大学院入試が、終了した。これで、きっと受験ともお別れだろう。でも、人生はいつだってオーディション。こんなんは結構ザラにあるのかもね。
この記事では、俺が特に役に立ったと思う各科目の参考書と概要を紹介しようと思う。ちなみに、前にも参考書紹介みたいなんをやっているが、重複する…。その昔の参考書紹介のほうも随時更新したいと思っている。
後輩のためになれば、幸いっす。
まず、大学院入試で一番大変なことを言及しとこう。それは、一般の大学生が勉強していない時期に、割とガチで勉強しなきゃいけないことだと思う。ただでさえ勉強しない日本の大学生。それに加えて、就職決まってるヤツもいる。遊ぶラストチャンスやー!!言うて、遊びまくっているヤツもいる。その最中、演習問題を解くのは、よっぽどの勉強馬鹿でない限り、苦痛であろう。
しかし、まだ実感を持ててないが、それ以上のベネフィットが返ってくる。大学受験でいう偏差値が今いるとこより上の外部に行こうとする(一般に、「ロンダしようとする」というらしい)人は、特にね。それに、遊ぼうと思えば、いつだって遊べるしね。
もうひとつ、院入試は、学部の定期試験と同じで、情報戦でもあるということ。
理系のどの分野であっても(文系もかも(法科大学院などは除く))、メールでアポとって、研究室訪問して、そこでお話をさせていただく。。この作業をめんどくさがらずにどれだけできるか、が本当に勝負です。僕は、マジで、説明会での訪問含めて、16研究室ほど回りました。第7希望の研究室でも、訪問をすべきです。そこに通う可能性が1%でもあるなら、行く。そういうスタンスが、大学院入試での偏差値upを意味すると思います。
こーゆーこと言うと、すぐ、楽じゃーん、って勘違いする方がいらっしゃるので、厳しいこと言っときます。情報は力ですが、使わなければ意味がありません。例えば、その辺にいる超遊んでそうな頭悪そうな高校3年生に、俺が、来年のセンター試験と東大の問題と解答解説をあげたとしても、絶対に東大には入れない。答えを丸暗記する努力すらしないだろう。だから、絶対に入れない。カリカリ、コツコツ、頑張ることは、それらがよっぽど習慣化している人以外は、意識的に必要です。
僕は、東京大学の某研究科(理系)に決まりました。詳しく知りたい人はこのページ内を探索してみてください。
では。科目別に。。
[外国語(英語)]
すべての、少なくとも理系の、大学院入試において(きっと、文系も)、最重要科目である。他科目と違って、イイワケが言えないからである。
例えば、専門科目、統計力学でも有機化学でも、大学でそんなのやってないもんっ、っというイイワケは理屈が通っている。学習指導要領がある高等学校と違って、高等教育というのは自由だからね。だが、しかし、英語は、あなたが物理系だろうが化学系だろうが、理系だろうが文系だろうが、関係はない。4年間も大学にいて、英語をやらない人はほとんどいないはず。だから、絶対にできなければならない。それが良いことか悪いことかは置いておこう。ほとんどの場合の大学入試でも最も重要になってくるように、英語が院試でも最重要となってくる。
だけど、要求されるレベルは、さほど高くはない。最難関の大学受験レベル(理系なら京都大かな?)を裕に下回る。いかに、大学生の頭が弱いかわかる。なので、参考書も大学受験のモノで充分。ってか、そのほうが安いしね。
ちゃんと英語が得意なら対策はほとんどいらない。俺みたいに、そこまで英語が得意でない人、もしくは、3年間でさぼっちゃった人へ。
『データベース英単語・熟語4500&5500』…高校でもらった英単語帳をココまで使うとは思わなかった。単語帳一冊完璧にしとく。ポイントは、簡単な単語の完璧マスター。1つ1つはみんな知っているような簡単な単語だが、自分にとっては知らなかった簡単な単語、ってのは意外に多い。それを、恥ずかしがらず、反省して、完璧に覚える。多義語、語法という意味でも、完璧に。4500は全部。5500は3章までやりました。これに加えて、僕は、ターゲットなどもやりました。
『英文読解 スマートリーディング Advanced Book(山下良徳著)』…英文読解をする上でのテクニック集って表現が適切だと思う。扱っている英文は非常に簡単だが、長文を読む良い指針になる。立ち読みだけでも、価値があると思う。クジラ構文がどーも苦手な人は、是非。
