Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ピアノ協奏曲を巡る雑感

2015-06-06 23:26:04 | 音楽
この春はグリーグのピアノ協奏曲の代奏を引き受けていたので、いつもどこかしらでこの曲の音が鳴っている気のする春でした。。

グリーグのピアノ協奏曲は、
『ピアノ協奏曲イ短調作品16は、エドヴァルド・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg/1843-1907)が完成させた唯一の協奏曲。1868年、作曲者が25歳のときにデンマークのSollerodに訪問している間に作曲された、グリーグの初期の傑作である。』
とこんな風に紹介されています。
グリーグ?ピアノ協奏曲?
と思ったあなた、きっと、どこかで一度は耳にしたことがあると思います。全曲ではなくても、出だしの一節、主題とか・・・。
私にとってこの曲は子どもの頃にピアノのCMで聴いたリヒテルの演奏が強烈に印象に残っています。
くうぅ・・・なんてかっこいい曲なんだ~♪とかなんとか子ども心に感じてました。
ティンパニに続いて下行形でどこか悲劇的な衣を纏って登場するピアノは格好いい!そして続くロマンティックで民俗っぽい主題・・・。
自分自身としてこの作品に向き合ったのは学生時代、しかもソロ部分ではなくオーケストラ・パートでした。例年、3年生の前期が2台ピアノ、4年生がピアノ協奏曲(2台ピアノ編曲用)を課題として弾くようになっていたのが、突然この年から3年生の2台ピアノの課題がなくなりその代わり3,4年生がピアノ協奏曲が課題になったのでした。
そんな訳で私は同門の3年生にグリーグのオケパートを頼まれて、ペーター版の楽譜と、スコアを並べて弾きまくってました。

でその時4年生だった私がピアノ・ソロとしてのピアノ協奏曲は何を弾いたのかというと、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(ドミートリイ・ドミートリイェヴィチ・シャスタコーヴィチ; ラテン文字転写の例: Dmitrii Dmitrievich Shostakovich, 1906年9月25日(ロシア暦9月12日) - 1975年8月9日)のピアノ協奏曲第2番、ヘ長調作品102でした。

これは、面白い曲でした。躍動感に溢れ、どこか愉快で元気が出てくるような・・・。でもこの曲の練習中、オクターヴの連続の箇所で練習室のピアノの弦を切った事も思い出しました。全くグリーグとは真逆な曲でした。だから余計に面白く興味深く取り組めたのだと思います。

なんだか、一つの曲を紐といたらひょいひょいと色々な事が記憶の底から浮かび上がってきました。
まさに「歌に思い出が寄り添い、思い出に歌は語りかけ、そのようにして歳月は静かに流れていきます。」(これまた古いフレーズ、ではありますが)を実感する水無月の宵です。
コメント
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