テレビは見ないと言いつつ、見ないのはニュースとワイドショーなどの時事ネタです。
昨日は、NHKのEテレでオンエアしていた、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」を見てしまいました。
音楽はよく知ってはいるのですが、「蝶々夫人」「トスカ」「トゥーランドット」と違って、そういえばどんなストーリーだか、よく知らなかったな。
知っていたのは、パリの屋根裏で貧しい芸術家たちが、ミミやムゼッタといった女性をめぐってムチャムチャしてる話だということくらい。
それで、実際に見てみたら、それ以上でもそれ以下でもない、イメージ通りの話でした。
時間のない方のための「ラ・ボエーム 」あらすじはこちら。
先ず、驚いたのが第一幕の冒頭で流れる美しいメロディが、屋根裏に住む四人の貧しい芸術家たちが議論したり、貧乏を嘆いたり、家賃の催促に来た大家を追い出したりする場面だということ。
音楽と内容が合ってないじゃないか! でも音楽は素晴らしい(笑)。
そして、次の場面。
詩人のロドルフォが、下の階に住むお針子ミミと、なんの脈絡もなく恋に落ちること。あの有名な「私の名はミミ」は、ここで流れる音楽なんですね。
昔の劇や小説というのは、現代の視点で見ると、とんでもなく理解不能だったりするものですが、この「ラ・ボエーム」も然りですね。
男女関係があまりのスピードで、くっついたり離れたりするのを見て、昔の人の方が奔放だったなと驚くばかりでした。
それにしても詩人、音楽家、哲学者、画家たちは人の金で、深夜まで飲み食いを続けて図々しいにもほどがある。
そういえば、あのグローバル・ダイニングが経営するカフェ「ラ・ボエーム」も、昔から午前4時すぎまで営業しているお店で、メニューや内装を見ると、なるほど名前の通りプッチーニのオペラへのオマージュではないかと思えます。
今では六本木店はありませんが、30年ほど前に独り身だった頃、友人たちとベロベロになった後で、行き着いた店はラ・ボエームでした。そんな時にこそ、至極心地の良いお店だったかな。
東京都の要請なんか、聞けないはずだよね。
そんな話なのに、最後まで見てしまったのは、ひとえにプッチーニの音楽によるものでしょう。今でも人気の演目というのも納得でした。