我が家から車で約5分、子供の頃には、お袋の実家近くなので、よく通りかかって見上げた記憶が有るけど・・・・周りの景観がすっかり変わって全く別物のような気がするほどです。
僕が子供の頃、木造校舎の前の道を挟んだ田圃に囲まれた空き地が法泉寺の境内、広い空き地に本堂と庫裏、それにこの十三重の塔が建ちつくしていたような・・・・・・・。
国道24号線と国道307号線が交差する山城大橋交差点を西方向へ、木津川を渡る山城大橋を越え初めての信号で左折、やがて右手田圃の向こうに小学校と思しき建物が見えそれに向かって田圃道を右折するとこの十三重石塔に出遭う。
新設された白い築地塀ですっかり見紛うばかりに成った寺観、昔は境内の隅に在ったと思っていた塔は境内の入り口、国宝十三塔の石碑を前に白壁塀の横に建っていた。
<北面>
旧国宝、現在国の重要文化財に指定されたこの石塔は、奈良西大寺の叡尊が、畿内各地の寺院の中から水防の要所を選び発願し、建立した石塔の一つで有るとされている。
<南東面>
伊派の石大工 猪末行(いのすえゆき)の作、鎌倉代中期の弘安元年(1278年)に建立。
子供の頃に無かった 相輪は、近年の補われた新しいものに成り、屋根部軒先もかなり欠損部が目立つ。
<北西面>
総高6mばかり、二重基壇の上に載る初軸部は幅70cm高さ54cm、その四面に二重光背を背負う中肉彫りの顕教四方仏を刻んでいる。
<北東面初軸部>
共に見事な鎌倉期の蓮華座に座す如来坐像で、像高40cm。
東面には薬師如来。
南面には釈迦如来
西面は阿弥陀如来
北面は弥勒仏。
この石塔は見慣れたせいか余り感動しないが、初軸部の四方仏だけでも充分時を忘れるほどの見事さです。
しかし昭和30年頃の当時を知ってる者には余りの変化に唖然とします。
当時この塔は雑草に囲まれ、もっと危なげに建って居た様な気がする・・・・・・。
撮影2011.3.23:他