さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

難敵を追い上げ、きっちり追い抜いた 田中恒成、WBO3位に判定勝ち

2022-12-12 12:44:58 | 中部ボクシング



昨日は配信の時間被りに悩まされましたが、とりあえずメイン格?名古屋の田中恒成vsヤンガ・シッキボ感想文から。


初回から、長身で大柄な南アのホープ、シッキボのジャブ、ワンツーが伸びる。
2回、田中は懐に入って、左ボディを外から、左アッパーを上に返すダブルを一度。
しかしその後の攻防で、パンチによるカットを喫する。左瞼。さいわいにして小さい傷、出血も止まったが。
3回もシッキボの長いワンツー。くっついたらクリンチ。


田中のガードによる「防御率」は、立ち上がりよりも徐々に上がりだし、ボディからの攻め込みもあったが、シッキボのジャブ、ワンツーも映え、ポイント振り分けをすると、3回まで全部シッキボかな、と見えました。少し辛いかもですが。
しかし4回以降は、目に見えて田中恒成の攻勢、その回数が増えていきます。


4回、田中の左ボディからの攻勢。シッキボのジャブが減る。
5回田中右ショート決める。シッキボをコーナーに追って左右のボディ。
シッキボのワンツーを高い頻度でガードし、ダックして外すシーンも。

このふたつはクリアに田中の回。
6回、少し休んだか。シッキボは田中の後ろに回り込みぐるぐると数回転。ペース変えたい?だとしたらあまり見ない「手法」ではあるが。


しかし7回以降は田中がギアを上げる。コーナーに詰めて右ボディ。一発だけシッキボの右ストレートを相打ち気味に食うが、全体を見ればボディ攻撃で抑えている。
8回以降も田中のボディ攻撃、ワンツー、速いコンビが要所で出て、攻勢。9回は左フック、上に好打。ボディで追撃。
最終回、シッキボがワンツー、右で抵抗するが、田中はガードしてボディ返す。


公式判定はけっこう差が付いていました。
さうぽん採点は少し田中に辛い?シシシ田、田シ田田、田田、というところで、6対4、田中。
しかし内容的にはクリアな「逆転判定勝ち」と見ました。


ヤンガ・シッキボは過去映像よりも大柄で、脆いところも思ったよりは露骨に見せず、奮戦していました。
序盤、長い距離をしっかり作って立ち上がったところ、これ今日は大変かもなあ、と思いもしましたが、田中恒成はボディからの攻勢のみならず、その前後に来るシッキボの長いワンツーに対し、かなり良い「防御率」を記録したように見えました。
そしてそれ故に、序盤の失点があった試合で、しっかり追い上げ、クリアに追い抜いての逆転勝ちが出来た。
階級を上げて、目に鮮やかな「瞬間移動」による防御を見る回数は減ったものの、地味な防御技術の向上が見えたことは、今後に向けての好材料だったと思います。


ただ、攻撃面に関しては、フライ級までだったら倒すチャンスもあっただろうが、大柄なシッキボ相手ということもあり、そこまでの期待はすべきではないのだろうなあ、という印象も残りました。
スーパーフライ級で、どの王者に挑む構想があるのかは不明ですが、仮にIBF王者フェルナンド・マルチネスなのだとしたら、中間距離からの飛び込みと、おそらく試合を通じて繰り返される波状攻撃、その頻度と厚みは、この階級でKOパンチャーたり得ない?田中恒成を脅かし続けるでしょう。


今回の試合で見せた防御の向上はプラス要素としても、攻撃面でももう一段上の強さ、鋭さがあれば、或いはそれを補う速さと数があれば、という課題も残ったように思います。
その辺の答えは、次への期待、楽しみとして取っておく、というところでしょう、か。




セミの畑中建人は、不屈のランカー浅海勝太と好ファイト。
序盤は持ち前の左ジャブ、ワンツーが冴えるが、浅海も右クロスのヒットを返し、中盤以降は打ち合いに。
浅海が右クロス、4連打で攻めれば、畑中もワンツー、右アッパーなどで対抗。
終わって、5対3で畑中、という3-0の判定。
畑中、ブランク明けの初戦でしたが、弱い相手を景気良く倒す、という試合ではなく、闘志十分のランカー相手に、苦しいところもあったが見応えのある試合をした、と思います。



コメント (2)
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