さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

成長と復調の強打対決 武居由樹、比嘉大吾あす激突

2024-09-02 00:00:20 | 関東ボクシング



そんなことで交通機関も無事動き出したと報じられてひとまず安心の試合前日ですが、要注目のセミファイナルについて簡単に。


武居由樹と比嘉大吾、強打という以外は色々対照的な対決です。
サウスポーとオーソドックス、そして距離の長短が大きく違います。

基本、武居は比嘉を強打の威力でもって食い止め、突き放し、長い距離、遠い間合いを維持しようと努めるでしょう。
比嘉がその間合いを突破して、懐に入って強打を打ち込めるかどうか。大まかにこういう展開になるかと言われます。

問題はどちらの狙いがかなうかどうか。

武居はジェイソン・マロニー戦の最終回に打ち込まれた場面があり、あれが強打ならマロニー以上と目される比嘉だったら、という見方があります。
確かにあの攻められ方をしたら、より「倒し屋」のカラーが強い比嘉が、武居を仕留めてしまうかもしれません。
そして、かつて比嘉を破った現IBFチャンピオン西田凌佑と違い、武居には、比嘉を懐に入れてインファイトをする「備え」があるようにも見えません。
クリンチし、抑え、回り込むという対応をすることになりましょうが、打ち合わねばならぬとなれば、離れ際に右フック、左アッパーの強打が決まるかどうか、というところでしか、勝負できないと思います。
詰めた間合いで打ち合えば、比嘉の勝機が高まることでしょう。


しかし、前回のジェイソン・マロニー戦、最終回を切り取るのでなく、そこに至るまでの11ラウンズは、キックから転向して僅か9戦目の武居が、クリアにポイントをリードしていたのも事実です。
こちらの方に目を向けると、また違う展開を想像することになります。
遠目の距離で闘う展開を維持し、マロニーを強打の威力でほぼ抑え、食い止めていた武居が、突き放しのアウトボクシングをさらに磨いていて、比嘉に対しても同じように闘えるとしたら。
マロニーより防御の質では劣り、ペース配分も巧みとは言えない比嘉が、体格でもまさるであろう武居の強打に、どこかで捉えられる可能性は大だ、とも思います。


試合ごとにボクサーとしての成長曲線を描いている武居由樹を、復調してきた比嘉大吾の強打が凌駕することが出来るか。
私は今のところ、武居由樹の距離構築と強打が、比嘉大吾の行く手を阻み、打ち込むのではないか、と漠然と思いますが、こればかりは蓋を開けて見ないとわかりません。

武居は、あの遠い間合いから届く強打という決め手がありますが、それ以外の部分はまだ未完成の段階だ、と...現時点、つまり前回の試合までについては、そう言わざるを得ないボクサーです。
ただ、未完の部分があるからこそ、次の、つまり明日の試合において、大きく成長を遂げている可能性がある。
比嘉大吾の強打が、闘志が、好機に独特の組み立てで放たれる連打攻撃が、その成長に追いつき、上回ることが出来るかどうか。


どちらが勝つにせよ、衝撃的な内容と結果になるのでは、と期待してしまう、そんな組み合わせです。
日本人が4大王座独占のバンタム級、様々なカードが期待されますが、そのシリーズの一環として、なかなかの好カードが組まれました。大いに楽しみです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする