スタンプラリーのその途中、戯れに立ち寄ってみました。
■ABC夏休みスペシャル2008 「Yes!プリキュア5GoGo! ミュージカルショー」 神戸公演
場所:神戸国際会館 こくさいホール
日時:8月13日(水)14時開演
出演:五條真由美、うちやえゆか、工藤真由、宮本佳那子、他プリキュアさんいっぱい
今回の公演はプリキュア5周年を記念してのスペシャルバージョン。
なんと黒白先輩や花鳥娘が総出演です。
会場も大々的に、ホール全体プリキュア尽くし。
大量の販促品に、くじ引きやガチャガチャ、握手会用の準備等々、物凄い勢いでプリキュアさんの山。
勿論、そこはかとなく美翔さんの気配も感じます。美翔さん美翔さーん!
美翔さん:
「キッ!」
あぅ…。今忙しいの!な目で睨まれた。
開演前の会場は戦場と化していました。
砂糖に群がる蟻の如く、お子様が販売コーナーに集っています。
美翔さんも先日発売のプリキュアCDボックスを懸命に投げつけてる最中でした。
時々投げ返されてましたが、ぼちぼち売れている模様。素晴らしい。
…というか、今回のミュージカル、このCDボックスを持っているかどうかで楽しみがかなり変わった気がします。
【お子様】
お子様盛りだくさん。うじゃらむじゃらその辺に沸いています。
しかもキャラリート率も非生産的に高い。
印象ですが、紫>夢>=檸檬が多かった気がします。ミルミルさん大人気。
去年のイベントでは予想外に緑が多かったように感じたのですが、今年はちょっと零落なさった模様。
願わくば、この娘らが10年後も「え?コスプレくらい普通でしょ?」な感覚に育ちますように。
【開演前】
司会のお姉さんによる諸注意および応援やダンスの練習がありました。
ダンスは「ガンバランス」のサビ部分。
みんなで踊りましょう!ということらしいです。事前に教えてくれるなんて親切。
一昨年の「SS」ミュージカルの際には、初見で「笑うが勝ちでGo!」を踊れ、と無理難題を押し付けてきたのが嘘の様。
【Aパート】
夢原さんたちはダンスパーティを開催することにしました。
サンクルミエール主催の大イベント。
「学園生活が描かれない」と一部で不評の「プリ5」ですが、そういうのはミュージカルでカバーしてた。
パーティには他校からも参加者がやってきます。
具体的には、美墨さんとか美翔さんとか。
夏木さん:
「って誰?」
夢原さん:
「全然知らな~い」
ッ!!
黒白先輩になんてことを…。(美翔さんはともかく)
ガクガクガクガクブルブルブルブル……夢原さんがシめられる…!
そんな折、本公演のメイン敵・ブンビーさんが襲来。
ホシイナー2匹を引き連れて大暴れです。
まぁ大暴れしてるのはプリキュアさんも同じですけれど。
ミュージカルとはいえ、戦闘シーンも個性が表現されてて面白いです。
執拗なまでにブンビーさんのみを付け狙い、肘打ちを叩き込む紫とか。
戦闘開始と同時に全速離脱する檸檬とか。
逃げようとするブンビーさんを何度も先回りして、ことごとく希望を潰す水キュアさんとか。
【青い薔薇は死の香り】
ブンビーさん撃退。でも戦闘の余波でパーティの飾りが壊れてしまいました。
直そうとする一同ですが、ここに来て肝心のダンスをまだ夢原さんがマスターされていないことが発覚。
夢原さんのダンス下手は公式設定なんでしょうか。去年の「ガンバランス」も放送開始に間に合わず、途中で差し替えましたし。
檸檬:
「のぞみさんも頑張ってるんです!でも…」
上から目線。
ミルミルさん:
「もういい。のぞみは飾りはいいからダンスをやって!」
温厚なミルミルさんもブチ切れです。元より温厚ではありませんが。
他にも色々な要素が絡み合い、気がつけば飾りの修理はミルミルさんだけ。
みんなせっかくの学園イベントなのに、全然やる気がない!
