Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

家へ帰ろう/El último traje

2018-12-29 17:26:09 | 映画 あ行

2017年/スペイン・アルゼンチン/93分
原題:El último traje
監督:パブロ・ソラルス
キャスト:ミゲル・アンヘル・ソラ/アンヘラ・モリーナ/オルガ・ボラズ/ユリア・ベアホルト/マルティン・ピロヤンスキー/ナタリア・ベルベケ

ストーリー:アルゼンチンに住む88歳の仕立屋アブラハムは、施設に入れようとしている家族から逃れ、ポーランドへ向かうための旅に出る。目的は70年前にホロコーストから命を救ってくれた親友に自分が仕立てた「最後のスーツ」を渡すこと。
飛行機で隣り合わせた青年、マドリッドのホテルの女主人。パリからドイツを通らずポーランドへ列車で訪れることはできないか、と四苦八苦するアブラハムを助けるドイツ人の文化人類学者など、旅の途中で出会う人たちは、アブラハムの力になろうと自然体で受け入れ、手助けする。
たどり着いた場所は70年前と同じ佇まいをしていた。アブラハムは親友と再会できるのか、人生最後の旅に“奇跡”は訪れるのか…。~公式HPより

今年の忘年会に『家へ帰ろう/El último traje』がアルゼンチンからスペインを通ってポーランドまで行くというロードムービーで面白いらしいから観に行こうよ、と誘われてシネスイッチ銀座で観てきた。
朝一の回で、作品の感じとして地味だしそんなに観客が押し寄せるとは思えない、といった我々の予測を覆し、チケット売り場には長蛇の列。レディースデイで¥950だったし。
ま、そんな満席状態の中での鑑賞だったのだが、面白かった!!ロードムービー好きとしても満足だったし、映画の中で使われている言葉も興味深かった。
旅の始まりがアルゼンチンということでスペイン語、そしてマドリッドのスペイン語、そしてパリではフランス語、そしてドイツに入ってからドイツ語ではなくユダヤ人のアブラハムのためにイディッシュ語を使って助けてくれる女性に出会い、ポーランドに入ってポーランド語と、もう色とりどり。私はスペイン語を楽しみ、友人はそれ以外の言葉を解するのでそれらを堪能し、アブラハムが乗る汽車の窓外の景色に目を奪われ、彼とともに旅をしていたような気分。
勿論、ナチスのホロコーストという時代背景の重さはずっと黒い重たい雲のようにつきまとい、そこから目を離すことはできないのだが。そしてまた父と娘の関係に『リア王』と末娘を感じて切なく思えたり・・・。
ざらりとしたものを感じさせつつ、アブラハムの願いが叶いますように!と願いつつ最後のシーンを観終えた。
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