そういうことで昨日は静岡と大阪のライブ配信がありまして、見たい試合はチェックしようという構えで午後から、飛び飛びですが見ておりました。
静岡の方は、以前ほど契機の良い話が出て来なくなった、件のシャッチョさんが何故かトークに登場するなど、早速無駄な時間が流れて、そのあと音楽イベント。
試合の選手入場時には、それこそ4回戦から、選手の紹介を兼ねた内容の歌詞を織り込んだ歌かラップかが披露されていたようです。
申し訳ないですが、私はその辺についてはパスさせていただきました。
セミはB級デビュー三戦目の英豪が、タイのポラワットを初回早々ボディでKO。
過去二戦、日本人相手(竹嶋宏心など)と闘っているので、ひとつくらいこういうのもあっていいかと思いますが、あまりにも...だったので、ちょっと印象悪かったかも。
メインは佐野遥渉がフィリピンの小柄なサウスポー、エロゲ・グラに判定勝ち、WBCユース王者に。
共に8勝1分のレコード同士で、日比の若手対決でしたが、長身の佐野が先手でヒットを取り、当てたあとの足捌きも怠らず、クリアに勝利。
しかしグラの抵抗を封じるところまで攻め込めず、攻撃の威力には少し不足も感じたか。
ただ、二戦前の青山功戦と比べて、無理な攻め方をせずに、相手をよく見て攻防の選択が出来ていたのはプラス材料。
相手もいい加減な選手じゃないし、順調にひとつキャリアを積んだと言える試合だったように。
中谷潤人とのスパーで厳しい経験をしたという話が実況から出ていましたが、色んな形で地元の枠にとらわれず、広い視野でキャリア構築を考えて、徐々に強くなっていって欲しいと思います。
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大阪の方は試合数も少なく(6試合予定がひとつ中止になり、5試合)、静岡のメインが終わった頃には、U-NEXTの配信も終わっていました。
メインの小林豪己は、ジョセフ・スマボンに判定勝ちで、WBOアジアパシフィック王座初防衛。
しかし得意の必殺ボディブローにいつもの鋭さ、フォロースルーの効きが感じられず、終盤には左を好打されて、失点するという終わり方。
体調が悪かったのか、見えないところで好打されたダメージでもあったのか。試合全般を通じて、良い時と比べると割引きあり、という感じに見えました。
見てるこちらの勝手ですが、リードして迎えた終盤、さらに追撃を期待していたら逆だったので、勝ちは問題無いにせよ、ちょっと印象が良くなかったですね。
初黒星が強打の打ち込みを鈍らせているのだとしたら、事態は深刻ですが。あと、体重調整も厳しくなっているのかなあ、とも。
山中竜也はタイのプリワ・タオスワンを2回KO。
韓国遠征でWBOオリエンタル王座を獲得し、WBOランキングに入ったという田井宣広も、タイのジャクパン・サントンを初回KO。
いずれも元王者やタイトルホルダーと闘うレベルの耐久力を持たない「お相手」でした。
まあ、そういうマッチメイクだったというしかありません。
しかしU-NEXTの実況、タイ人の戦績なんかも体裁せずに紹介するところ、正直で良いなと思いました。
来日5戦5KO負け、とか「ああ、言うてしまうんや」と、ちょっと驚きでもありましたが。
見る方にしたら、一生懸命取り繕ろうという気苦労が伝わってくる実況ほど、見(聞き)苦しいものもありませんからね。
放送、配信局が、主催者の都合に阿る必要などありません。そこはビシッと線を引いて、物事をあるがままに伝えるのが一番です。いやホンマに。
防衛自体は堅いですが、工夫がなかったかなと。
にしてもこのタイトルマッチ10回戦だったんですね。前に小林くんは12回やってなかったかなと。この辺どうやってラウンド数決めているのか、よく分からない。
セミ、セミセミのやられ役二人の無様さも含めて、お客さんが満足する興行だったかというと疑問はあります
パンチの効き具合があまり感じられなかったですね。若手時代とタイトル懸かる試合とでは当然違ってきますが、ちょっと失速の感あり、です。階級上げる選択もあっていいのかもしれません。10回戦か12回戦かは、出場選手の試合数で決まるんでしたっけ。まあWBOのこういうところが、日本の業者さんにとり、都合の良い場合があるということでしょう。
興行全体を見て、良いラインナップと内容だったかというと厳しいところですね。真正の選手が棄権して一試合中止になっていますが、この選手の売り出しというか、試合機会のため、という部分もそれなりに大きかったのかもしれません。