謎生物:
「コ、ココは手伝うココ…」
「ナッツも協力するナツ!」
不穏な空気を感じ取ったか、謎生物が慌ててフォロー。周囲に緊迫した空気が満ちる。
【お歌】
本公演の目玉の一つは、五條真由美さん、うちやえゆかさん、工藤真由さん、宮本佳那子さんの生出演。
豪華です。これを「豪華」と認識できるお子様&保護者さんがどの程度いるのかは分かりませんがとにかく豪華です。
少なくとも公演側はそのことを理解しておられたようで、劇中の歌の大半を生で歌ってくれました。すげぇ。
自分の持ち歌だけでなく、あらゆる曲をカバーしまくり。歌いまくり。
プリキュアさんたちが激しい戦闘をしているその横で、のほほんと「笑ったら最強!!」を熱唱する工藤さんとか。
主役はむしろ、この4人だ。
【夢見る奇跡たち】
さてステージ上の夢原さん、ひたすらダンスの練習です。
踊るのは「ガンバランス」。
昨年、時間こそかかったもののマスターしたかに思えたのですが、どうやら1年で忘れたようです。
と、そこに舞台袖からお姉さんが登場。
夢原さん:
「あ、司会のお姉さん!」
違う。それは宮本さんだ。くどいようですが豪華です。
当たり前のように夢原さんと会話してる宮本さんの絵がとても微笑ましいです。
謎の空間だ。
そのままなし崩しに、生で宮本さんが歌う中、「ガンバランス」のダンス開始。
もちろんお子様も一緒に踊ってます。
先ほど、事前練習した甲斐があった。
…事前練習があったのはサビの部分だけなので、それ以外の部分はぶっつけ本番なのですけどね。
宮本さんはスパルタ式だ。
でも元気良く踊ってるお子様を見てると和みます。
ちょっと面白かったのが、女児様たちのダンスは、舞台上の夢原さんとも宮本さんとも一致してなかったこと。
適当ダンスかといえばそういうわけでもなく、どうやらアニメ版の動きをトレースしているようです。
お子様の目には、我々とは違う世界が映っている。プリキュアさんが愛されてる。
【手を汚しても正義のためなら誇れる】
場面変わってミルミルさん。
「みんなやる気がない!」とご立腹されてましたが、それは誤解と判明。
緊迫した空気も解消。良かった良かった。
安心したのか、やおら歌い出す紫娘。
歌うのは「ミルク・ミルキィ・ミラクル伝説」。
前後の脈絡がなさ過ぎる。
そのことは主催側も気にして誤魔化そうとしたのか、この歌だけバックダンサーがつきました。
いや「誤魔化す」なんて言ったら失礼か。曲調と非常にあった格好いい演出だったもの。
ミルミルさんも、敵もいないのに無意味に変身したりとサービス精神満載。こういうノリが本編では足りないんだ。
そして勿論、せっかく豪華歌手が4人もいるのだから。
「ミラクル伝説」までカバーして、生で歌ってくれました。
【Rose in rose】
再度の戦闘。ダンスパーティを聞きつけたブンビーさん、今度はパーティ用の飾りを奪いに来ました。
このときに流れたBGMは「Rose in rose」。
もちろん五條さんの生コーラス。とんでもなく格好いい。五條さんがそのまんまブンビーさんを殴り倒しそうな雰囲気だ。
ですが奮闘も虚しく、飾りは奪われてしまいました。
【優良企業エターナル】
意気揚々とパーティ用の飾りを持って帰還したブンビーさんを待っていたのは、「そんなものを没収してきて何の役に立つのか」という至極もっともな説教でした。
とうとう愛想をつかしたアナコンディさん、切り札と称する謎の力を解放しました。
暗転する舞台。立ち込める邪悪な気配。そこに現れたのは…。
【Bパート】
休憩を挟んで後半部。
夢原さんたちの元に、三度、ブンビーさんが襲来する。
その手には、先ほど奪ったパーティ用の大事な飾りを持って。
ブンビーさん:
「この飾りを返して欲しければ、ローズパクトと交換だ!」
シロップ:
「ローズパクトは渡さないロプ」(素)
当たり前です。パーティ用の飾りと秘宝・ローズパクトでは天秤が釣り合いません。
でも元よりそんな心配は無用です。
だってここにいるのは夢原さん。彼女に『人質』は通用しない。
