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田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ベルゼブブの正体は!!2/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-12-17 05:46:03 | Weblog
奥様はバンパイァ 99

○「オババ。

わたしの、

武とわたしの結婚を祝福してください」

とつぜん、玲加が叫び上げた。

天井を逆さになったまま移動していた。

オババが止まった。

あまりにも場違いな発言だ。

その場にいるみんながこけた。

いっせいに玲加の顔をみる。

めずらしいものを見る目だ。

いまどき、こんな発言をする娘がいたとは……。

いまは、敵。

敵となったオババにふたりの結婚を祝ってもらいたい。

そう頼んでいる。

「わたしは、

犬飼のひとたちにも、

みんなに、

武との結婚を許してもらいたいの。

わたしたち吸美族と人狼はいがみあってきた。

mima はこの土地とここにすむひとが、

平和にくらせるようにGとつくしてきた。

わたしたちが結婚すれば、

もう争い合うこともなくなる」

「やだね。

ひとが争う。

戦う。

殺し合う。

それで死体ができる。

蛆がわく。

蝿になる。

蛆の大盛り丼はわたし好物だっぺな」

「だったら……。

わたしに蛆をうみつけて。

わたしから食べて」

「ヤメロ!!!!!!

玲加もういいから。

なにもいうな」

「武。

逆らってごめん。

でも、

オババにわたしの本気を見てもらいたいの。

わたしは武を好きになったときから、

命かけているから。

わたしたちが、

なんの邪魔もなしに、

いっしょになれるなんて、

思っていなかったから」

「もういい。

玲加もういいから。

だまっていろ。

オババには、

おれたちの気持ちはつたわらないから……」

「オババ。

オババ。

おねがい。

わたし、

タケシを愛しています。

好きです。

いっしょになれるのだったら、

結婚できるのだったら、

三日目に殺されてもいい。

式がすんだら、

すぐに蛆にされてもいい。

わたしたちの結婚を、

許してください。

祝福してください」

「やだね。

やだといったら、

やだっぺな」

「オババ。

頼む。

おれたちも、

頼む。

おれたちの若者全員がこにいる。

オババ。頼む」

ノボルがガバッと床にひれふした。

仲間のみんなが、

ノボルに真似た。

「オババ」





●カミサンのブログもぜひご愛読ください。奥様はバンパイアのモデルのmima
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●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。

      




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