Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ぶあいそうな手紙

2020-09-20 22:48:55 | 映画 は行

2019年/123分/ブラジル

原題:Aos olhos de Ernesto

監督:アナ・ルイーザ・アゼヴェード

出演:ホルヘ・ボラーニ(『ウィスキー』)、ガブリエラ・ポエステル、ホルヘ・デリア(『僕と未来とブエノスアイレス』、ジュリオ・アンドラーヂ(『ゴンザーガ〜父から子へ〜』)

ストーリー:ブラジル南部、ポルトアレグレの街。エルネストは78歳の独居老人。隣国ウルグアイからやって来て46年。頑固で融通がきかず、本が好きでうんちく好き。老境を迎え、ほとんど目が見えなくなった。もうこのまま人生は終わるだけ。そう思っていたある日、一通の手紙が届く。差出人はウルグアイ時代の友人の妻。エルネストは、偶然知り合ったブラジル娘のビアに手紙を読んでくれるように頼む。「手紙の読み書き」のため、一人暮らしのエルネストの部屋にビアが出入りするようになるが……それは、エルネストの人生を変える始まりだった。
ワケありのビア、唯一心を許せる隣人ハビエル、昔の友人の妻ルシア、折り合いの悪い息子のラミロ……。 心を正直に伝えられないエルネストが最後に宛てた手紙の相手は?~HPより

 

久しぶりに川越スカラ座でこの『ぶあいそうな手紙』が公開されていることを知り先日出かけた。

このコロナ禍の中、どこも観客数・座席数を減らしての上映だが、川越スカラ座も同様の対応中、そしてそれ以外は検温、手指消毒、マスク着用、飲食禁止など、今はどこでも普通になっていることをしての鑑賞だ。

そうした中で観たこの作品。

ウルグアイからブラジルにやって来て以来、一度もウルグアイを訪れることなく過ごし生活しているエルネスト、その彼の隣人のハビエルとのその丁々発止のやり取りがユーモアに満ちて面白く、そして心にじんわりしみてくる。

若いビアとの出会いによって、エルネストは今までの世界に風穴があけられ、同時に心も解放されてゆく。

作品の中に映し出されるポルトアレグレの風景、暮らし、そして若者が集まり詩を熱く朗読する情景が印象深い。

隣人のハビエルとはスペイン語でやり合い、息子にもスペイン語で話しかけるエルネスト、ポルトガル語を話すビアにスペイン語を教えて欲しいと言われ教えるエルネスト。映画の中ではスペイン語、ポルトガル語、そして二つの言語が混ざり合ったポルトニョールと呼ばれる言葉も聞こえてくる。

一通の手紙から始まる物語は、様々な人間模様を映し出しながら思いがけない手紙を導いていく。

ああ、いいなあ~!!と晴れ晴れした心持ちで席を立った

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