さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

強敵相手に10ラウンズ 小林豪己、実りある5勝目

2022-12-06 11:47:00 | 関西ボクシング



ということで府立のトリプル戦感想、続き。

順番でいうと最初、WBOアジアパシフィック、ミニマム級王座決定戦は、真正ジムのヘッドハンターならぬボディハンター?小林豪己が、フィリピンのマルコ・ジョン・リメンツォに10回判定勝ち。
ラウンド数の件はまたもや、という感じですが、内容的には見応えありな試合でした。


リメンツォは13勝(10KO)3敗。怒り肩のサウスポー。
京口紘人に判定負けのサタンムアンレックに敗れたのを最後に、加納陸をKOしたジェリー・トモグダンを倒すなど、直近5連続KO勝ち。
内容を低く見積もっても、ミニマム級ではなかなかの強敵、というところ。まして5戦目の小林にとっては。


初回、サウスポーということもあり、リメンツォ遠目に「布陣」。
小林からすると少し遠い間合い。右ストレート出すが、得意のボディブローは出ない。
リメンツォは左リターン、アッパーも覗かせる。スピードがあり、厳しい対応。
なかなかの実力、そしてやる気も見える。
3分見て、これは「ホンマのやつ」や、とはっきりわかりました。

2回、右ボディストレートは遠いが、小林は身体をサイドに寄せて、左ボディをヒット。
このパンチと、インサイドへの左アッパーが上に返るダブルも。

弱い相手ならこれで捉えた、となるが、3回リメンツォはスタートから出て右アッパー。
両グローブを前に出して動かしつつ打ってくる。
小林また左ボディ決める。右ストレートも際どく飛ぶ。

リメンツォ、強気に打ち合うが小林の左ボディを食らってしまう。
5回になると小林の右ボディブローも再三出て、徐々に小林優勢に。

しかし後半に入ってもリメンツォ、果敢に打ち返す。
8回はリメンツォの左ヒット、連打に左アッパー。
少しずつ顔を腫らしながらも抵抗して、小林を苦しめる。


両者疲労しつつ打ち合う中、9回に小林、意地で?ひと山作る。
左、右とボディ打ちで攻め、リメンツォを下がらせる。
途中、リメンツォの足に入るローブローもあったが、右ボディをクリーンに決めたあと、リメンツォをコーナーに追って、左ボディ二発。
闘志を見せていたリメンツォだったが、ついに崩れてダウン。

最終回、フィニッシュこそ出来ませんでしたが、右上下で攻めきって終了。
判定は3-0小林。納得の判定でした。


これまではボディ攻撃の威力でバタバタと倒してきた小林だが、闘志と攻撃力、耐久力を備えた「良い相手」との闘い。
攻防共に初めて、素の力を試される試合で、良さを出しつつ課題も見えた。
俗に言う「勝って勉強出来る」試合というか。何しろ、見応えありの濃密な一戦でした。


まがりなりにも、というと語弊があるかもですが、タイトルマッチ云々を抜きにして、今、この段階における小林豪己にとって、良いマッチメイクだったなあ、と思います。
こういう、やる意味のある試合をこれからも重ねて行けば、遠からず重岡兄弟の対抗馬として、より一層注目されることでしょう。
そしてその先、その上の話も、然るべきものとして語られるようになるはずです。

見終えて、素直に良い試合、意味のある試合を見たなあ、と思えました。小林豪己の今後に期待です。





順番で言えば一番最後、日本ライトフライ級タイトルマッチは、冨田大樹と芝力人による空位決定戦がドローに終わり、新王者決まらず。
YouTubeで見ていた限りでは、冨田のジャブ、ストレートのヒットが、派手な動きとフックのコンビネーションの芝を、小差ながらクリアに抑えたか、と見えたのですが。
もっとも判定については、通信状態がいまいちで、画像が止まることも多かったし、はっきり言い切れる見解を持ち得ない、というのが正直なところです。


ただ、コロナ渦において、無観客試合ながらYouTubeでライブ配信され、多くのボクシングファンの目に触れる機会となった堀川謙一戦の完敗によって、不当に低く評価されていた?冨田大樹の実力が、多くのファンに見直されたのではないか、という意味で、見ていて喜びの感情がありました。
ご覧の通り若干地味な?作りのボクシングですが、その地力は確かなものがあります。
本人、試合後は判定に落胆していた様子で、それが退場時にもちらっと見えましたが...他人が簡単に言えることではないですが、再戦なり、他のタイトル挑戦なりで、再起のチャンスが与えられてほしいし、ひとまず心身を休め、また挑戦してほしい、と思います。



コメント (2)
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