桜井市街より、談山神社の在る多武峯(とうのみね)方面、あの聖林寺へと続く旧多武峯参詣道筋に見慣れない姿の石仏が在り、付近で見かけた石仏と共に紹介します。
そこははかと懐かしい景観を残す街道筋・・・、しかしこんな佇まいを見られるのもこの一画だけですが・・・・。
しるしの杉玉が居並ぶ造り酒屋さんの玄関口、談山正宗の名も見え、ここが談山神社のお膝元なのだと知る事が出来る。
そんな街道筋の古い景観を消しゴムで消し去ったような店先の、裏口正面にどかっと腰を据える大きな石仏さん。
勿論、石仏さんが先ここに居て、建物は最近こうした形で建てられたものでしょうが・・・・
周りに雑多のものが置かれ、石仏さんも日常生活に紛れ込んでいます。
まあ、これも庶民信仰、野に置かれた石仏さんの一つの姿なのでしょうが・・・・。
石仏は高さ約1.5m、大きな舟形光背を持つ如来形坐像ですが、右手は胸元で立て拝みし、左手は膝元で五指を揃えて手の平を見せる見慣れない印相。
目元、瞑想状態のように薄く閉じ、頭上の螺髪は立派ですがどうも馴染めない・・。
向かって右側、光背に宝永七年(1710)の紀銘が在り江戸時代中期の像立。
やっぱりなあ・・・という感を強くする。
近く街道の辻を西に折れ、立石橋の畔にはこんな地蔵さん
これも余り見慣れない顔付の地蔵さんだと涎掛け外してみると・・・・、やっぱり明治後期の近世仏。
やっぱり何かが違います。
近く寺川沿いの斜面に有る高田墓地の地蔵堂には・・・・
心落ち着くこんな地蔵さん。
総高約1mばかりの定型地蔵、磨耗風化が進んでいますが、見慣れた像容で少し童顔
台座はコンクリートで固められ、決定打には欠けますが・・・、室町期の地蔵石仏でしょうか??、古いものが良いと云うだけじゃ無く、どこか落ち着けます。
撮影2011.7.13