心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

音楽に癒されて

2011-12-11 09:54:16 | Weblog
 先週の日曜日は、街の餅つき大会があったので、孫君を呼んで一緒にでかけました。ぜんざい、きなこ餅をいただいた後は、クリスマスグッズやお正月グッズの工作教室です。松ぼっくりにボンドで小さな飾りをつけていく工作ですが、孫君、それはそれは熱心に取り組んでいました。そんな風景を遠くから眺めながら、この子はいったいどんな大人になるんだろうと、私のいない20年後、30年後のことを思ったものです。

 それはともかく、今年も残すところあと3週間。広島と大阪を行ったり来たりの不規則な生活が続いているせいか、ここにきて週末になるとどっと疲れが出てきます。きのうも早く床に入ると、朝までぐっすり寝入ってしまいました。

 週末、久しぶりにLPレコードを聴きました。取り出したのは、シベリウスの「クレルボ交響曲」。フィンランドに千年以上も昔から伝えられてきた叙事詩「カレワラ」の一場面に焦点を当てた交響詩のようなものですが、森を彷徨う青年クレルボが、橇を駆っているとき美しい乙女と出会い一夜を共にするけれども、翌朝、彼女の素生を尋ねると、なんと生き別れになっていた妹であることが判る、なんとも悲しい物語です。最後は自ら命を断ちます。

 男女にまつわる物語は、遠い遠い昔からいろんなお話があります。いや人類にとっては永遠のテーマなのかもしれません。シベリウス、北欧.....舘野泉さんの著書に添えてあったフィンランドの風景を思い出しながら、不思議な時間を過ごしました。ちなみに先日発売された季刊誌「kotoba」2012年冬号の特集記事は「男と女、死ぬまで恋したい」なのだそうです。
 この日聴いたレコードは、パーボ・ベルグルンド指揮、ボーマンス交響楽団の世界初録音盤(1970年)で、第3楽章からコスティア(ソプラノ)、ヴィータネン(バス・バリトン)の独唱とヘルシンキ大学男性合唱団の合唱が入ります。


 現実離れした物語で時間を過ごしたので、少し気分転換をしようと近所のTSUTAYAに行きました。そこで目にとまったのが「由紀さおり&ピンク・マルティーニ 1969」でした。新聞記事で知ったのですが、由紀さおりの歌う、ずいぶん昔に流行った歌が、いま全米で大ブレイクしているのだとか。そんな関心からこのCDを借りることにしました。
 1969年といえば、私が大学に入学した年です。学生番号が1969・・・となっていたと思います。ブルー・ライト・ヨコハマ、真夜中のボサ・ノバ、夜明けのスキャット、などなど。オールナイトニッポンを聞きながら受験勉強していた深夜に、こんな曲が流れていました。なぜ、今頃?それも日本ではなくなぜ欧米で?
 人の感性というものは何とも不思議なものです。行く先が見えない世の中にあって、何の穢れもなく、ソフトで優しい歌の世界が、国を越えて人の心を惹き付けるのでしょうか。私も、CDを聞きながら、ふっと目を閉じてしまうような、そんなまったりとした時の流れを感じたものです。

 先日、仕事の関係で音楽療法を研究されている先生とお話する機会がありました。あまり突っ込んだお話はできませんでしたが、聞けば園芸療法といった分野もあるのだとか。やはり、病んでいる方が多いということなのでしょうか。世知辛い世相のなかで、みんな精一杯生きているのだけれども、見えない重荷を背負って生きている。そうなんでしょうよ。きっと。そんな重荷を優しく肩からおろしてくれる、音楽にはそんな効用があるのかもしれません。この40年間、私が精神的にへこたれることなく、こうして元気でいられるのも、音楽に依るところ大なんだろうと思います。

 でもねぇ、この歳になると、忘年会の席でお互いの体調のことが話題になりがちですが、みなさん何らかの持病をもっていらっしゃる。ところが私は、病院嫌いときているから、薬を常用することもありませんし、いまのところ特定の病名はなし、と自分では思っているのですが、数日前に職場から届いた「特定健診を受診された方へ」によれば、病院に行く目安の数値に合致している項目がふたつ。「あなたはALT(GPT)を軽視していませんか」との脅し文句まで。4月から体重が少し増えましたが、おそらく不規則な生活と食事が影響しているのでしょう。少しは気をつけることにいたします。
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