Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

日曜日、池袋で。

2011-02-08 00:02:03 | 音楽
いつも使っている池袋駅周辺なのに今まで一度も足を踏み入れたことがなかった西口の「池袋演芸場」、都内に出たついでに寄ってみた。ただ、一人で初めての場所だったので、チケット売場(道よりちょっとだけ奥まっている)の辺りをうろうろ。どうしよっかなぁ~、など思いつつ迷いつつしたが、聞きたい気持ちが勝りチケットを購入。(この場合、木戸銭を払う、と言った方がぴったり来る感じ)会場は階段を下りた地下2階にある。こちらはその月の上席と中席では昼夜入れ替えなしなので、その気になれば昼の部開始の12:30から夜の部8:30まで楽しめるようになっている。
私が着いたのは2時過ぎで、会場からは落語が流れてきていた。もぎりの女性に入場してもよいかどうか尋ねると
「今、まだまくらのところですからどうぞ、どうぞ」
というお返事をいただいた。扉を押して中に入ると客席はぎっしり、ほとんど満席状態で、既に2人一番後方で立っていた。一席済んだら何とか座席を探して座ろう、と後方の真ん中で立っていたら、突然高座で語っていた春風亭百栄師匠が
「どうぞ、前のお席が空いておりますよ~。ちょうど話の切れ目だから遠慮なく前に来てお座り下さい」
と声をかけて下さったのだ!!
「え~!あっ、ありがとうございます」
ともごもご言いながら前から2列目にあった補助席に座ることができた。

この日私が楽しんだのは落語5席(春風亭百栄、柳家小袁治、古今亭志ん場、古今亭志ん橋、林家しん平)、色物は江戸・曲独楽(三増紋之助)、ギター漫談(ぺぺ桜井)。満席の客席がずうっと笑いと拍手で一杯になって、いやほんとに愉快だった。曲独楽もはっきり動きがわかるし、扇子の縁を独楽が移動する時、また刀の切っ先へ滑るように行く時のどきどきわくわくする気持ち、ギター漫談の語りも演奏も面白くすっかり引き込まれた。どの方の芸もそれぞれ違った味があり、そして出囃子の達者なこと!独楽の動きに合わせての演奏も見事演者一人一人が完結し、そして昼の部という一つの時間の流れを創り出し観客を楽しませる。
この日、会場はぎっしり満員、しかも熱心な方が多いようで、私の左隣の方は一つの演目が終わると番組表に、右隣の方は同じくノートを取り出してやはりなにやら書きこんでいた。自分のために今日の演目の根多帳作っていたのかしらん。

ところで、私が飽くことなく愛読しているコミックの一つ、中途半端に6巻までしかない(確か全10巻?)古谷三敏の『寄席芸人伝』。

帰り道、今日の出し物のことを思い出しつつ、音楽会もまた一曲一曲が重なり合い、反応しあって一つの演奏会を作り上げていることを考えていた。
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