さて今日は日記ではなく、わりと一般向け文章で、これから東大の大学院に学歴ロンダリングしようとしている理系向けに、内部あがりの東大生ってどの辺りがどれくらい賢いの?どんな性質があるの?ということを語ろうと思います。私自身、理科大から東大院にロンダしたという典型ケースですが、それがもう7年も前のことになります。で、7年経って、完全に東大と所属が離れたので(すっきりしているついでに)、かなーりいまさらですが、これを書いてみようかと思います。
そんなの、分野によって違うだろ!っと思われるかと思いますが、まったくもってその通りだと思います。たとえば、私が(なんやかんや研究員含め)7年もいた駒場と、理学系や工学系や医学系では、絶対に違いがあるとは思います。それでも、研究以外にTAなどで学部1年生や2年生と関わる機会、また私自身の研究分野が融合分野で様々な分野の人と話す機会が多かったので、今は殆ど何も知らなくてこれから東大に入る、という人よりは、まだ内情が分かっているかと思いますので、お役に立てるところがあれば幸いです。それから、なるべく分野に依存せず、東大全体に普遍的であるだろうということに焦点をおいて、箇条書きしてみようと思います。
1. すべての東大生に共通していえる賢さは、学習における幅広い見識と圧倒的なバランスの良さ
あなたが私大などの出身で、それなりの偏差値で自分の専門をきちんと勉強してきているのであれば、その専門性や知識量や理解力が内部の東大生の平均に負けるということは、正直(どの分野でも)そこまで無いと思います(特に理論物理や数理以外だったら)。研究室や専攻内で「自分だけ、おいていかれているかも?」と思うのであれば、それは多くの場合は単純に「慣れていない」から。ただそれだけです。だから、賢さの絶対的なレベルという意味では、(院試にさえ通れば)あまり心配は要りません。
でも、忘れてはいけないのは、あなたは「専門だけやってきている」一方、内部の東大生は学部2年の中頃まで教養学部に所属し、他の科目もめちゃくちゃきちんとやらされていること。しかも、大学受験で、文系科目も含めたセンター試験、理科を最低でも2科目はめっちゃきちんとやっています。なので、内部生は、自分の専門は化学だから数式が苦手ということや、pHってなんだっけ?自分の専門は物理だからわかんないや、理系だから英語はあんまりできないんだよなぁー、などということが、ほぼ絶対にありません(極々たまーに忘れている人はいるけど本当にめっちゃレア)。さらに文系科目についても、すごく見識が深かったりします。
これは、外部でもよその国立大学から来ている学生も持っている能力ではあるんですが、率として、東大内部生は圧倒的にこの幅広い見識とバランスの良さを誰も絶対に落としていません。この「幅広い見識とバランスの良さ」というのが、実は、東大最大の武器でストロングポイントなのですが、、このスゴさに気がついていない東大関係者は多いイメージがあります(東大だけみてると、それに気がつけないのかな?)。逆に言えば、あなたも、専門以外もバランス良く最低限勉強しておけば、あまり東大内部生を必要以上に恐れたり意識したり怖がったりする必要は無いかと思います。
2. 東大には、最低ラインと平均だけでなく、ガチのずば抜けた天才がいることを知ろう
どうしても(私たちのような)常人だと、このラインさえ超えれば東大に受かるんだろ?ということしか考えられませんが、受験というレベルを完全に超越してしまっている天才も東大にはいます。ここも頭の中においておかないと、面食らう瞬間があるかもしれません。
大抵の東大内部生に対しては1だけ気にしていれば賢さのイメージとして当たっていると思いますが、天才が存在していることを忘れてはいけません。でも、これはそれなりにレアケースだと思います。私自身もNが少ないので、正確にはわかりませんが、おそらく多くても5%程度だと思います。何かの分野に突出したという意味でもあるし、あらゆる賢さにおいて超越しているという意味でもあります。とにかく、自分とは完全に別の生き物であるくらいの賢さを持っている人がいうる、ということは知っておきましょう。
3. アンチテーゼ好きが多い
学部から東大に入った東大生の多くは、塾や予備校に通っていた時期があります。塾や予備校では「学校ではこうやって教えたかもしれないけど、ほんとはー」とか「受験ではこうしたほうがラクでーす」というような伝え方をしがちなので、「アンチテーゼ≒正しいこと」というパブロフ効果になってしまっている東大生は、案外多いものです。しかも、賢さを絶対に保っていなきゃいけないという周囲の要請から、「なーんも考えていないで、誰か賢い人が言っていることを、ただ自分も言っているだけ」ということがバレてはいけませんから、「いかにも考えていそうなアンチテーゼ」というのを愛している人が、やたらめったら多いです。
もし、外部から東大に入ってくるあなたが、東大の朱に交わりたいなら、アンチテーゼを意識すること。もし、一目を置かれたいなら、テーゼにも一考の価値があるかもしれないと考えたり、両方を抱括できるようなジンテーゼを探ること。これもポイントです
4. 要領良く、誰かに最適化していくことが得意な人が多い
これは上の3つよりは、そこまで全員には当てはまらない、ちょい割合は下がるのですが、それでもマジョリティーだとは思います。指導教員の先生など誰かこの人!と決めたら、その人の要求に最適化して自分の行動を最短経路で選ぼうとする人は多いです。これは指導者が完璧なら良いですが、指導者が不完全やその立場に足る人物でないと、(特にサイエンスの場合)危険なこともあります。
これは少しウィークポイントですが、現実的には研究室の戦力としてとても頼りになることが多いです。でも、指導者が完璧なことなど殆どないので、むしろ外部から来た(要領の悪い)あなたが、勇気を持ってサイエンティフィックに戻すことが重要になることもあると思います。頑張って。
