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共謀罪法案 通常国会に提出か

2017-01-05 18:26:41 | Weblog
2017.1.5(木)
 「組織犯罪処罰法」という法律がある。政府はこの法律に、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正案を、20日召集予定の通常国会に提出を検討しているという。
 「共謀罪」は国民の思想や内心の自由を侵すものとして批判が強いが、政府は国連が2000年に採択した国際組織犯罪防止条約を批准するために、国内法の整備の一環として検討しているものである。
 報道によると、対象集団を「組織的犯罪集団」とし、処罰要件としては、犯罪の実行を集団で話し合うこと、資金の確保などの準備行為などを「テロ組織犯罪準備罪」という罪名になる模様。法定刑は「4年以上の懲役・禁固」で、600以上が処罰に対象となるという。
恐ろしいのは、犯罪の準備をしていると認定されれば処罰され、権力による恣意的な適用を招くということである。

 このことと関連しているわけではないが、いま全国の映画館で韓国の映画「弁護人」が上映されている。2013年韓国では、観客動員数が1,100万人という大ヒットとなった作品である。一昨日(3日)映画館で鑑賞した。
 「弁護人」は、1981年に韓国釜山で起きた冤罪事件「釜林(ブリム)事件」をモチーフにしたドラマで、一人の弁護士が不法監禁と拷問で冤罪を着せられた被告を救うため、国家権力に立ち向かう物語である。
 主人公は農家生まれの高卒で弁護士になったが、高卒というコンプレックスから、不動産や税金を扱う金儲け主義の弁護士となって財を成していた。
 ある時、昔なじみの知人の息子が、E・H・カーの『歴史とは何か』などを仲間たちと読んだことを理由に国家保安法違反として起訴されたことに関わり、そのでっち上げによる冤罪が彼の正義感に火をつけた。1980年の広州事件を起こした全斗換の率いる軍事政権と正面から闘うのである。
 これが李明博時代の統制と抑圧政治から解放されると信じた朴槿恵大統領への期待が泡と消えたことと結びつき、自分を犠牲にして戦う主人公の信念に共感し、連帯することの必然を感じ取ったことが、この映画への共感となったに違いない。
 ものすごい拷問の有様は、日本では戦前のことであって現在ではありえないと高を括っていたが、今頃になって「共謀罪」などが顔を出すようになってはもはや他人ごとでは済まされない。
 この法案は、小泉政権時に三度提出されたが、いずれも廃案になった経緯がある。しかし安倍政権はいまや衆参両院において絶対多数を占める怖いものなしの強力政権である。
 戦前回帰への道程は早い。

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