『英文 要旨要約問題の解法(駿台受験シリーズ)』…大学受験においては、ほとんどの人が必要でない本だと思う。内容は、東大の1問目である要約問題がひたすら載ってるって感じ。要約は、英語力はもちろん、要約するわけだから国語力も必要である。採点基準がしっかり書いてあるので、その辺を養うには、良い本だと思う。
『英文和訳演習[上級篇](駿台受験シリーズ)』…大学受験でこのレベルまで必要な人はいないと思う。普通は中級で全然オッケー。英語が難しいと言われる京大や一橋でも、ここまでは要らないと思うんですが。。正直、外大とかを受けない高校生がここまで英語完璧にするくらいなら、他科目やれっと思う。これはいくらなんでもレベルが高いですが、院試のために完璧にするんだ!!とか、自信をつけるため!とか、なら良いと思う。僕は半分くらいまでしかやってません。
『実践編 英作文のトレーニング(z会出版)』…難関校において、単語はみんな最低ラインは覚えてくる。英文法だって、試験前に不完全なヤツは、ハナっから論外。長文だって、普通に文脈とれるくらいは、みんな対策する。だとしたら、英語で差がつくのは、動詞の語法をきちんとしてきたかどうか、と、英作文だ(それ以上のレベルになると、純粋な単語力≒英語力)。この問題集を、1問こなすのが、直前期の日課だった。英作文は対策しにくいが、この本は独学ができるので、英作がでるところを受ける人は、おススメ。これが難しく感じる人は、あまりに英作をしてこなかったか、文法の基礎がなっていないので、別の本をまず使うべきだと思うけど、がんばって、知ってる単語で英文を書けば、そんなもんか、っとなってくるはず。解答が複数でていて、よくある間違えと、なぜ間違えか?、が載っているのが嬉しい。
ちなみに、東大の多くの理系の専攻科では、TOEFL-ITPです。良い参考書も多いですが、iBTなどと間違いないようにしないと。
リスニング対策が大変だと思います。本当に早いスピードですから。シャドウィング(聞こえてきたものを、とりあえず、ひたすら、発声するという対策)が効果的だとよく聞きますが、僕は2週間でやめました(笑)。それよりじっくり聞いてたほうが、点数とれるんですが、、努力が足りないんでしょうか…。
そして、文法問題に対する素早く正しい解答をだす術を身につける必要があるでしょう。
英語は、大学受験時代が、結局一番できたなー、ってなってしまっている、大学生は、案外多いじゃないだろうか(特に理系)。。大学院を受ける人で(本来は、就職するんでも、なんだろうけど…)、そのケースなら、一回プライドを捨てて、ゼロから出発しなきゃいけない。同じことでも、できてないわけだから、高校生レベルに戻って、やり直さなきゃなのだ。
その、自身の弱さを受け入れ、それでも頑張る強さが、受験では一番大切なのではないだろうか。
[数学]
僕は院入試で数学という科目はありませんでしたが、物理学を学ぶ上で、どーしても必要となってしまう数学、程度の数学、っということで、まとめてみます。
『青チャートIAⅡBⅢC』…(大学レベルでは)簡単な積分計算や基本事項の確認に、案外、開いた回数は多いです。今だに、僕の本棚の左端にあります。もう、ぬしさまです。公式集みたいな感じで使ってました。高校生と接したり、教職をとってるお陰で、計算力はほとんど鈍ってませんでしたが、入試の有名問題など(で必要そうなもの)は忘れていたのもいくつかあったので、カリカリ解きにはいきませんが、確認はしていました。
『大学への数学 微積分 基礎の極意』…青チャートと同じ理由。ちなみに、高校数学の微積はこの本で完成できる。数Ⅲはなんだかんだで暗記と有名問題のマスターだからね。
『演習 ベクトル解析』『演習 微分積分』(サイエンスライブラリ演習数学)…あの黄色ヤツです。大学での座標系を確認したり、1年生で習う微積や微分方程式を復習するのに良いです。そーいう、簡単なものを確実にしていくことから、すべてが始まる気がします。
物理数学とかで、留数計算などが出ないなら、数学はこれくらいでいいんじゃないでしょうか。線形代数とかフーリエ解析とか、数学ががっつり出るとこの対策は、まったくしていないので、わかりません。
使う数学っという意味では、きっとこんなもん。
[専門科目(物理中心)]
『∑BEST 理解しやすい物理・化学・生物(文英堂)』…この3冊から学んだモノが俺は一番多いかもしれん。こんなにも高校理科が大切だと思わなかった。まだまだ高校レベルで知らないことがあるな、っと思った入試でもあった。なんでもそうだけど、簡単なことでも完璧にするのってすごく難しいんだね。特に僕は生物を高校でやってなかったので、結構、読みました。神経やセントラルドグマなど頻出項目は入試前にチェックしておくだけで、安心感は違います。
