小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

若冲、行きました!

2016-05-07 09:35:22 | Weblog

近年稀に見る混雑の展覧会の若冲展、行ってきました!

11:30上野駅で待ち合わせ、いつものハリマ・ケバブ&ビリヤーニで腹ごしらえをしてから、いざ東京都美術館に行くと、このミュージアムではかつて見たことのない長蛇の列。見ると90分待ちとあります。

いや~、5人の大所帯で待ち合わせて行って良かった。
独りでは、とても持ちません。

伊藤若冲の展覧会。
実は皇居内にある宮内庁三の丸尚蔵館では、文字通り宮内庁所蔵の若冲作品を意外とマメに展示されることがあり、今回の展覧会も多くは見たことのある作品。

それでも外国人所蔵のモザイクの鳥獣花鳥図屏風など(これも東北で最近展示されました)、初めて見る作品も多いということで、1日かけて見ることにしました。

入場者制限をしてるとはいえ、場内はものすごい人出。
有名な作品の前ではピクリとも列が動かないところもあって、「空いてるところからご覧ください」という場内アナウンスが鳴り響きます。

人に”ドン!”とぶつかって謝らない、マナーの悪いおじさんやおばさんも多く(なぜか、若い人より中高年以上が目立ちます)、展示を全部見るには、かなりの気合いと根性、体力が必要です。
これから行こうという方は、それなりの覚悟を持って行ってくださいませ(笑)。

若冲を最初に見たのは、今から30年ほど前でしょうか。
↑ 右上のサボテンと鶏が描かれた屏風を、まだ元赤坂にあったサントリー美術館で見て、びっくりしたのが最初でした。

学生か、まだ卒業したてくらいの時で、日本画の学生が「若冲、若冲」と騒いでいて、それで美大生仲間では流行りはじめたものでした。

千載具眼の徒を竢つ(私の絵は千年後に理解される)という若冲の言葉からすると、今の混雑は早いのか、遅いのかわかりませんが、銀閣寺などに屏風絵が残されてることなど、実は生前から評価が高く、円山応挙と並び賞される絵師であったようです。

先日、NHKで若冲の番組(ナレーションがヘタくそでしたが)をやっていたのを見て、このキッチュなサボテン屏風の裏側に、枯れた蓮を描いた水墨画があったのを初めて知りました。

それが、今回の展示でも見ることができ、天明の大火のあとに住処を失った若冲の心中を見たような気になりました。
それまで裕福な暮らしをしていたろう若冲が、古希を過ぎて、家も財産もすべてうしない、大阪のお寺に身を寄せていた時の作品なようで、表の華やかさと対照的な水墨画には何か心打たれるものがありました。

そして圧巻はモザイクの鳥獣花鳥図屏風。

正直、私もTVで見た時は「なんでこんなことしたんだろう?」と思った、江戸時代のデジタル絵画ですが、これが描かれた当時は誰も理解できなかったでしょうね。

「千載具眼の徒を竢つ」

この言葉も、この絵について言った言葉じゃないかと思うほどです。

この絵だけは本物を見ない限り、その真価はわかりません。
この絵を見るだけで、この展覧会。苦行の行列に並ぶ価値があります。

興味のある方は、若冲展。ぜひ足をお運びくださいませ。

 
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2つあった薬用植物園~けっきょく高幡不動尊に行きました

2016-05-06 10:21:16 | Weblog

昨日は南インド料理店「ケララの風」店主の沼尻シェフ主催の薬草レクチャーの会。
日本で唯一、ケシを栽培しているという東京薬用植物園 で、沼尻シェフの話を聞いたあと、中野のスリランカ料理店で会食という楽しみなコースに、花風社のあ@花さんをお誘いして行きました。

東京薬用植物園の場所をネットで調べたところ、八王子の東京薬科大学の中とのこと。平山城址公園という、京王線の各駅停車が止まる駅からバスに乗っていく遠出です。

綿密に祝日ダイヤを調べ、集合時間14:00に間に合うよう平山城址公園駅で待ち合わせ。駅前には何もなく、そこのバス停から13:45発、東京薬科大学行きのバスに乗りながら麗かな天気の中ハイキング気分でした。

東京薬科大学のキャンバスは思いの外広く、大きな門をくぐり、坂道を登って歩いていったのですが、不思議なことに人の気配がない。

人の気配がない・・・ま、まさか??


