小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

優等生ばかりのお相撲が見たいですか?

2010-07-06 09:46:54 | Weblog
昨日、NHKで放映した相撲賭博の特殊番組・・・
鶴瓶を引っ込めてオンエアしたけど、ものすごくつまらなかったなあ。

こんなことを言ってはいけないのはわかってますが、
だいたいヤクザにチケット売っちゃいけないと言って、
誰がヤクザか見極めて制限するなんて、あの人たちにできるもんかね。
ただでさえ、最近の経済ヤクザは堅気と見分けにくいっていうのにさ。
(たぶん、最初からヤクザとわかって券を売ったのでしょうけど)。

赤坂にもヤクザはいっぱいいますけど、
どこの事務所もコピーやパソコンのリースをしてるわけで、
リース会社にそんなことまで制限ができるはずもありません。
車にしたって、ロールスロイス以外はどの販売店もヤクザとわかって、
高級車を販売するわけだしね。


犯人を見つける方向、罰する方向にばかり血道をあげ、
肝心の相撲を面白くするとか、力士を強くする話には少しも動いていません。
力士の尻子玉抜いて、弱くさせたいかね、キミたちと言いたくなります。

なんか五代将軍・綱吉の時代、生類憐れみの令を敷いた時、
それを守らぬ人間を厳罰で処したみたい。
(最近は綱吉について見直そうという異説もあるそうですが)。
その様子を藤沢周平は「市塵(しじん)」の中で、
”罰することのみに関心が行き、市井の人々のことはおざなりなった”
といった意味のことを述べています。


個人的な意見ですが、
相撲界のモラルアップだとか、力士に対する常識の植えつけだとか、
そんなことをしても力士は少しも強くならない。
だけど、それがいらないかと言えば、そんなことはなく、
もともと武道というのは人殺しの道具なわけで、
だからこそ礼法があり、人としての道を教えるわけです。

柔道ははじめに嘉納治五郎先生が、
体育・哲学・死合いという要素を説いたおかげで、その思想が生きているし、
おそらくは剣道なども同様でしょう。

相撲の場合、私はよくはわからないのですが、
最初に道ありきではなく、江戸時代が見せ物として興業として生まれた歴史がある。
だからこそ、千代の富士や朝青龍のような、
ある意味ヤクザっぽい殺気だった力士が強くて面白いという事実があるのでしょう。
(彼らの取組は、ヤクザがドスで人を刺し殺す恐ろしさがあるもんね)。

一方で、本当の大横綱と呼ばれる人は、双葉山、大鵬、貴乃花のような力士なわけで。

でもヤクザとの付合いはいけませんが、優等生ばかりのお相撲が見たいですか?
というのが私の本音です。
エカキだって、フランドルの外務大臣まで努めたリューベンスより、
人殺しでお尋ね者になり、36歳でマラリアで死んだカラヴァッジョや、
自分の耳を切りとって拳銃自殺したゴッホの方が人気ですしね。
(あ、誤解しないでほしいのですが、私が尊敬しているのはリューベンスの方です)。

写真はようやくキャンバスまで貼れた5枚のパネル。
絵巻物風の風景画になりますが、あとは完成してからのお楽しみです。

それにしても相撲中継はやるのかな。
普段、見ない人に限って「中止しろ」なんて言うからね。
コメント (4)
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