Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

情けは人のためならず・・・佃祭

2010-12-07 23:46:22 | 音楽
         
柳家一九師匠がトリを務められるというので、先だって上野の鈴本演芸場に出かけた。御徒町駅北口から徒歩5分ほどにあるビルの入口には幟と写真入りの番組表が、ここが寄席の入口ですよ、という雰囲気を辺りに漂わせている。いわゆる定席と呼ばれるこうした場所に行ったのは初めてだったのでなんだかどきどき、わくわくした。着いた時間が昼席のもう終わりの三人というところだったので、入場料も割引き料金になっており、持っていた大きな荷物はもぎりのところで預かってもらえた。切符と引き換えにもらった「鈴本演芸場番組」というプログラムの表紙は『浮世絵鳥居派九代目家元:鳥居清光/12月 れんこん』とのこと。これが寄席のプログラム~!と珍しくてしげしげ眺めた。
会場の中はすべて椅子席の自由席で(椅子の背もたれには小テーブルがついている)天井も高く広々している。観客はかなり多く、しかも年配の男性が多い。ロビーで一席落語が流れているのを聞き(途中からだったので)次のプログラムとの切れ目に席に着いた。
そこで始まったのは「太神楽曲芸:翁家 和楽社中」(三人の演者)の曲芸。傘の上で鞠やらを見事に回して見せてくれたかと思うと、鞠が曲芸師の体の上を自在に走り回る芸と続く。説明の口上も見事で楽しい。そして、土瓶が行ったり来たり、飛んだり跳ねたりするの芸へとつながっていく。そしてそこで十分ドキドキした後に大きなナイフが舞台上をキラキラ飛ぶのだった。
そしてこの曲芸を楽しんだ後にいよいよ昼席のトリの柳家一九師匠。まくらに「情けは人のためならず」とふってから、いよいよ噺の本題へ~。ふいっと自然に観客を話に引き込み、じいっと耳を傾かせ、生き生きと情景を思い描かせ佃祭の世界に誘われた30分間だった。
そして帰り道で実に実に芸についての色~んなこと、音楽のことについて改めて考えていたのだった。
コメント
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