GWで休み中だからかと思いながら、ふと不安に思い、沼尻さんに電話をかけながら、まわってきたメッセージを見ると「5月5日14時、西武拝島線東大和市駅集合」と書いてあります。

ええええ?

気づいた瞬間、シェフと電話がつながったのすが・・・

「平山城址公園? それどこですか? まったく違う場所ですね」とのこと。

うわわわわわわわわわわわ! や、やってしまった!
まさか東京に2つも薬用植物園があるなんて!

あ@花さんは笑ってましたが、それで許されるというものでもなし。

最初に沼尻さんのメッセージ、集合場所をキチンと確認してれば間違えるはずもないのですが、「東京薬用植物園」で検索した場所を信じ込んでしまい、ご丁寧に京王線の時間、バスの時間まで綿密にスケジュールを立ててしまったというわけです。

シェフの話では4時頃まで、小平の植物園にいるとのこと。

再びバスで平山城址公園駅に戻った時は、14:35頃で、大急ぎで駆けつければ小平の植物園まで行けないこともないのですが、西武拝島線東大和市駅・到着予定時間は3時半過ぎ。おそらくはジョイントできる時間は10分ほどでしょう。

中野のスリランカ料理店アチャラナータの会食は、6時頃からですから時間は充分ですから、急遽予定を変更して、京王線の2駅先にある高幡不動尊に行くことにしました。
イヤな顔ひとつせず、お付き合いしてくれたあ@花さんに感謝です。
まあ、あとで何言われても仕方ありませんが(苦笑)。

花風社の新刊本が控えてる今、これから仕事をしろということなんでしょう。

わたしも最近は右手やけど寸前だったり、左手親指をざっくり庖丁で切ったり、また今回の大ポカがあったこともあり、不動明王さまに厄払いは良い機会でした。

あ@花さんもお父様の四十九日を前に、供養をかねてということで、高幡不動境内をゆっくり散策することにしました。

高幡不動のある日野はご存知、新撰組の土方歳三や近藤勇の生地であり、本堂には彼らを奉ってあります。

函館で最後を迎えた土方歳三のスーツ姿をあらためて見ると、「あさが来た」で五代さまを演じたディーン・フジオカそっくり、意外にやさ男風な男前です。
生きている時に会ったら、さぞ魅力的な人物だったのでしょう。

平安時代に造られたというお不動さまにお参りし、四国八十八ヶ所をなぞらえたお大師さまに手を合わせ、ガネーシャさまこと歓喜天さまにも拝礼。

無限の記憶力を得られるという虚空蔵菩薩の前では、あ@花さんに「うんと拝んでいった方が良いんじゃない?」とチクリ。

でも、お参りというのはやれば気持ちの良いもので、2時間ほど境内を回って行くうちに何か悪いものがおちてきた感覚を覚えました。

5時半、高幡不動から新宿経由で中野に向かい、武双山似のオーナーシェフがいる中野のスリランカ料理店アチャラナータに到着。

シェフからアチャラナータとは、「サンスクリット語で”不動明王”のことを指すんですよ」と聞き、ちょっとびっくり。
この日の高幡不動行きはお不動さまの引き合わせたご縁だったのかもしれません。

アチャラナータの料理は、沼尻シェフが推奨するだけあってどれも抜群!
特に感動したのが、美味しんぼで有名になったスリランカの鰹節、モルディブフィッシュが濃厚に感じられたことでしょうか。

さすがに高幡不動ではあ@花さん相手にダジャレを遠慮していたわたくしですが、沼尻シェフにお会いして息を吹き返し、ダジャレデュオで同席した方々のヒンシュクを買いあげたのは言うまでもありません。

お付き合いしていただいた皆様、ありがとうございました。
今後、心を入れ替えて仕事に励みます(真顔)♪

 
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意外に傷が深くてびっくり!

