たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

面白いものをみせておくれ

2021-06-17 01:37:00 | Weblog
 あの頃目指していたことは所詮何かの箱の中で押し込められた事柄で、その箱から出ようとせずに真実を探し求めていたのかもしれないね。

 本気じゃないくせに本気であるかのように振る舞うことで輝かしい言葉を取ることに溺れてしまっている人達に触発されて、最初は本気じゃなかった俺が本気であるためには何が必要かを提供する役回りになると、その表層上の言葉だけを利用して利益を得ようとする有象無象がいくらでも湧き出てくる環境では、どんなに試験で高得点が取れたとしても、どんなに優等生らしい文章が書けたとしても、自然現象はそんなに甘い敵ではない。
 誰だって嘘は付きたくないのが本音だろう。嘘をつかないと生きていけないと思い込んでいる、だけど嘘を付きたくない人達の看病に手が回るほどに、あの頃の俺には余裕がなかったわけではなかった。

 肌にトゲがあれば、存在そのものが必然的に他者を傷つけてしまう。虚偽にならない程度に故意に誤解させることで相手に責任を負荷させることを当たり前にしている人にとって、「たかはしけい」は存在そのものがトゲであり、いてはならない存在であることが多い。
 タバコを吸っている人にニコチンの有毒性を指摘するが如く、風俗嬢に恋する大学生にその女の生活をすべて見せるが如く、スーパーの安いネギトロ寿司を美味しいと感じている人にアカマンボウを突きつけるが如く。しかも、相手が既に使った論理体系をそのまま使って説明したりしてね。それだけじゃ飽き足らず、認知的不協和を起こしている姿を楽しそうに見つめ、性格悪く高笑いする。

 長い人生の中でも、豁然大悟するチャンスはそんなに多くはない。
 そのチャンスをかなり飛躍的に高めてあげているのだから、もう少しくらいは敬意を払ってくれても良いんじゃないの?ってね。

 「さあ、お手並み拝見といこうか」
 あれから、ジャッジするのがどっちなのかすらわかっていない連中が、その大事な瞬間を反故し続け、本音を出すに値しないこの国に失望しかけていた。
 
 でも、このゲームは、もしかしたら、と思わせなくはない。その確率密度関数は、確実にピークに近いところに存在している。
 チェーンオイルを差し、外れていたチェーンを修復し、いざギアを回して行こう。実際に走ってみないとギアチェンジしないんだよね。
 
 世界よ、面白いものをみせておくれ。
コメント
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