚年齢は、男性が32歳、女性が29歳です。どうですか?30歳あたりに、1年でも海外にいれば、だいぶ貯金もうくと思いませんか?笑
・・・というわけで、5つ挙げてみましたが、いかがだったでしょうか?
5番目は俺だけとしても笑、結構メリットがあるかなぁと思います。
でも、英語がネイティブレベルでペラペラに話せるように絶対になりたい!、というのなら、さっさと英語圏に来るほうが良いと思います。・・・っま、そんなの、あんまり意味ないと思うけどさ。