田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

小説のあがり薔薇のあがり 麻屋与志夫

2009-12-20 17:40:34 | Weblog
12月20日 日曜日

●「紫雲のさいごの蕾なの……でも固まってしまいそうなの、かわいそうだけど、

切り花にしたわ」

       
                            pictured by 「猫と亭主とわたし




 カミサンが遅い朝の食卓でいいました。わたしは「奥様はパイパイア」を書きあ

げたところでした。

「薔薇の土がみんな凍ってしまったわ。霜柱もたって」

 季節の急変にカミサンは大わらわです。いや、季節ではなくこの土地の冬の寒さ

にふるえあがっています。昨日は根岸界隈を歩いてきました。街猫があたたかな日

溜まりでのんびりとあくびをしていました。NHKの「坂の上の雲」の影響で子規庵

には来訪者が後を絶ちませんでした。春のような陽気にわたしたちには感じられま

した。

●ところが帰省してみたらこの寒さ。おどろいたのはカミサンだけではありませ

ん。わたしはコタツでネズミ男(黒の目だし帽をかぶっているので)になっていま

す。黒ネコの宅急便のお兄ちゃんが玄関をあけて荷物を受け取るわたしの顔を見て

おどろいていました。猫がネズミにおどろくことはないと思うのですがね。

●さてと、これから何を書くか、どこに発表するか悩んでいます。それに携帯小説

を意識しているので読んでくださるファンの方の年齢層が気がかりなのです。孫に

語りかけるつもりでこれからも書きつづけます。きのうまで一緒にいた孫も高校一

年、中学一年です。ちょうどこの年齢の女の子が読者対象なのでしょうね。「ジイ

チャンの小説面白いよ」なによりのほめ言葉ありがとう。

●このブログに発表している小説はいずれも第一稿です。他でお目にかかるとき

は、改訂してあるはずです。これからはしたがって、いろいろなサイトでお会いで

きると思います。よろしくご愛読ください。



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とわの愛/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-12-20 11:12:59 | Weblog
奥様はバンパイァ102

○Mと玲加がG見つめる。

いつかは、

こういう日がくる。

カミサンとの別れ。

彼女はわたしから離れていく。

バンパイアである彼女には老いはない。

いや天使、

天国の薔薇園の世話をしていたものには、

老いはない。

わたしは薔薇の棘に刺されて死ねばいいのだ。

薔薇を愛しすぎたリルケのように。

Mを好きになったときから、

そうおもってきた。

でなかったら、

もうひとつの選択肢。

Mのone biteをうけいれればいいのだ。

わたしは吸美族のお姫様と結婚したのだ。

「あなた、いっしょにきてくれるわよね」

というMの言葉にGよりも玲加がおどろいた。

強い興味をしめした。

玲加にはMのいっていることがわかった。

わかりすぎるほどわかった。

Gはどうへんじするのかしら。

そういう顔でこちらをみつめている。

わたしには、

その覚悟はmimaを愛したときからできている。

いつか遠い未来の記憶のなかで、

ふたりは、

同じ棺桶のなかで、

休眠しているかもしれない。

そんなことをよくかんがえたものだ。

「いつでも、

どこでも、

いっしょだ」

わたしはへんじをしていた。

「ありがとう。あなた。愛している」

アルブレヒト・デューラーの、

ローゼンクランツフェスト(薔薇冠祝祭図)の、

聖母マリアの膝の上に描かれていたという蝿。

わたしは観たことがないからわからない。

でも聖母子像にはよく蝿がいる。

美しいものをひきたたせるために醜い蝿がいるのか。

悪魔といわれる蝿がつねに祝福されたものを呪ってそこにいるのか?

わたしたちはふたりでこれからも蝿の王と対決する。

そして日本の蝿の王は遷都1300

を来年祝う奈良にいる。

シルクロードの終着点。

正倉院あたりに隠れ住んでいるにちがいない。

戦いはまだ始まったばかりだ。

     アルブレヒト・デューラーローズ
       

       

              
                      pictured by 「猫と亭主とわたし



●長いことご愛読ありがとう。これで第一部は終わります。第二部では舞台は日本の古都、奈良となります。「夕日の中の理沙子」のpart3とジョイントすることに
なります。ご期待ください。著者。

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