というわけで、4つ挙げてみました。
今日はここまでにしときましょう。また、思いついたら、この記事は更新するかもしれません。では。
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そんなの、分野によって違うだろ!っと思われるかと思いますが、まったくもってその通りだと思います。たとえば、私が(なんやかんや研究員含め)7年もいた駒場と、理学系や工学系や医学系では、絶対に違いがあるとは思います。それでも、研究以外にTAなどで学部1年生や2年生と関わる機会、また私自身の研究分野が融合分野で様々な分野の人と話す機会が多かったので、今は殆ど何も知らなくてこれから東大に入る、という人よりは、まだ内情が分かっているかと思いますので、お役に立てるところがあれば幸いです。それから、なるべく分野に依存せず、東大全体に普遍的であるだろうということに焦点をおいて、箇条書きしてみようと思います。
1. すべての東大生に共通していえる賢さは、学習における幅広い見識と圧倒的なバランスの良さ
あなたが私大などの出身で、それなりの偏差値で自分の専門をきちんと勉強してきているのであれば、その専門性や知識量や理解力が内部の東大生の平均に負けるということは、正直(どの分野でも)そこまで無いと思います(特に理論物理や数理以外だったら)。研究室や専攻内で「自分だけ、おいていかれているかも?」と思うのであれば、それは多くの場合は単純に「慣れていない」から。ただそれだけです。だから、賢さの絶対的なレベルという意味では、(院試にさえ通れば)あまり心配は要りません。
でも、忘れてはいけないのは、あなたは「専門だけやってきている」一方、内部の東大生は学部2年の中頃まで教養学部に所属し、他の科目もめちゃくちゃきちんとやらされていること。しかも、大学受験で、文系科目も含めたセンター試験、理科を最低でも2科目はめっちゃきちんとやっています。なので、内部生は、自分の専門は化学だから数式が苦手ということや、pHってなんだっけ?自分の専門は物理だからわかんないや、理系だから英語はあんまりできないんだよなぁー、などということが、ほぼ絶対にありません(極々たまーに忘れている人はいるけど本当にめっちゃレア)。さらに文系科目についても、すごく見識が深かったりします。
これは、外部でもよその国立大学から来ている学生も持っている能力ではあるんですが、率として、東大内部生は圧倒的にこの幅広い見識とバランスの良さを誰も絶対に落としていません。この「幅広い見識とバランスの良さ」というのが、実は、東大最大の武器でストロングポイントなのですが、、このスゴさに気がついていない東大関係者は多いイメージがあります(東大だけみてると、それに気がつけないのかな?)。逆に言えば、あなたも、専門以外もバランス良く最低限勉強しておけば、あまり東大内部生を必要以上に恐れたり意識したり怖がったりする必要は無いかと思います。
2. 東大には、最低ラインと平均だけでなく、ガチのずば抜けた天才がいることを知ろう
どうしても(私たちのような)常人だと、このラインさえ超えれば東大に受かるんだろ?ということしか考えられませんが、受験というレベルを完全に超越してしまっている天才も東大にはいます。ここも頭の中においておかないと、面食らう瞬間があるかもしれません。
大抵の東大内部生に対しては1だけ気にしていれば賢さのイメージとして当たっていると思いますが、天才が存在していることを忘れてはいけません。でも、これはそれなりにレアケースだと思います。私自身もNが少ないので、正確にはわかりませんが、おそらく多くても5%程度だと思います。何かの分野に突出したという意味でもあるし、あらゆる賢さにおいて超越しているという意味でもあります。とにかく、自分とは完全に別の生き物であるくらいの賢さを持っている人がいうる、ということは知っておきましょう。
3. アンチテーゼ好きが多い
学部から東大に入った東大生の多くは、塾や予備校に通っていた時期があります。塾や予備校では「学校ではこうやって教えたかもしれないけど、ほんとはー」とか「受験ではこうしたほうがラクでーす」というような伝え方をしがちなので、「アンチテーゼ≒正しいこと」というパブロフ効果になってしまっている東大生は、案外多いものです。しかも、賢さを絶対に保っていなきゃいけないという周囲の要請から、「なーんも考えていないで、誰か賢い人が言っていることを、ただ自分も言っているだけ」ということがバレてはいけませんから、「いかにも考えていそうなアンチテーゼ」というのを愛している人が、やたらめったら多いです。
もし、外部から東大に入ってくるあなたが、東大の朱に交わりたいなら、アンチテーゼを意識すること。もし、一目を置かれたいなら、テーゼにも一考の価値があるかもしれないと考えたり、両方を抱括できるようなジンテーゼを探ること。これもポイントです
4. 要領良く、誰かに最適化していくことが得意な人が多い
これは上の3つよりは、そこまで全員には当てはまらない、ちょい割合は下がるのですが、それでもマジョリティーだとは思います。指導教員の先生など誰かこの人!と決めたら、その人の要求に最適化して自分の行動を最短経路で選ぼうとする人は多いです。これは指導者が完璧なら良いですが、指導者が不完全やその立場に足る人物でないと、(特にサイエンスの場合)危険なこともあります。
これは少しウィークポイントですが、現実的には研究室の戦力としてとても頼りになることが多いです。でも、指導者が完璧なことなど殆どないので、むしろ外部から来た(要領の悪い)あなたが、勇気を持ってサイエンティフィックに戻すことが重要になることもあると思います。頑張って。
というわけで、4つ挙げてみました。
今日はここまでにしときましょう。また、思いついたら、この記事は更新するかもしれません。では。
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