あぁ～

私は、
もう二度と再び誕生したいとは思わないが、
そう思ったのもここ数年のこと。
だから、
誕生しない術を実践することなく人生の大半を過ぎてしまった。
死して、いつしか
再び母胎に宿るであろうことを疑わない。
この世とあの世を行き来するのは、ただ苦しみの何ものでもないと
先人たちは挙って言う。
この世は一切皆苦なのである。然るに、
悟りに至っていないが故に受ける苦しみではあるが、
その苦しみからのみ悟りに至る機会を与るものであることを、
一縷の望みとして心得るだけである。
輪廻からの唯一解脱できる場所と時間である。
時間も空間もないところからの行き来である為に、
実に稀なる機会であることに、決して逃してはならないものである。
的確に思いを馳せて悟ることである。
永遠の中に、僅かに与えられた時間空間を、
無駄に過ごしてはならない。人生とはそういう場所である。
貴重な時間と空間である。
永遠に輪廻の中に埋もれるか、永遠の安住となるか、
人生とは、その選択のできる稀なる時間である。
知る人はごくごく僅かで、ほとんどは無駄にして人生を終える。