昨日は今回のロイヤルウェディングの晩餐会で使われたというローランペリエ.ロゼブリュットの事を書きました。昨日からグラスで開けています。
さて、このロゼシャンパン、通常のシャンパンともロゼワインとも違うのです。当たり前のようですが・・・・
ヨーロッパ=EUの法律ではロゼワインは黒い葡萄から赤ワインを造る要領で果汁が色づいてきた時点で液を抜き取り発酵を続ける方法で作ります。赤ワインと白ワインを合わせて造ることは禁じられています。つまり安易な着色ではなく、ロゼはロゼとして造る、という事ですね。
しかしシャンパンだけは白いシャンパンのベースに赤ワインを合わせる方法が許されているのです。この方法をクパージュといいます。シャンパンの場合、瓶内2次発酵をし、更にその後に熟成の過程がありますのでロゼワインを造ってからだと色の管理が難しいようですね。
ですから色の鮮やかなロゼシャンパンは赤ワインの色なのです。この方法で造った場合、香りに苺様のチャーミングさが前面に出ます。またより濃い色合いの場合タンニンの存在を感じますね。シャンパンの特徴である酵母=イーストの香りは若干マスクされている事が多いかもしれません。
さて、それだけがロゼシャンパンか、というと実はロゼワインを造ってから2次発酵、熟成をするやり方もあります。セニエ=血抜きという呼び方をします。つまり黒葡萄の色素を液体に滲ませて造る、血を抜くように色素を引き出す、という事です。
これを実践している少数派にローランペリエがあります。
赤い果実は感じられますが、酵母の芳ばしさと合わさってモカやコーヒーのようなエキゾチックさが加わります。当然のことながら赤い色素が褐色を帯びてタマネギの皮やレンガを連想させる色合いです。複雑で厚みを感じます。イーストの芳ばしさはデザートの粉の風味ともいい感じです。
こう書くとロゼワインと同様でない事はお判りかと思います。ロゼワインの手法とシャンパンの手法を手間ひまかけて昇華させたローランペリエ.の名作です。
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