blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

いいことをしたい人

2024-05-11 21:28:45 | 日記
今の現場に来てから一定の月日が経って毎日のリズムにもだいぶ慣れた。
会社そのものは日曜以外は動くので人間ベースでは土曜日は一週おきの出勤だ。
平日ほどは仕事量はないから、二班体制の片方つまり人員の半分が出て対応する。
建前上は定時まで拘束されるが実際は現場としてやるべきことを終わらせることを前提に早めに帰れるケースが多い。
早めと言っても半ドンなどは望むべくもなく、だいたいは15時から16時くらいだから気持ち的には定時までいるのとあまり変わらない。
今の時代この土曜勤務だけは何とかならないかとは思うが、業種のわりには品のいい職場だし平日の帰りもめったに遅くはならないから文句を言うにはあたらない。

さて、我が職場には、日頃から一見良さげな振る舞いをしていながら周囲の評価がまるで上がらない人がいる。
今はもう見ないが、以前は自分が手すきになったら私のいる現場の手伝いに入ってくることが多かった。
私も最初の頃は何も分からなかったから「ああ、こちらが忙しいのを見かねて入ってくれているんだ」と考えていたし、職場にいろいろと注意書きを貼ったりしてわりあい気が回るタイプなのかとも思っていた。
しかし本人の魂胆はまるで違っていることが後になって分かった。

話はそれるが、例えば性格が大変マジメな学生さんで、どこかで災害や何かがあればボランティアに行かずにいられない。
学生さんは自由に使える時間は多いし、熱い思いに駆られて行動することは必ずしも悪いこととは思わない。
しかしこういう学生さんが就職試験の面接で「取り組んだこと」としてボランティアをアピールしたとする。
私が面接官なら「で、卒業は大丈夫なのですか?」と質問する。
そこで言葉に詰まるような学生さんだったら一発アウトである。
ボランティア活動を絶対善と信じ込み学生の本分である勉学をそっちのけにしてまでのめり込む人物は、組織に属しても組織の本分から外れた行動をとることが目に見えるからだ。

我が職場の「いいことをしているが誰からも好かれない人」は自分の担当業務にアヤフヤなところがあって、物品の破損も多く残念ながら事故が多い印象を持たれている。
本人を観察していて分かるのは、自分の担当で活躍できないモヤモヤを別のことで何とか埋め他人から注目ないし感謝されたいというさもしい心情である。
学問をしないでボランティアにばかり行って卒業が危うくなりそうな学生さん同様、自分の仕事がボロボロなのに他部署の手伝いや雑用など一見良さそうなことをしたところで周りの評判が上がるわけがない。
本分を忘れた状態で表面だけ飾ろうとして周囲に見透かされて逆に迷惑がられることになっているのに、本人は本気で「なぜだろう?」と思って不満をため込む結果となっている。

こういうタイプは他人がとやかく言ってもムダで、本人が心底気づいて「これではダメだ」となるまでは絶対に直らない。
いつ気づくかはまさに本人しだいである。
他者の評判をほしがって時に痛々しいまでにかいがいしく動いてはみるが思うように得られずためなくてもいい不満をためているから、時に不可解なタイミングや状況で感情を乱して余計に煙たがられてしまう。
逆に「お、こいつは自分の仕事はキチンとやっとるな」という評判が固まれば、極端に言えば良さげな行動などする必要もない。

かくいう私自身もそのあたりの塩梅が分からないまま結構いい加減な年齢までいってしまった。
どこかの時点で気づくことができたから今は当時とは全く違った心持ちで過ごすことができている。
しかし本人にはこれから私から何か言うことはない。
いくつからでも人生は変えられるとどこかの時点で気づいてくれればいいのだが。