さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

手の内見せずに闘うも、仕留め損ねは誤算? 田中恒成、強振バルドナドをTKO

2018-04-04 10:32:44 | 中部ボクシング



中部在住の友人の厚意により、田中恒成フライ級転向初戦の映像を見ることができました。
簡単に感想。

立ち上がりから、スピードの差は歴然。田中は速いジャブ、右から左ボディへと当てていく。
中国は北京での連続KO勝ちも含め、10勝7KO無敗のスインガー、ロニー・バルドナドは
当たれば威力十分と見せる右を振るが、田中が躱す。

田中は左フックのボディ(外から)、左アッパーを上に返し、右クロスという攻めが見られる。
スピード充分で、WBOオリエンタル王者のフィリピン人は、思うに任せぬ展開。

3回、バルドナドは攻めも空振り、ブロックに遭うことがほとんど。
田中が連打で攻めると、わざとガード下げる?場面あり。

4回、田中が左ボディでダウンをマーク。ダメージありありだったが、
闘志十分のバルドナドが生き延びる。

このあたりから7回まで、田中はバルドナドの攻撃を、足で外すだけでなく、
敢えて止まって、ガード、ブロックで受けておいて攻める型。
故に単発のヒットを喫する場面もあるが、大半は防いでいる。

8回あたりから、田中はリズムを取り、動きで外す方向にシフト。
バルドナド苦しくなり、後退が目立ち始める。
9回、右をヒットされ、明らかに動きがおかしくなり、田中が攻めたところで
福地レフェリーがストップ。妥当な、良いストップだったと見ます。


眼窩底骨折による王座返上と転級を経ての初戦にしては、
ランクも実績もまずまずあり、闘志は十分すぎるほどの相手でしたが、
田中恒成は冷静な闘いぶりで、勝利を収めました。

試合運び自体は、相手の強振にも冷静に対処し、動いて外すのは当然、
止まって受ける防御においても、一定の余裕を持っていて、
CBCの放送席に招かれたWBO王者、木村翔の目を意識してか?
ギアを上げきらずに闘っていたようにも感じられました。

4回のチャンスに仕留めていれば完璧だったのでしょうが、
相手の闘志とタフネスが予想以上だったか、生き延びさせてしまったのが誤算だったかもしれません。
それは自身の手応えと同時に、木村との対戦を意識した部分においても。

いざ対戦すれば、田中は今回のように止まり加減ではなく、
ギアを上げて動き、より鋭く攻めては外すことでしょう。
木村の波状攻撃は、バルドナドよりも正確で、テンポも速いですから、
当然そうなる、ならざるを得ない、ということでもありますが。


王者でありながら上昇期のど真ん中、木村翔と、
挑戦者でありながらその才能をすでに認められた逸材、田中恒成。

比嘉大吾や、WBA新王者ダラキアンの台頭もあり、
ようやく上位陣が整ってきたフライ級にあっても、なかなかの好カードです。
また、日本人同士、という枠を外して見ても、楽しみな一戦と言えるでしょうね。


TV局の系列のことも考えるに、今後、具体的に対戦への構想が伝わってくると思われます。
木村がゾウ・シミンに挑戦した際につけられたオプションの問題があり、
それをクリアにできるか否かで、対戦の時期も変わってくることでしょうが。


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そういうことで動画貼っておきます。

※ひとつにまとまったのがありますので、そちらに貼り替えておきます。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2018-04-03 16:38:06
>きっかけは町田さん

国内において、見られない地域の方が多いというのは、どうにも得心いかんところです。昨日さっそく、3つくっつけてくれた方もいまして、そちらは数万アクセスあり、世界に広まっているようです。やっぱり注目度高いんですね(^^)

>海の猫さん

普通なら、かなり苦戦や、悪くすると間違いもあるような相手だったかもです。敢えてある程度までお付き合い、という試合ぶりで勝つ田中はさすがだと思いますが。
目をこするジェスチャーは、デビュー戦からずっと気になっているんですが、やや視力が弱めだとか、顔の筋肉が引きつる症状だとか、噂では聞きますが、実際どうかは不明です。
木村との対戦は、最悪次が中国遠征という話で、それをTBSが国内に持ってこようとしても、条件的にどうか、予算にも限度があるのかもしれず、というところなのでしょう。オプションの数は、ちょっと聞いたことのない数字を小耳に挟んだりもしましたが、ボクシング業界における中国の台頭は、今後、従来の常識が通じない事態を頻出させるのかもしれませんね。

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Unknown (海の猫)
2018-04-03 07:54:00
田中の試合見たかったので感謝いたします。
なかなかやりづらそうな相手でしたね。非常にタフですし、思い切って腕を振ってくる。体をくの字に折って頭を押し付けたり、ノーガード戦法(?)を見せたりと。難しい相手に最初から最後まで集中力切らさずに戦っていたように思えます。田中はややスロースターターのイメージありましたが、今回は最初からよく動いていました。フライ級という階級も問題なさそうに見え、まずは一安心です。ただ時折眼?を気にするかのように目元にグローブを持っていくのが気になります。以前からなので怪我は関係ないのでしょうが、あれは何なのでしょうね。
木村への挑戦は秋か年末か、木村の状況次第でしょうか。今年中には実現しそうで楽しみです。比嘉との対戦も見たかったですが、フライでは無理そうですね。いずれSフライ辺りで見られれば嬉しいです。
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いやもうほんま感謝です (きっかけは町田)
2018-04-03 06:53:16
いつも拝見させて頂いております。
うわー、映像貼って頂いたんですね!嬉しいです!有難うごさいます~!
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