なまけ蛙くんの部屋
小暮ファクトリーの人気商品「なまけ蛙ちゃんシリーズ」ですが、最初に誕生したのがいつだったのか調べてみたところ、今年でひとまわりになるんですね。
上記リンク先にも記されてあるように、私の古巣ジーイー企画センターから、30体の発注を受けたのが丑年の2009年のことでした。
さて、上と下の写真を比較すればわかるように、最初のものと最近生まれた“なまけ蛙くん”と比べると、初期のものはだいぶ痩せてますよね。
これは、実は最初に作ったシリコンの型をずっと使っているのですが、使っているうちに、だんだん緩くなってサイズがふくらんで来たという、実にだらしない理由からなのです。
▼写真右上がシリコンの型ですが、もはや足先は取れて消失しております(笑)。
型抜きが下手くそということあるのですが、そこを逆手に取って「一体一体、一つとし同じものはない」のが、“なまけ蛙ちゃんシリーズ“です。
口の悪い友人などは「型抜きの意味ねーじゃん」と言いますが、たしかに型がなくても、手間暇も変わらずできるのですが、そこはご愛嬌ということで♪
さて、なまけ蛙ちゃんシリーズ12周年記念というわけではありませんが、図らずも「ニュータイプのメタルピンクのかえるちゃん、お口の中は金箔でお願いします」との発注が、アート関連会社「オフィス城山」の城山千景社長からありました。
▼メタルピンクは一度だけ制作したことがありますが、それがこちらエストレージャ(Estrella)ちゃん。
メタルピンクは色の配合が難しく、今回のイメージはよりメタル感を出してほしいというニュアンスだったので、エストレージャちゃんとは違ったものを作ろうと思いました。
▼最初のお試しはこちら。メタルピンクって、すぐに色がくすむんですね。
なめらかな肌具合が、なまけ蛙ちゃんシリーズの持ち味なのに、ゴツゴツザラザラした鮫肌ちゃんになってしまい、これではとてもいけません。
普通の絵の具のように拭き取ろうと思っても、粒子が粗い分、固着力が強く取るに取れません。
仕方なく、もう一度粘土でモデリングし、乾いてから磨く作業をいたしました。
▼おかげで、その分、ふくよかになりました♪
そこで考えたのが、奥の手の箔です。
もとより口の中は金箔で、というご依頼だったので、どうせなら全身を箔でまとってしまおうと思いました。早速、日本画専門店に行ったところ、ピンクの虹彩箔があったので迷わず購入しました。
ただ、これを作るにはけっこうな技術が必要です。立体に箔を貼るのは、平面よりはるか忍耐と技術が必要です。また全身、箔を打ったあとに目を入れたりする作業も一発勝負。やり直しはできません。
型抜きもロクにできない私ですが、絵についての一発勝負は好むところなので、ここは虹彩箔で勝負ですね。
▼先ずは小手調べ。意外と楽しい作業です。
…というわけで、 なまけ蛙Shinyちゃんの誕生。
城山社長は、これでかえるちゃん三姉妹をお持ちということになりますが、ご満足頂けたようで、よかったです。
いずれ三姉妹一緒に撮影したものもアップ予定です。そちらもお楽しみに。