愛しきものたち

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京都府笠置町 笠置寺十三重石塔

2012年07月27日 | 石塔:石造物

石仏では度々紹介している京都南山城,笠置山上に建つ、笠置寺の十三重石塔です。

笠置寺の本尊、「元弘の変(1331)」で戦火にまみれすっかり焼け爛れてしまった弥勒如来大磨崖仏の脇、薬師石と呼ばれる巨岩負い重なる前、両脇に小五輪塔を従えるように建っている。

元この地には平安後期の建久七年(1196)、解脱上人の発願、源頼朝が建立し木造本瓦葺の「十三重塔」が建っていたが、「元弘の変」で焼失、跡地に 戦死者の供養塔としてこの十三重石塔が建立されたと伝えられている。

一見、細身で力強さが無くなった様に見えますが、総高4、7m、鎌倉後期の造立、重要文化財指定。

初軸部には二重円光背を彫り窪め、中に顕教四仏を半肉彫りする。

正面、東面には連座に座する薬師如来・・・・、像高約30cm。

向かって左手、南面には釈迦如来坐像・・・、心なしか蓮弁の力強さも弱いような。

裏側、西面の阿弥陀如来坐像

北面には弥勒如来坐像を配すが、刻銘は一切見当たらないのも不思議と言えば不思議です。

弥勒磨崖仏の正面には古式な宝篋印塔。

「元弘の変」直前、元応元年(1319)の銘が確認されており、戦火を潜り抜け建っています。

いずれにしても、この山は石造美術の宝の山、まだまだ人知れず埋もれた石造品も限りなく有るかも??

撮影2011.3.15