夢原さん:
「メタモルフォーゼ!!」
ブンビーさん:
「話を聞いていなかったのか?抵抗すれば飾りは…」
夢キュアさん:
「絶対にさせない!!」(←聞いてない)
途中ちょっぴり不利になるものの、容赦なく殴り倒して飾りを奪還。
ダメだ…。このプリキュアどもには交渉とか作戦とか無意味だ…。
必要なのはパワー。純粋な…力が、欲しい。
そんなわけで、先ほどの謎の助っ人を引き連れて、アナコンディさんも参戦。
蛇姐さん:
「闇の戦士・サーキュラス!」
「滅びの戦士・カレハーン!」
おぉ…。懐かしい二人が再雇用されている。
現れた敵援軍の前に、夢原さんたちは一気に瓦解。
夢キュアさんは技巧派だからなぁ…。特にサーキュラスが止まらない。
ブンビーさん:
「なんなんだこのパワーは…」
夢キュアさん:
「力が、通じないなんて…」
カウンター入れても、気にせず体重かけて拳を振りぬいてくるようなタイプは、相性が悪すぎる。
大劣勢のプリキュアさん、それと同じくして、会場に妙な漣が。
最初、効果音の一種かと思いましたが、正体はお子様の発する「がんばれ」コールでした。
やがて物凄い勢いで「がんばれ」の大声援。
嗚呼、プリキュアさんが愛されまくってる。がんばれ夢原さん、がんばれー!!
【販促タイム】
大声援の結果、夢キュアさんにも援軍が現れました。
黒白輝および花鳥の5人です。
鳥キュアさんが輝いている!
本編では一度たりとも「鳥キュアが助けに来てくれてピンチ脱出」なことはなかったと思いますが、こうして見ると頼もしい……頼もし………頼もしいなぁ…そういうことにしておこう。
鳥キュアさん:
「煌く銀の翼・キュアイーグレット!」
「聖なる泉を汚すものよ!」
泉は関係ありません。貴女はまず、状況を理解するところから始めよう。
【ぶっちゃけありえない】
各々激突。
まずは黒白先輩がサーキュラスと戦闘です。
サーキュラスの攻撃:ボディ→顔面ストレートのコンボを喰らっても倒れることなく、そのまんま反撃に移る黒キュアさんがすげぇ怖い。
まさに肉が裂け、骨が砕ける格闘戦。
この人たち、頭おかしいよ!
あと言うまでもないことですが、ルミナスは名乗りを上げた直後から戦闘離脱。
サーキュラスと黒白キュアが接敵した時には、ステージからも姿を消しました。
それでこそルミナス。
【貴方が大好きって誰かが想ってる】
懐かしの「SS」戦闘。鳥キュアさーん!
ミュージカルでは予算の都合でバリアも空中飛行も出来ませんが、それでも「SS」の色は伝わってくる。
腕力パンチの黒キュアさんとは随分と違います。
花鳥キュア:
「プリキュア・ツインストリーム・スプラッシュ!!」
スパイラルリングがないので旧技。
黒白先輩もブレスなしなのでノーマル技でしたが、そのときには感じなかった違和感がありまくりです。
この違いは何故なのだろう。
【勝ち負けだけじゃない未来へ】
サーキュラスとカレハーンが玉砕した後、夢キュアさんはブンビーさんと蛇姐さんと決戦。
ブンビーさんに夢・紅。アナコンディさんに緑・水・檸檬・紫の4人がかり。
蛇姐さんに戦力を割いているのが、バランスをよく考えている。
最終的にキュアフルーレで串刺しにされ、脅威は立ち去りました。
【プリキュアの魔法】
プリキュアさんの暴虐の嵐の果て、敵は消滅。
ぞろりと揃ったプリキュアさんたち、適当に交流を深めます。
余談ですが、その最中に崩した座り方で、肘ついてくつろいでた美墨先輩に貫禄を感じました。端々で演出が光る。
ひとまずはこれで大団円。
パーティを成功させるために、みんな頑張りました。
夢原さんはダンスを克服した。
夏木さんは会場内の飾りを作った。
秋元先輩はパーティのキャッチフレーズを考えた。
水無月先輩はパーティ開催のために学園関係者や業者とのネゴシエーションおよび全体スケジュールと予算の確保、運営を担当した。
一人、中学生じゃないことしてる人がいる…。
で、残る檸檬。
檸檬:
「私はダンスの振り付けを考えました!」
美翔さん:
(…え?)
