Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

八王子北口駅エレベーター

2018-10-27 23:01:46 | 日々の雑感・近況
八王子駅北口を出て、バスターミナルの上を跨いでいる連絡通路にある2階から1階に下りるエレベーターを利用した時のこと。
乗り合わせたのは私を含め女性3人。

そして、そろそろドアが閉まろうという時に
「待ってください、乗ります」
という声が聞こえたので「開く」ボタンを押して声の主が滑り込んでくるのを待った。
「ありがとうございます」
と入ってきたのは、どこの国の方かはわからないが、その風貌から明らかに外国出身とわかる日本語を流暢に話す外国人の初老(のように見えた)の男性だった。
彼を含めて4人になったエレベーターが下降を始めた時、唐突にその男性が
「今日は嬉しいんですよ。妻に子どもができたんです。」
と乗り合わせた3人に向かって語り掛けてきた。

「えっ、そんなプライベートなことを見ず知らずの人たちに向かって言っちゃっていいの!?」
「いやいや、余程嬉しいのだろうねぇ~。」
「しかし、見た目から判断すると、妻に子ども、というよりは孫の間違いなんじゃ?」
「ま、しかし、ここはやっぱり一言『おめでとうございます』と言ってあげるべきか・・・」

など、忙しく心の中で問答を繰り返した末、
「それはおめでとうございます!」
他の2人ももぞもぞと
「おめでとうございます」
とか何とか、つぶやいている。

と、彼がまた
「私の奥さんは私より30歳若い」
と付け加えたので、エレベーターの中は一瞬「えっ!」という雰囲気に包まれる。

「更にプライベートなこと見ず知らずの人たちに言っちゃって、いいのかしらん」

と思いつつ、出てくる言葉は
「それは、それは・・・」
みたいな、どうでもいいような言葉。

でもま、めでたい話だからいっか~、などとつらつら思っていると、エレベーターはそろそろ1階に着こうとしていた。

するとまたまた彼が
「というのは、全部嘘でした」
ここでエレベーター内の空気は一気に変な感じに・・・

「あの『おめでとう』は何だったんだ!」
「なんで、ここでそんな嘘を!?」

と思っていると、話を続けた彼が
「本当は、就職が決まったんです!、これから初出勤なんですっ!」
と、もうニコニコ顔で言う。

思わず、3人が
「それはおめでとうございます」
「ありがとうございます」

と言った途端、エレベーターは1階、地上階に着き、男性はスキップして出て行った。

仕事場に向かいながら、日本で就職するのはきっと大変だったんだろうな、
ようやく決まって初出勤することになって嬉しかったんだろうな、
だからその嬉しさを誰でもいいから話してみたかったんだろうな、とか色々思ってしまった。

エレベーターの2階から1階にもドラマはあるんだなあ~。
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