愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

山科 四ノ宮四体石仏

2012年07月04日 | 石仏:京都

「旧東海道」京への入り口、六地蔵の一つ「山科地蔵」(四ノ宮地蔵)の徳林庵が在り、その脇、昔は茶店であった民家の奥に珍しい四体石仏が祀られて居る。

往古、京都(平安京)への主要六街道入り口には地蔵尊が安置され京へ入って来る厄を防いだ、それが現在にも踏襲され8月22~23日の「京の六地蔵巡り」として残されている。

京阪四ノ宮駅、表通りの東海道を西へすぐ、六角の屋根を持つ立派な徳林庵四ノ宮地蔵堂があり、古くは東海道の祈りの場、休み処としても賑っていた事を伺わせ、当時の面影を良く残している。

そんな地蔵堂の東側、旧東海道に面して、古くは茶店として賑った懐かしい匂いのする民家が在り、外からでも石仏の有るのが確認できる。

生憎く留守もり役のお婆ちゃんが不在、何とか無理を云い娘さんに鍵を開けて戴きましたが、余り時間を取れず、前の置物までは除けられず、少々残念。

ここでも石仏は大日如来として、賑った昔そのままの気配を残す店先の奥、真正面に須弥壇を設え祀られて居る。

旅人や近隣の信仰厚かったと見え、石仏は薫煙で燻され真っ黒・・・・、本来の石の色は何処にもない。

石仏は高さ1.1m、幅80cm、舟形状自然石の上部中央に一体、下部に三体の中肉彫り石仏を配している。

上部に中尊、大日如来として信仰されている阿弥陀坐像、蓮華座に坐し、像高約30cm強。

下部左右には像高40cm足らずの勢至、観音菩薩立像・・・・、中央、阿弥陀の下には地蔵坐像を彫り出し四尊石仏としている。

中尊阿弥陀坐像、小さくて真っ黒に煤け、尊顔も覚束無いが鎌倉後期~南北朝の造立とされ貴重で珍しい石仏です。

野外に置かれた事がなかったのか?保存状態は良好この上なし。

撮影2012.6.30