愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

大阪市平野区 敬正寺(きょうしょうじ)阿弥陀・大日石仏 

2012年07月01日 | 石仏:大阪

大阪市内南端、大和川北岸にあたる平野区瓜破の敬正寺(きょうしょうじ)境内に置かれた二体の石仏。

大和川右岸の堤防下、民家がびっしり軒を並べ、車では入り込むのも躊躇するような狭い道の奥に浄土宗敬正寺が建っている。

境内奥、鐘楼門脇に、正面を鉄柵で閉じた簡素な覆堂があり、堂に近づくと傍らに繋がれいた番犬がうるさく吠え立てる。

まあ僕は犬嫌いでもなく鎖で繋がれているのでなんてことは無いのですが・・・。

この地は奈良時代前期に創立され、後、火災により廃滅したと云われる大寺院永楽寺の跡に、江戸時代初期、敬正寺として再建された。

石仏は向かって左に阿弥陀坐像、右には胎蔵界大日如来坐像を置いている。

二体の石仏は五智如来の二尊にあたり、江戸末期頃付近から発見されたようですが、残る三体は未だ未発見のまま土中に埋もれているようです。

左手、阿弥陀坐像は上部を欠損、高さ約80cm、幅約70cm、膝上で弥陀定印を組む。

悟りを拓いた様な穏やかな顔様、柔らかな曲線で重量感の有る体躯。

磨耗が進んでいるものの表情豊かな鎌倉前期の石仏です。

片や右手に置かれた大日如来石仏。

総高約120cm、像高約1m、閣閃石黒雲母片麻岩という難しい名の自然石表面に、中肉彫りで刻み出されている。

 頭上に宝冠、結跏趺坐し、膝上で法界定印を結ぶ胎蔵界大日如来ですが、石材の黒雲母が邪魔をするのか顔容は詳らかではない。

その像容から平安末期の像立と云われ、阿弥陀石仏と共に府の文化財に指定されている。 

撮影2012.6.24