日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

雪国のロマン

2017-01-19 18:39:07 | 自然
ふと、僕のどこかに留まっている一文を思い起こした。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。

ところが、新潟へ向かう上越新幹線とき363号。
雪の降っていることなどに物おじせず、車窓から見る景色は、得も言われづと言いたいところだが、僕の住む海老名、東京での晴天はどこへやら、吹雪で薄暗い中を驀進し、窓際を取って外の風景を楽しもうとの魂胆の僕のことなど意に介さない。
しかも2階建ての一階、一階と言っても地階に閉じ込められ、東京でてがら空きだと思った車内は、スノーボードを持ち込んだ学生どもで満席。彼らはひそひそ話をしていて数少ない僕達旅行者になんとなく気を使っているようだ。
今時の若者が!と何やらこみあげてくるものがある。

今回の新潟行きの発端は、ギャラリー新潟絵屋での盟友木版画家「小林春規」さんの個展「京都散見」を見に来てよと言う美術評論家大倉宏さんからの要請によるもの。
これは得たりと、市内にアトリエを構える建築家と、長岡で建築に取り組んでいる建築家の建てた建築を拝見しのヒヤリングを掛け合わせたもの。よっこらしょ!と雪中を歩き回り、北国にお住いのご夫婦などと笑顔での建築談義、帰京したら雪がやんでしまった。

ところで川端康成の雪国、島村の芸者駒子とのやり取り、ぬくぬくとではなくてこの猛吹雪の中でと、一言言いたくなった。


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