心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

小雨けぶる初春の奈良に酔う

2022-04-01 22:24:16 | 西国巡礼

 暖かくなったり急に寒くなったり。でも、庭の草花はしっかりと成長しています。70歳を過ぎると、そんな何気ない自然の変化に心躍ります。この春、もっとも嬉しかったこと。それは5年ほど前に種から育てたカリンの木に初めて花が咲いたことでした。近所のお爺さんから大きなカリンの実を2個いただき、さあてどうしたものかと迷ったあげく「カリン酒」なるものを作りました。その時の種を庭に植えて、ようやく花開きました。といっても花芽は八つほどですから、ことし実がなるのかどうかは分かりませんが、5年の歳月を経て咲いた花に「こんにちわ」。愛おしささえ感じます。ちなみに下の写真は垣根を這うアケビの花です。
 そんな春のある日、仲間たちと小雨舞う奈良に行ってきました。まずは奈良県庁の屋上から奈良市内を展望したあと、興福寺へ。これまで何度も訪れながら、いつも忘れていた西国三十三か所第9番札所「興福寺南円堂」の御朱印を、今回はいただいてきました。これから暖かくなりますから、西国巡りを再開することにいたしましょう。
 名だたる観光スポットは皆さんよく行っているので、少し足を伸ばして浮見堂へ。桜咲くこの季節、小雨を押して結婚式の前撮りをする方々が数組。結婚式なんてシニアの私たちにとっては半世紀近くも前のこと。懐かしさと共に、齢を重ねた今の自分を見つめてしまいます。
 昼食は築140年の町屋を改装したという食事処「粟 ならまち店」です。予約しておかないとなかなか入れないお店ですが、大和伝統野菜をふんだんに使ったランチをいただきながら大和のお酒を味わいました。
 お店を出ると、酔い覚ましに「依水園」そのお隣の「瑜伽山園地」へ。しっとりと雨に濡れた初春の日本庭園を見て回りました。終日、晴れの日とはひと味違う奈良の街を楽しむことができました。

◇  ◇  ◇

 そんな呑気な時間を過ごしている間も、ウクライナの状況に変化はありません。停戦交渉が進んでいるようですがロシアの動きが不透明。よその国に土足で入り込んで徹底的に街を破壊しなければ気に済まないプーチン。彼はいったい何を考えているのでしょう。単なる権力欲?それとも何かに怯えている小心者?困ったものです。第三次世界大戦を避けるため西側諸国も打つ手が限られている状況のなかで、なんとか停戦合意に至ってほしいと願っています。
 そんななか時事通信は、公演を自粛していたロシアの世界的ソプラノ歌手アンナ・ネトレプコさんが、ウクライナ侵攻を非難し5月から公演を再開すると発表したとのこと。なんとも勇気ある行動です。最近こうした動きが目立ってきました。一人ひとりの反戦への意思表示が歴史を動かす原動力になろうとしています。
 ネトレプコさんといえば、15年ほど前でしょうか、デビューした頃の強烈な印象が記憶にあります。ドニゼッティ:歌劇DVD「愛の妙薬」、ヴェルディ:歌劇DVD「椿姫」、そしてCD「花から花へ」があります。今夜は、椿姫、夢遊病の女、清教徒、ランメルモールのルチア、オテロ、ジャンニ・スキッキのアリアを聴きながらのブログ更新でした。

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