『大学演習 熱学・統計力学(久保亮五編)』…この本の5章の必要な範囲は完璧にしました。試験ではミクロカノニカルが一番、出題しやすいです。こういうとこで、同じものを含む順列ってなんだっけ?とか、nCrとかnPrとかを忘れちゃってると青チャートに戻る必要がでてくるわけです。量子統計、熱力学も、これを使って、演習したりしました。っま、本番で、この努力は報われず、予定外の化学をとるわけですが(笑)。
『Introduction to Electrodynamics(Griffiths著)』…唯一の洋書です。Quantum MechanicsのGriffithsは、使ったけど、解答が見つからなかったので。。電磁気は、色んな本を触れにいきましたが、総体的にいって、Griffithsが一番わかりやすい。入門コースの例解でも砂川先生の理論電磁気学でも、表記が複雑になり過ぎているが、Griffithsは表記がとっても単純化されていると思う。ただし、電気双極子を多重極展開から説明しているので、電気双極子は他のもので。あと容量係数なども載ってないです。もう、この記事に書いてあることをだいたいわかるあなたは、英語だから、ヤダっとか言ってる場合じゃないです。
『量子力学Ⅰ・Ⅱ(猪木慶治著)』…たぶんだけど、量子力学はこれで勉強している人が多いと思う。だから、重要。みんながやってることをちゃんとやらないといけないのが、受験だからね。生成・消滅演算子や重心・相対座標系、ハイゼンベルグ描像など、この本から直前で学んだことは多いです。摂動論や変分なども(変分法はこの本にはでてません)、過去問で出てなくても、量子力学がでてるなら、やっといたほうが無難かも。
『演習 大学院入試問題[物理Ⅰ,Ⅱ]』…よく売ってる黄色い本。書店によっては、大学受験コーナーにある。これは、持っているだけで良い(理系東大院受験は必須)。なぜ持っているだけで良いかと言うと、大学教養課程ってのは、どの公式を覚えれば良いかすらあまり明確ではない。それがある程度は明確になる。その視力検査として、持っておくべき。でも、理論系の研究室なら置いてあると思いますから、いらねーかも。僕は買いましたけど。
『統計力学を学ぶ人のために(芦田正巳著)』…山口大での講義ノートがそのまま書籍化されたもの。ミクロカノニカルの扱い方に関して、(少なくとも日本の)どの本よりも明快。試験のための勉強、に対して、とても有効。学生がこーやって間違えるみたいなもんも入っているし、解答をこう書くと教授陣は嬉しい、と言ったことも、非常に参考になる。
つづく。。今回は、専門科目については、特に大事なものだけを載せました。新しい記事で、この下に書きます。
【んで、それで、これからどうすんの??】
『え?あー、そうね…。終わったら死んでもイイかもって思ってるから、今はまだ、何ともいえんけど…。』
【なんかさ、何かを目指してた方が、良いんだなって。何も目指してなくて、それで、遊んでても。。】
『そりゃーそうだって。明確な目標もなく、プラプラしてるほーが、よっぽどストレスがたまってて、暗いって。それは、経験者である、俺がほしょーする。』
【うーん、そっかぁ。。】
明確な、わかりやすーい目標が達成された今、虚しささえ感じている。第一希望って初めて受かった気がするけど、喜びよりも、安心感のが遥かに強い。やっぱり、人生の一番輝かしい時は、失意と絶望の中から、自分の人生に、本気でチャレンジしようと、胸中に湧き上がるのを感じるときなのだなっと思う。
まぁ、ちょっとゆっくりもしたいので、何するのかは、まだわかりません。。
国家Ⅰ種でも目指してみるかっとか思ってたけど、同じ道を歩んでくれた後輩がとっちゃったし、流石にもう、試験を受けるということにも飽きが来てるしね。
アカペラ…、うん、それもしたいけど、時間があわないだろうな。アプローチはするけど。
『カワラナイまま、か…。それは無理やな。。』
≪それはそうでしょう。だって、どんなにイイモノだって、そのままで良いはずがないじゃない??≫
『…(笑)。確かにー。』
でも、それでも、カワラナイまま、思い描く自分になっていきたい想いもあって…。
明確な目標のせーで、何か大事なモノを落としてきてしまったなら、拾いにいけば良いだけの話。受験と一緒。全部投げ出しても、拾っちゃえばカワラナイ。
そういうふーにして、明確な目標じゃない、すげー抽象的で曖昧な目標を、叶えにいこう。
どっちもとって、どっちも成功させないとね。