ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ブラームス交響曲第一番

2008年11月19日 | 素敵な曲
寒くなってきました。昨日からなんとなくはっきりしないお天気ですが、今朝は急速に冷えて、冬の到来を感じました。

きゅっと寒くなると、ブラームスが聞きたくなります。分厚いハーモニーと豊かな雰囲気を持つ、ブラームスの作品は、夏だとちょっと暑苦しい時もありますが、秋以降とても良いです。この曲自体が厚い毛布のようになり、自分がくるまれているような
気になるんです。暖かい毛布で守られているかのようでもあり、現実と遮断されて厚いガードの壁を作られ、「さあ自分と向き合う時です」と言われてるような感さえあります。

この一番は、最初の出だしがものすごくインパクトがあります。疾風怒濤とでもいいましょうか。もう悲しみや苦労の風が吹き荒れて、どん底にいる感じです。自分の中の悲しみやどろどろしたものや無常観などが、ないまぜになって、本気で胸が痛くなりますが、それでも、曲に惹かれます。

日頃、暗い部分には蓋をして、「そんなのみないみない」と言い聞かせているのですが、ちょっと真正面から見ることを余儀なくされます。それでも、人生は自分の思い通りにならないというところに戻り、では、それを知った上でどう生きていくか、そこが大切なんだと思いを新たにしたりします。

ブラームス自身も、心の深淵を覗きながら、身を削る思いでこの音楽を創ったかもしれません。
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