スポーツ、とりわけ競技スポーツでの失敗は悔しいものです。
「他人より早く」
「もっと遠くまで」
「より沢山点を獲りたい」
「相手を投げたい」
そして何より「負けたくない」
そういう想いの強い人が「トップクラス」に到達するのだろうと思います。
それでも失敗やイレギュラーはつきものです。
思い出すのは1992年のバルセロナオリンピック男子マラソン。
前年に世界選手権を制した谷口浩美さん。
日本人が世界選手権で勝ったのは後にも先にも彼だけです。
その成績と日本中の期待を背負っての出場。
ところが、20キロ地点辺りで後続選手に靴の踵を踏まれたのです。
転倒し、約30秒のロス。
残念ながら優勝できず8位に終わります。
そのあとのインタビューでは「こけちゃいました」「これも運ですね。一生懸命やりました」と・・・(見た目は)明るく応えていました。
「こけちゃいました」は、その年の流行り言葉のように皆が真似ていたと記憶しています。
「こけちゃいました」は、その年の流行り言葉のように皆が真似ていたと記憶しています。
悔しかったと思います。
しかし、彼のあっけらかんとした言葉に見ている人も救われたのではないでしょうか?
さて、北京冬季オリンピックでは様々な出来事が起こっています。
ジャンプ複合とか女子チームパシュートなど。
谷口選手のように「こけちゃいました」と本人の口からは言えないのはチーム競技ゆえの辛いところです。
アナウンサーやコメンテーターが「よく頑張りました」「銀メダルでも凄いことです」「恥じることはない」と連呼しますが、彼女らの心の中はそう行きません。
彼ら彼女らは「人の為にやっているわけではない」のです。
「他人より早く」「人より遠く」と必死にもがいてこられたのですから「銀でええやん」と慰められても、「また次があるやん」と言われても・・・
どんな言葉を掛ければ良いのか?
いや、掛けない方がいいのか?
と、考えながらも昨日大阪で確認されたコロナ死亡者数42名はそれすらも吹き飛ばします。
樋口誠
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