そのダンスは「ガンバランス」です。
ま、待って、ちょっとそれおかしくない…?
美翔さんの訴えが完全黙殺されたところで幕。
【願いが煌いている】
幕なのですが、五條さんの「ver.MaxHeart」、うちやえさんの「まかせてスプラッシュスター」、工藤さんの「スマイルgogo」、宮本さんの「手と手をつないでハートもリンク」のお歌が。
この辺、記憶が錯綜してます。
凄いなぁ。豪華だなぁ。
で、さらに豪華なことに、次の新曲のお披露目もありました。
「プリキュアモードにスイッチオン」と「ガンバランスdeダンス ~希望のリレー~」。
「プリキュアモードに」は歴代プリキュアさんのイメージワードの集大成みたいな曲。
歌詞を聴いてるだけで、どのシリーズのことか分かる。それを4人それぞれで歌ってる、それだけで胸に来るものがある。
プリキュアの歴史を感じる曲です。『プリキュア』という単語ひとつをとっても、シリーズによって響きが違うんだなと思った。
新「ガンバランス」もやっぱり良い曲。
『始めの一歩があればこその Highタッチ!で』
『希望のリレーには チカラ宿る グッ!とgood good(グ~グ~)』
『でもくじけちゃう日もある 大空に地図を広げよう』
『みんなが歩く道には 願いが煌いてるよ』
今回は「Yes!」とか「プリキュア5」の単語がなくなり無国籍風に。美翔さんも安心です。
なお最後のダンスの最中、プリキュアさんたちは客席に乱入。
そんなことしたらお子様がパニックです。
スタッフの方も発狂しそうになりながら、観客をちぎっては投げちぎっては投げしてた。
(お歌終了後)
司会のお姉さん:
「ルミナス~、ステージに戻ってきて~」
あぁ…ルミナスがお子様の波に遭難してる…。
【エンディング】
ラストソングは「フルスロットル」。
歌手4人全員(『キュア・カルテット』と呼称するそうです)でのお歌です。
豪華だ。さっきからその感想ばっかりですけど、豪華だ。
【感想まとめ】
とにかくひたすら楽しかったです。
キュア・カルテットの皆様が素晴らしすぎます。
場面場面で歌いまくってる。
上記の曲のほかにも「おかえりなさい」「My dear friend」「Shine 5 Hearts」「グルグル・マジ?カル・パスポート」etcetc。
カバーを初め、お遊びも満載。
ある意味、「陽のあたる場所でやってるTEUCHIライブ」な雰囲気でした。
この豪華絢爛たる舞台の価値を正しく理解できるのは、多分私らのようなファン層ですね。
東京公演でも五條さん達が来るならまた観に行くかも。
とりあえず、DVD化されたら絶対に買う。
もちろんお子様も大喜びしてた。
会場中にあふれかえるプリキュア夢空間、幸せそうなお子様を見てるとこちらも幸せに。
ぬいぐるみを持ってきてる子、プリキュアバッグを提げてる子、その他一杯。
こういう子たちを見ると、プリキュアさんを心底応援したくなってくる。頑張れ夢原さん、お子様のために。
【アンケート】
問:本日お連れになたお子様の性別、年齢をお答えください。
→選択枝7:子供は連れて来ていない
堂々と答えましたよ、ええ。
そうやって正直にアピールすれば、そういった客層も踏まえた公演にしてくれるかもしれないじゃないですか。
今回のキュア・カルテットも、そういったサービス意図もあったに違いない。
(お子様は歌手本人のことはそれほど認知してないでしょうし)
次は是非、「歴代プリキュア大集合!(実写版 出演:中の人)」とかやってください。