心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

リタイアして7年。3回目の満願

2023-11-19 10:29:01 | 四国遍路

 久しぶりに清々しい朝を迎えて、気持ちよくお散歩してきました。立ち寄る境内では、七五三を祝う家族連れがちらほら。和やかな風景が見られました。
 そんな初冬の週末、四国八十八カ所遍路の旅も満願を迎えました。振り返ってみると、仕事人生を卒業して7年。コロナのために中弛みもありましたが、その間に3回も満願したことになります。八十八番札所の大窪寺では、薄っすらと雪化粧のなか最後のお務めをさせていただきました。
 早朝、大阪・梅田を出発した頃は雨が降っていましたが、一宮寺、国分寺に到着した頃は晴れ間が覗くお天気に恵まれ、幸先の良いスタートになったと思いきや、根香寺あたりから小雨、その後白峯寺以後は土砂降りの中をお参りしました。
 翌日、屋島寺、八栗寺あたりまで小雨が舞っていましたが、その後は落ち着いたものの、今度は風が強まり、お山の上のお寺では立っているのもひと苦労。最後に向かった大窪寺のある女体山の山頂は薄っすらと雪化粧でした。こうしたお天気の急変にもめげず、結願を果たし、その後、第一番札所・霊山寺に戻って満願とあいなりました。 
 徳島の霊山寺に到着したのは夕刻4時半を回っていました。今年1月出発時に法話を聞いた高齢の尼さんから、読経と満願の祝福、さらにはこれからの生き仕方についてお話しを伺い、12回に及んだお遍路の旅は幕を閉じました。それほど宗教心があるわけではありませんが、なんとなく清々しい気持ちになったものです。
 今回はバスツアーという形で巡ったお遍路の旅でしたが、行く先々で前回歩いて巡った風景が重なり、感慨深いものがありました。よくも歩いて廻ったものだと感心しつつ、旅程に縛られることのない「歩く」ことの解放感に何かしら憧れのようなものを感じました。この歳になると、もう一度歩き遍路という選択肢は非現実的ですが、お天気の良い日を選んでピンポイントで「歩く」ことはひょっとしたらあるかもしれません(笑)。
 大窪寺では、結願を迎えた外国人の若い女性歩きお遍路さんがテレビ局の取材を受けていました。このところ外国人の方々のお遍路姿を見かけることの多かったのも今回の旅の特長でした。
 そういえば、今回のツアーに、シニアに混じって20代の若い女性が一人いました。いつもニコニコしていましたが、般若心経を流ちょうに唱えていました。「お寺の関係の方?」と聞くと「違います」と。夕刻遅く大阪・梅田に到着すると、満願証を手に「お世話になりました」と言って元気に帰って行きました。皆さん、様々な思いを胸にお遍路の旅を楽しまれているご様子でした。
 私はこのあと、来月半ばに高野山にお参りして3回目の満願を報告し、この1年を締めくくることになります。帰宅すると、訃報のため年賀のご挨拶を辞退する旨の葉書が2枚。中には、年賀状仕舞いのお知らせも。少しずつ歳相応の年末年始が近づいてきました。

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