2016-05-05 10:34:12 | Weblog

こちらも「パンダの飼い方」に合わせて2009年の個展に出した作品です。自分的には納得できない部分もあった作品でしたが、今、再公開したら意外にわるくない模様。

スタンプ、パンダは激戦区ですが、作ってみてもいいかなあ(笑)。

さて、連休前に庖丁でザックリ切ってしまった傷ですが、おかげさまで化膿もせず治ってきたものの、ここに来て傷跡を見て意外に深いのにびっくり。
けっこう力を入れたようで、爪の手前までバックリ切れた跡が見えてきました。

このあと、ドラマなどで庖丁で切られたり、戦国もので刀で斬られる場面を見るたび、「こんなことされたら、動けないよなあ」なんて思ってしまいました。

人間、どこか一箇所でも不具合があると、実にだらしないもの。
指先をちょっと切っただけですが、左手でガスの火をつけるとか、庖丁切る時に手を沿えるなんて、何てことない動きに支障が出てきます。

幸い絵筆の方は、左手ということであまり関係ないのですが、未熟な己に反省です。

先日も家に人を招いた時、揚げ物をしながら後ろを向いたのを注意されました。
火と刃物は、扱う時は常に正面を向くことが肝要ということですね。

楽しいインドの軍事パレード(笑)♪

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連休の過ごし方

2016-05-04 09:56:57 | Weblog

↑ こちらは「パンダの飼い方」が出版された年、個展にこんな作品を出してました。まあ、たまにはこういうのもアリでしょうか(苦笑)。

自営業と言ってもクライアントは暦通り動いているので、連休明けに出す仕事があります。先日、TVに浅田次郎氏が出ていて、連休や正月の忙しさをお話していましたが、こちらは比較にならないので、今日まではのんびりモード。

それでも、2つ3つの原稿を平行作業があります。

5月1~3日は来客が立て続けにあって、仕事は後回し。
本日から、ややエンジンをかけていますが、明日明後日はまた外です。

本日、ちょっくらマキを入れないといけませんね。

 
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9条、改正すべきかしないべきか?

2016-05-03 12:36:12 | Weblog

今日は憲法記念日です。

70年間変わっていないという日本国憲法ですが、その中でも今も昔も9条は議論の争点になってます。

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
以前はよく、このことで「改正すべきでない」という人と議論したものですが、最近は時間のムダなのでやめてます。
 
「9条があるから、70年間戦争がなかった」という主張・・・わたしはそうは思わないのですが、戦争が起らなかったことが9条のおかげかどうか、否定できる証明方法はありません。
起らなかったことの証明。
つまり「ないことの証明」は悪魔の証明と呼ばれるほど、理由を説明することができないからですね。
 
実際に日本が第三国から攻撃されたりすれば、9条を改正すべきか、すべきでないかがハッキリ言えるんでしょうけど、それが起るくらいだったら、改憲反対派の人に好きなように主張してもらう方がマシだしなあ・・。
 
少なくとも平和は良いものです。
改憲すべきか、すべきでないか、誰はばかることなくモノが言える社会は、緘口令や弾圧がある社会より良いに決まってます。
 
TVを見ながらそんなことを思いました。
 
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「パンダの飼い方」文庫化されるそうです

2016-05-01 09:44:09 | Weblog

以前、挿画とカバー絵を担当した「パンダの飼い方」(PHP研究所・
刊)という本が、文藝春秋から文庫化されるそうです。パンダやクジラ、ライオンを実際に飼うとしたらどうするのかという本です。
部屋を整理しイラストを発見。仕事場もきれいになったし、ささやかながら使用料も入るのが嬉しい♪

著者の白輪武史さんは動物園専門の動物商。先日、NHKの昼間に、体験型動物園iZooの番組をやっていたところ、案の定、番組に登場しました。

普段、文章をあまり書かないとご本人は言ってるのですが、ひじょうに文才のある方で、持ってるコンテンツも面白い。

キングコブラはコブラしか食べないとか(さすがキングコブラ)。

子どもの頃、海に打上ったサメの口に手を入れたら、歯が簡単に抜け落ちたのに手が血だらけになった。サメの歯がすぐ生え替わり、切れ味抜群なのが体感できたとか。
さらにそのサメを引きずりながら家に持って帰ったという、生まれながらの動物商です。

一読の価値ある一冊です♪

 
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