さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

試合中に学んでいる「研修生」を倒せず カネロ、ベルランガに判定勝ち

2024-09-16 00:01:00 | 海外ボクシング




昨日は午前7時から頑張って長丁場の観戦、全部で7試合を見ました。
ローランド・ロメロの試合、最後の方にちょっとだけ居眠りしてしまいましたが(汗)、セミとメイン前に少し長めの間が空いたものの、それ以外はトントンと進行したので、さほど辛くもなかったです。
そういうことで、簡単に感想を。


メインのカネロ・アルバレスとエドガー・ベルランガは、ベルランガが何もせず、カネロがじりじり出る展開。
ベルランガの様子は萎縮なのか、見て立ったのか判然としませんでしたが、3回に左フックで倒されたあたりから、逆に目が覚めた感じ。
徐々に手も出始め、カネロの攻撃を巧く外したり受け流したりする、受けの柔軟さもところどころに見え始めたり。
単に強打のみならず、大柄な体躯にはいろいろな素質が秘められているのだなあ、という発見がありました。

ただ、それでもなお、左は良く出るが右の強打はあまり出ず。
温存なのか狙いなのか出し惜しみなのか、表現を迷う。単に当たりそうな気がしなかったのかも、ですが。
また、カネロの左ボディに右アッパー合わせ、とまでいかずとも、威嚇のために見せれば良いのに、と思うが、そういうこともしない。
出すのは左中心。やることは基本、能動的な組み立てではなく、カネロの攻めへの「対応」。

で、あとはよろしくないことに、頭突きとローブローと足踏み、という具合。
これもカネロの冷静さを乱す戦略ならまだしも(実際、ちょっとカネロを怒らせました)そういう感じでも無い?

終盤にやってやっと、右も繰り出し始めましたが、遅い。
大差の判定は当然カネロを支持しました。


ベルランガは世界タイトルマッチ、それもボクシング界随一のスターと目されるカネロとのビッグマッチを闘う選手としては、研修中というか勉強中というか。
序盤のうちは本当におどおどして見えるくらいでした。
それが試合をしながら徐々に、そういうレベルの試合に馴染んでいったというか、いろいろ学んでいった、という風でした。
次回以降、今回よりは自分らしさを良い形で出せるようになるでしょう。
しかしそれは言えば「研修生」への評価であり、この日、この試合におけるコンテンダーとしては、残念ながら不足あり、でした。



そういう相手に、カネロは3回のダウン奪取までは圧倒的に優勢ながら、徐々に押し戻され、判定まで闘うことになった。
確かに、体格のハンデを技巧で補って勝つことへの評価は間違いないところ。
ただ、この試合内容が、ボクシング界を代表するスーパースターとしての力強さが見える、際だった勝ち方かというと「?」です。
もう、彼にはそういう「仕事」を求めることは出来なさそうだなあ、と以前から思っていましたが、今回も同様だったような。

試合後のカネロは、メキシカンやヒスパニック中心の観衆相手に、恒例の愛国心を煽るトークで盛り上がりを演出していました。
しかし「ビバメヒコ!」と連呼して、盛り上がれば盛り上がるほど、そういう「内輪」の世界しか、もう行くとこないんやな、と見えるばかりでした。
本当に、この選手が人気面でボクシング界の看板だとは、そりゃ不人気や衰退やと言われるのも道理やなあ、と改めて思ったりもしました。




コメント (2)
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