愛しきものたち

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中京区 善導寺釈迦三尊石仏

2012年07月07日 | 石仏:京都

京都市街のど真ん中にあり、いつでも車で移動する僕にはどうも近づき難い石仏でした。

僕ら京都人が此処を呼ぶ時には、きっと「二条木屋町ドン突きの北側」とでも呼ぶだろう「浄土宗善導寺」。

喧騒と混雑の真っ只中にあり何度も躊躇していた石仏さんでしたが、やっとプッツン思い切って行って来ました。

案ずるよりも産むが安し、二条木屋町信号北側に有る竜宮門の善導寺は、門前に少しの空き地があり、短時間停車なら難なく可能でした。

写真では何度も何度も見たこの石仏は期待が大きすぎたのか、僕の勝手な思い込みだったのでしょうが・・・・思ったより小さくて唖然。

この境内の何処に有るのかと暫し捜し廻ったほどでした。

本堂脇、背の低い木立を背にして総高90cm足らず、赤っぽい砂岩にこの釈迦三尊が見事な像容で刻まれています。

清涼寺(嵯峨釈迦堂)の本尊(国宝)を模したと云われる石仏は中尊に像高約70cm、清涼寺式のあの独得な流れの衣文を持ち、右手施無畏印(せむいいん)、左手与願印 (よがんいん)の釈迦立像。

向かって右手脇侍は同様式で像高43cmの弥勒仏、左手には少し小さめの右手宝剣、左手に梵篋(ぼんきょう):を持つ文殊菩薩を配している。

永らく堂内奥にでも祀られていたのだろうか?風化磨耗の影響も殆ど無く凡そ完璧な保存状態ですが、右手如来の左目から鼻先の傷が一寸気がかり。

鎌倉時代中期 、弘安元年(1278)の銘を持つ名品で重要美術品指定。

境内脇の墓地入り口には、一寸見慣れない頭を持つこんな石仏。

両手の指先を丸めた弥陀来迎印を持ち微笑んでいる。

撮影2012.6.30