小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

正義の金魚~まな板菩薩像

2010-07-21 09:03:56 | Weblog
松ケ根親方、組関係者と交際

うーん、またか。
お相撲報道の魔女狩り記事はもうおなかいっぱい。
この記事に関するブログを見たら、「先日の貴乃花親方に続き・・」なんて書いてあり、
いかに脊髄反射的な反応をする人が多いかと、うんざりです。

亡くなった父は戦中派だったため、
「エラそうなことを言う奴は信用しない」のが信条でした。
この「エラそう」というのは、別にただ威張ってる人のことではなく、
清廉潔白そうなことを言う人ですね。

父は故・美濃部都知事が大嫌いでした。
特に公営ギャンブル廃止については、
(東京都がそれまで行っていた競輪・競馬・競艇・オートレースからの事業から撤退)
「どうせ、やる奴はやるんだから、お上がどうこう口出しするものんじゃないよ」と、
自分では一切ギャンブルをやらないくせに、そんなことを言ってました。

「正義」という言葉も嫌いでしたが、これは昭和ヒトケタ生まれの特徴でしょうね。
星新一のショートショートでは、正義の味方になれる薬を作ったけど、
誰一人飲みたがらないという話がありました。
「正義の牛」や「正義の猿」「正義の金魚」はできるのだけど、
人間じゃないから、どこがどう変わったかわからない、なんて話でした。

私は正義がきらいとまでは言わないし、
人間、どこかしら正義を貫く気持ちがないといけないとは思います。
でもインドネシアのバロンダンスのように、善と悪は一晩中追いかけっこをして、
決して決着のつかないもの。
悪いものは根こそぎ排除もけっこうですが、
そんなこと本気でやったら*一緒に良いものまで抜いてしまうんだよね。

写真は、2005年くらいに制作した拙作「まな板菩薩像」。
横浜は綱島時代に10数年使っていたまな板に
顔料と膠、墨、金泥で描いた弥勒さまであります。
菩薩の光背(こうはい)の一部は、熱い鍋を置いた時の焦げであります。
コメント (5)
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