昨日は暑さの中、三鷹市美術ギャラリーで開催されている諸星大二郎展に行って参りました。
昨日の漫勉〜諸星大二郎先生の回が素晴らしく面白かったです!
諸星大二郎先生については、以前にもブログに取り上げましたが、もちろん原画を見るのは初めてでした。
見てびっくりしたのが、その原画の素晴らしさです。
なんという力のある見事な絵なのでしょう!
わたくし、失礼にも先のブログで「諸星先生の絵は、アカデミックな絵画教育を受けたものではない」と書きました。
それは確かにそうではあるのですが、 デ・キリコやポール・デルボー、ルネ・マグリットなどの絵に共通した、いわゆる“器用でない線の絵”に近いものを感じました。
実際にデルボーの原画も展示されていたのも印象的です。
たとえば、妖怪ハンターの「生命の木」のクライマックス、「おらといっしょに ぱらいそさくだ」の 場面が、ティントレットのオマージュだったのは、なるほどという感じでした。
ダリの「内乱の予感」、マグリットの「ピレネーの城」。
はてまたは中国は殷の青銅器・饕餮(とうてつ)文など、エトセトラ、エトセトラ。
博覧強記な諸星先生は、あらゆるジャンルからそういった要素を取り入れ、絵として昇華させているのが印象的です。
今のマンガ家たちの多くが、デジタル化に移行している中、諸星先生はあくまでアナログな手法で描いているのは、マンガを絵画として捉えてるからなのかもしれません。
特に墨ベタの上から、ホワイトを重ねて精霊やら魔物を描いている絵が随所にに見られますが、それがまた秀逸でした。また扉に使われていたカラーの水彩画も素晴らしい!
それにしても、漫画の展示なので原稿を読んでしまうんだよね。
たっぷり2時間は見るのにかかりますが、この夏、涼しいギャラリーで文字通り異界の扉を開けてみるのも一興でしょう。
展覧会を堪能したあとは、友人に勧められた町中華「安楽」で炒飯と餃子に舌鼓を打ち大満足。このコース、オススメですぞ♪