さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

防御も攻撃も締め直してきた チェチェンの豪腕ベテルビエフ、二大王座統一

2019-10-19 15:21:31 | 海外ボクシング




今日はネットで有料配信のライトヘビー級WBC、IBF統一戦をライブ観戦しました。
IBF王者の無骨な強打者アルツール・ベテルビエフと、総合的なバランスの良さでは勝りそうなWBC王者オレクサンドル・グボジーク(ゴズディク?)の一戦。
以前テオフィモ・ロペスvs中谷正義戦を見たのと同じサイトで見ました。
まず、経過と感想から。


初回、グボジークが右回り、ベテルビエフが追う構図。これは基本的に、この後もほぼ固定。
ベテルビエフは最近の試合ぶりより、ガードが高く、固い。
ゴング直前、ベテルビエフが右フックミス、その流れでグボジークの首を右腕で巻いて、そのまま左を二発突く。
この左に押されたか「裏投げ」のような形で、グボジークがキャンバスに転がる。
パンチが出ていたことは確かだが、その威力で倒れたようには見えず。しかしレフェリー、ダウンの裁定。

2回開始前、レフェリー、両者を中立コーナーに立たせて、本部席?の役員さん?と、なにやらごちゃごちゃ。
ダウンの裁定についてだと思うが、結局ようわからんまま、試合再開。
※結局、スリップへと裁定が変更されたようです。

初回は捌いたかに見えたが、当て外れのグボジークが左上、右下のワンツーストレート。
しかしベテルビエフが重いパンチで反撃。踏み込んで右ショート、右アッパーのぞかせる。ベテルビエフ。

3回はグボジークが動いて連打。ベテルビエフはワンツー止まり、という対比。
グボジークが少し出て、ベテルビエフが下がる場面も。ややグボジークか。

4回、グボジーク右が伸びる。打っては右回り。しかし一打の威力でベテルビエフに劣り、距離の確保も十分とは見えない。余裕がない。
ベテルビエフ最後右から左フック。グボジークか。

5回、互いに右ボディのヒットがあるが、パンチの入りの深さが違う。ベテルビエフが力感で上回る。

6回、ベテルビエフ右ボディ、グボジーク下がる。軽い連打当てるも、ベテルビエフが迫る。
しかしグボジークが右相打ち気味にヒット、ワンツー重ね、ベテルビエフ足元が乱れる。
グボジークがベテルビエフの弱点を初めて叩いた。グボジーク。

しかし7回、ベテルビエフ踏ん張り、左上下、ボディ。グボジーク手数が減る。
8回、グボジークがコーナーからワンツー。グボジーク攻勢も、ベテルビエフも右フック。拮抗した回、グボジークか。

両者疲弊が見えるが、9回、ベテルビエフの右ボディで、グボジークの表情が変わる。
ベテルビエフ右ダイレクト、手応えあったか追撃に出る。グボジーク、足で捌けず踏み込まれ、クリンチを繰り返す。
ベテルビエフが左アッパーから右フック、さらに追撃。ベテルビエフが抜け出す。

10回、グボジーク、コーナーで渇を入れられ、右クロスを当てる。
しかしベテルビエフ攻め、左アッパーで入って右、追撃でグボジーク膝をつくダウン。
ベテルビエフさらに攻める。左当てて右をミスするが、グボジークがまた膝をつく。二度目。
さらにベテルビエフが出て、グボジーク打たれ、最後は側頭部に小さい右を当てられ、三度目。レフェリーが止めました。


全体的に、ベテルビエフの力感が、グボジークを上回った印象でした。
ベテルビエフとの対比で言えば、スタイル的にはボクサー寄りのグボジーク、他の相手との試合では、同時にパンチャーとしての水準も高いと見えたのですが、やはりパワーでは明らかに見劣りしました。
右回りの足捌きにも余裕が持てず、踏み込まれて打たれていました。
そして、最近の試合で、打たれ脆さを見せたベテルビエフのアゴを、遠くからの右で打つ狙いも、6回に一度はかないかけたのですが、ベテルビエフ懸命の立て直しに、追撃を断たれました。

ベテルビエフは最近の試合ぶりで、アゴの脆さを見せたり、攻撃のフォームが乱れた印象があったりで、ひょっとしたらもう衰えている、下降線に入ってしまったのかな、と思ったんですが、この大一番で、ガードを高く、なおかつ締め直した構えを作ってきましたし、攻撃のフォームもまた、コンパクトかつ力感溢れるものに戻っていました。
そして、6回の危機もしっかり踏ん張り、次以降しっかり立て直してきたあたり、この一戦に賭けている、気迫のようなものが伝わってきました。

チェチェンとウクライナの強豪同士の一戦は、最終的には「力」がモノをいった、という感じの試合でした。
強敵相手にぎりぎりの闘いだったとも言えるでしょうが、アルツール・ベテルビエフの心身は、その強靱さをまだ失ってはいなかったようです。


ただ、欲を言えば、倒す際の「手際」において、もう少し正確にナックルを当ててほしい、とは思います。
きちんと当てて効かせたあとの、ダウンに直結する「決め手」の段になって、横殴りというのか、ちゃんと当たっていないパンチが目に付きました。
これはまあ、ファンの勝手、欲目でしかないですが...。


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今日の試合は、数週間待てばWOWOWで放送されますが、良いカードだし、ライブで見とこうかな、と思って、見てみました。
この週末はあれこれと、ボクシングに限らず、見るものがありますが、そこにちょっとした贅沢を付け加えてみたようなことです。


今日は夕刻からBoxingRaiseで、内山高志トーナメントもライブでありますし、ボクシングには関係ないですが今日と明日は日本GP、明日はさらにラグビーも。

ラグビーに関しては、野球やサッカー以上に、日本人の心情や情緒に深く訴えるものがある、とかねてから思っていましたが、不幸なことにジャパン、いわゆる日本代表が強くなかったので、まあ何事もなかったわけです。

しかし、数年前からその辺の事情が劇的に変わり、これは案外、火付くかも、と思ってはいましたが、まさかの(失礼)4連勝ですから、偉いことになっております。
元々、偉いさんたちの間でも受けが良いスポーツですし、メディアの取り上げ方も、熱が入っていますが、こちらもまた、見ていて、力が入って仕方がありません。
ボクシングを除けば、他のスポーツの中で、一番夢中になって見てしまいます。

そういえば、ボクシングの世界にも、ラグビー経験者というのはけっこういたように記憶しています。
世界チャンピオンでいえば、確か六車卓也がそうだったような。
近いとこだと、故・小松則幸も、高校でラグビーをやっていた、という話だったように。
そういえばニュージーランドには、かのソニービル・ウィリアムスがいますね。
報道をつぶさに見ているわけではないのでわかりませんが、活躍しているんでしょうかね。



コメント (10)
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