漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

田浦梅の里

2017年02月15日 | 三浦半島・湘南逍遥

 この前の日曜日、妻と「田浦梅の里」へ出かけた。
 もう随分と前、十年以上も前になるだろうか、一度家族で出かけたことがあって、だから今回は久々の再訪である。
 京急田浦で電車を降りて、国道沿いに延々と歩く。
 JRの高架を超えたあたりで道を折れ、山へと向かう。
 細く、急な道を登ってゆく。
 眺めが次第に良くなってゆく。振り返ると、横須賀の海が見渡せるようになる。
 梅の木のアーチをくぐりながら、急な山道を、さらに山頂へと向かう。
 山頂からは、梅の彼方に、広がる海の光景を見ることができる。この光景が、「田浦梅の里」のウリである。
 この日は、残念ながら梅はまだもうひとつ咲ききっていなくて、花というより、木の枝の向こうに海が見えるといった感じだったが、それでも暖かくて風もほとんどない日だから、とても心地よかった。山頂で、梅の枝の向こうの海を見ながら、妻と並んで、ビールを飲み、弁当を食べた。凧揚げをしている子どもたちが、たくさんいた。
 この梅の里には、フィールドアスレチックがある。
 昔は、娘が喜んでやっていたが、十数年ぶりの再訪で見たアスレチックは、まだあるものの、記憶の中の設備とは随分と変わってしまっていた。すべて、取り替えてしまったようだ。カラフルでスマートで、安全性は増したかもしれないが、あまり面白くなさそうである。もっとも、遊んでいる子どもたちはそれなりに楽しそうだから、余計な感想かもしれないが。
 帰りは、横須賀中央まで歩いた。軍関係者で賑わうドブ板通りをそぞろ歩き、三笠公園に寄って、一休み。米軍施設を目の前にした三笠公園は随分と皮肉な場所だなと、何度来ても思う。なまじ日露戦争にたまたま勝ってしまったから、おかしなことになってしまったのかもしれないね、と妻と話す。そろそろ寒くなり始めていたが、ぼくはここで暮れはじめた海を眺めながら、もう一本ビールを飲んだ。妻は甘いお菓子を食べていた。目の前でたった一羽だけ水鳥が、何度も海に潜ることを繰り返していた。

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