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昨4月7日の土曜日、神奈川県立近代美術館葉山にて、「ブルーノ・ムナーリ」の作品展を拝見。ムナーリの存在を僕は知らなかったが、近美から招待券を送って戴き、都内に住む娘を誘ってそのオープニング・レセプションに赴いた。
ムナーリは、1907年(明治40年)にミラノ(イタリア)で生まれ、1997年(平成9年)その生誕地ミラノで没した画家、デザイナー、教育者でもあったという。そして何よりも心惹かれたのは、現在(いま)の僕達を触発する`時を越えたと言いたくなる`作品群、その全てに魅了された。
鎌倉の「近美」がなくなったことを何年経っても痛ましく思っているが、久し振りに訪れた葉山のこの近美は、海(太平洋だと敢えて書き添えたくなる)に面していて、此の日の海は波高く、その遥か先には富士山の姿が微かに臨むことが出来、久し振りに訪れる此の美術館の存在にも心惹かれることになった。
我が娘とは美術館で落ち合うことにしたが、娘は逗子駅から海岸の砂浜を歩いて近美に赴こうととしたが、風が強くて砂も飛んでくるし、海の飛沫(しぶき)がひどくて無理をせず、狭いバス通り周辺の家屋などの風情を味わいながら、1時間半ほど歩いて近美に辿り着いたという。
僕は当然のことながら逗子からのバスに乗ったが、狭い道路、時折り留まって先方から来る自動車をやり過ごす風情、それは其れで興味深いバスツアーになった。そして作品群を拝見した後のレセプションを楽しんだ後、娘と海辺に赴き、遠くに微かに観える富士山の姿を愛でたことを記載して起く。
そして何よりも、そのムナーリの作品群に魅せられた事を留めておきたい。絵画を主として`軽やかな機械、`役に立たない機械`と題した作品群、更に「役に立たない機械とは何かと、その理由」と題した不思議なイラストっぽい作品群。「眼の見えない少女のための触角のメッセージ」と題したぶら下がっている逸品、などなど。思わずしゃがみこんだり見上げたりしながらの様々な視点でみやる。
此の美術展は、`近美葉山`をスタートとして、北九州市立美術館、岩手県立美術館、世田谷美術館(東京)に巡回される。折りあれば沢山の人に見て戴きたい。我が娘とは葉山からバスに乗って逗子に行き、駅の近くにある従兄の自宅・医院をちらりと見て帰宅した。
そして、ムナーリ展のオープニング・レセプションで、久し振りにお会いした館長水沢勉さんとにこやかに語り合い、旧交を温めたことをも記しておきたい。
<写真、近美葉山館の裏地から見る海、その向うの微かに見える富士山>
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