ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

不撓不屈

2008年01月26日 | 映画の話

Photo 運転免許の更新に行くと、交通ルールを守ろうというテーマの映画を見せられる。最近は作品として良くできたものを見せられる。
税理士も免許の更新があるのなら、「不撓不屈」という映画はおすすめだろう。税理士はかくあるべしと描かれている。しかし、この映画の見所は官僚の冷酷さである。節税を勧めた税理士が生意気だということから権力を盾に執拗に追いつめていく官僚の姿は凄みがある。クアトロにも確定申告の案内が郵送されてきた。にらまれてはならない。
禅宗をよりどころに、官僚の弾圧に勝った主人公だが、実際のモデルになった人物は、映画以上に魅力のある人物だったようだ。弾圧に勝った後に各地で公演をして歩くのだが、堂々と国税局の官僚をバカ呼ばわりする。さすがに、怒った国税局もクレームを入れるが、「私は、禅の世界でハカという言葉があるので、それを云っているのです、一般的なバカという意味で言っているのではありません」と言い逃れる。
確かに、禅でいうハカ(破家)はバカの語源ともされているが、国家を滅ぼすようなダメな奴を云うらしい。一般のバカよりもなお悪い。しかし、映画の人物像より親近感を持てる逸話だと思った。
国税局の官僚をバカとかハカとか云っているのはクアトロの父ではないので、関係者の方々がこのブログを見たときは、お間違いのないように。

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漁夫の利

2008年01月25日 | パスタの話

S 今週の東北の海は荒れている。市場に入ってくる魚も少ない。そんな中で、今日は青森のヤリイカをクアトロのシェフは仕入れてきた。どうしても値段は高いが、さすがに今が旬のヤリイカは品物が良い。何より目が生きている。
ヤリイカは一年で生涯を終える。寒さの厳しいこの時期がヤリイカが最も成長する時期である。一番美味しい時期であり、特に青森はヤリイカの本場だ。この後、海温が上がると産卵にかかるが、子持ちのヤリイカも旨いが身がやせる。漁師としても、厳しい冬にも負けずにヤリイカの漁に出るのである。
早速、「ヤリイカとアサリの漁師風」としてクアトロのメニューに登場させる。イカの新鮮な内臓も残さず使ったパスタになる。その味わいは、イカの旨みを充分に堪能させてくれる。漁師の苦労に応えるべく、丸ごとイカを使ったパスタがクアトロの漁師風パスタなのです。冷たい海に鍛えられたアサリも良い出汁をだしています。
寒い中、クアトロに足を運んだあなたが、漁夫の利を得ることになります。

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一期一会

2008年01月24日 | クアトロ・スタジオーネの話

Photo_2 「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」のキャッチ・コピーは「いらっしゃいませ、そして永遠にさようなら」だ。
「いらっしゃいませ、そして永遠にさようなら」とは、しゃれたコピーだと思う。
[ネタバレ注意]この映画未見の方には、ネタバレになる内容が含まれています。
この文面の理解の仕方には三通りある。
①映画の内容通りの意味、生きては帰さないぞ。
②再び来店する可能性が少ないのだろうから、しっかり儲けさせてもらう。
③一期一会、もう合えないかもしれない思いで、お客様につくすという心構え。
もちろん、クアトロの心構えは一期一会。
お客様の立場からも、もう来ることがないかもしれないという心構えの方も多い。この店でしか味わえないものを一通り試したいという方もある。観光地などは心得たもので、「名物なになに」と旗が出ていたりする。
フランスあたりはもう少し心配りがある。「ツーリスト・メニュー」というものがあって、観光客の方は当店の看板メニューをコースにしてありますから、それを注文すれば一通り永遠にさようならでも後悔しませんよという具合だ。
クアトロのツーリスト・メニューはさしずめ「おまかせパックA」(二名さまからで、おひとり2100円)であろう。切り立ての生ハムを食べて、前菜の取り合わせには魚料理がちょっとずつ並ぶ。ピッツァとパスタを食べてひととおりのクアトロを知ることになる。そして永遠にさようならのつもりが、また会えるとなると嬉しいものでしょう。

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塞翁が馬

2008年01月23日 | 個人的な話

Photo 事の始まりはおとといの寒さだった。寒い日はお客様の入りが悪い。こういうヒマな時にこそ、かねてからの課題だったスモークチーズを作ろうと思い立ったクアトロの父は、初めてのスモークに四苦八苦しつつも会心の出来映えのスモーク・カマンベールが出来上がった。
ところが、その後お客様の来店が少なく、苦労は報われなかった。しかも、じっとスモークの完成を見届けていたクアトロの父の頭髪にもスモーク臭がついた気がする。
翌日もヒマで、スモーク臭を取り除くべく床屋へと出かける。今日は屈強そうな若い男が散髪してくれた。いやはや、ヒゲの当たり方が強い。もう生えてこなくなるのではと思うほどの深剃りに仕上げてくれた。顔に当てられた暖かいタオルがヒリヒリする。
今日は雪になった。水曜は定休日なので営業的には良かったのかもしれない。こういう日こそとばかりに午前中から映画を見に出かけた。ジョニー・デップの「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔」を見た。予備知識なしに見たが、相変わらずジョニー・デップとティム・バートンのコンビは面白い。
これからこの映画を見る人へのアドバイスですが、床屋へ行く前に見ない方がよいでしょう。ミート・パイを食べてから見ない方がよいでしょう。床屋へ行ってからこの映画を見たクアトロの父は正解でした。
この三日間の運命の浮き沈みは“塞翁が馬”なクアトロの父なのです。

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タマルディなチーズ

2008年01月22日 | チーズの話

Photo 作った人が驚くほど美味しく出来たので「タマルディ」(北イタリアの方言で驚くという意味)と名付けたワインがあった。
昨日は寒くてお客様が来ない。あまりにもヒマなのでクアトロの父は、カマンベール・チーズのスモークに挑戦してみた。出来上がってみるとこれがなんとも「タマルディ」だった。初めてのスモーク・チーズ作りだったので、一時間以上近くでけむりを眺めていたら、クアトロの父もスモークされていた。
年末にいただいたお煎餅の空き缶を利用してスモーカーを作った。チップもいただきものだ。まずは実験のつもりで始めたスモーク・カマンベールだった。
出来上がったスモーク・カマンベールは中がトロッとクリーミーである。皮の部分はスモークの香りがついて味わい深い。これは実にタマルディである。
クアトロのシェフもクアトロのママも旨いと云ってくれた。しかし、肝心のお客様が来ない。早くお客様も驚かせたいと思っているクアトロの父だ。

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