38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

秋は夕暮れ、かぶは小かぶ。

2006年11月05日 | 農と暮らしの日記
いま出荷中の小かぶ。
播種機で播くのに種を落としすぎ、写真で見えている畝にびっしりと生えてしまった。これを粗く間引きながらの収穫。ふつうの間引きは小さいものを抜き取るのだけれど、収穫を兼ねている場合は大きいものを抜き取って収穫していく。残ったものが次の間引きまでの間に、いま収穫したものと同じくらいの大きさか、あるいはさらに大きくなってくれれば成功、ってな感じだろうか。

ただ、この小かぶ、地元で人気がない。
スーパーや直売所に並ぶのはたいがいもっと大きく(直径10cmくらい)、それが1つで100円とか150円とかいう値段が付いている。うちのは写真くらいの分量で100円前後だと思う。葉の重さもあるし、どっちが得かはよくわからない。好みの問題なのだろう。

個人的には小さいかぶが好きだ。
写真のもちょっと大きすぎるくらい。こういうのを切らずに丸ごと使う。旨みが皮の中にしっかり蓄えられている気がする。酢漬けをカリッとやるのもいいし、油で焼いたのをジュッと噛んだときの食感もいい。味噌汁にしても、かぶがとろけないで存在感がある。何より、姿が可憐だ。人々はいま、野菜を大きくしすぎているんじゃないかと、うちの小かぶを食べるとき、僕はよくそう思う。



朝、スーパー出荷で一日が始まる。
今日はカキチシャ(サンチュ)と京菜も並べてみた。朝食後、個人の野菜セットがない日なので、久しぶりに午前中から畑に出た。畑に出た、といっても考えてみたら、ハウスの中だった。でも、屋根のビニルがない骨だけのハウス。夏に調理用トマトを植えたけど病気っぽくて、途中で放り出していたところをようやく片付ける。

このトマトは地域では”有名”なようだ。
ちょうど地元の農家の方々がよく行き来する四つ角にあり、初めて会うような方から挨拶代わりに、「あそこのトマトはどしたん?」と言われたことがたびたびある。知らないうちに見られている、の典型例である。ハウスを貸してくださっている方にはただただ申し訳ない。



昼前に市街地に出かける。
今後の販路拡大に向けての視察というか取材というか、まあたまには休日の町の賑わいを味わうのも仕事のうちということで、あちこち自転車で走りまわる。それにしても暑い。11月にTシャツで自転車って、大丈夫なのだろうか。

午後、さつま芋の収穫の続き。
渚と真を引き連れ、ちょっとずつ植えたいろいろな品種の芋を、収量や姿かたち、掘りやすさなどを確認しながらあわせて約60kgほど。夕方再び市街地に出てあれこれの用事をしてまわって帰路につくと、満月に近い白い月がフロントガラス越しに大きく輝いている。本当に日暮れが早くなったものだ。慣れない黄昏どきの運転に、スピードは控え気味。

3連休が終わり、また新しい一週間が始まる。
稲の脱穀もそろそろ段取りをしなければ。
コメント
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