ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

嵌められた日本 - 8 ( 人間の理性を信頼する馬野氏 )

2020-07-08 23:12:37 | 徒然の記

 一つのテーマで、10回以上ブログを書いている人がいます。そんなブログに出会いますと、私は読みません。ブログを書くくらいなら、自費出版の本でも出せば良いのにと敬遠します。

 それなのに自分のブログでは、10回以上の連続したブログを、何度も書いています。他人を批判しても、自分には甘い・・このように身勝手な私ですと、今更言わなくても、訪問される方々はとっくにお見通しかもしれません。

 だから、私のブログを読んでくれる人がいると言うのが、正直な驚きです。と言うより、感謝すべきなのでしょうか。私のブログは「温故知新」なので、現在世間を賑わせている事柄には、あまり触れません。

 「トランプ大統領は、中国寄りのWTOから脱退すると、正式に通告しました。」

「バイデン氏は自分が大統領になったら、トランプ氏の決定を取り消し、 WTOに再度加盟すると・・。」

 今日のニュースは、大統領選挙を狙う二人の言葉を、伝えていました。本当にこれが、世界の大国と言われるアメリカの大統領候補の意見かと驚きます。

 「東京地検は本日、河井前法相を選挙違反容疑で起訴しました。100日裁判で、裁かれる模様。」

 先程のニュースでしたが、どれも世間を騒がせるホットな事件です。時々刻々の出来ごとについて、無関心なのではありません。こうしたテーマでブログを書けば、10回以上も続ける必要がなくなります。

 しかし現在進行中の出来事なら、息子たちは、私の長いブログよりテレビや新聞を読むでしょうし、その方が手軽です。今は多くの人が手軽さを求めますから、息子たちばかりを責められません。

 ホットな現在の出来事を横目に、「温故知新」の読書を続ける理由は二つです。

  1. 歴史は必ず、繰り返す。

   ( 人間のやることは本質的に、過去も現在も変わらない。)

  2. 昔の本を読めば、自ずと答え が見えてくる。

   ( 時の試練に耐えた答えの方が、貴重な教訓を含んでいる。)

 立派な人物の本には立派な教えがあり、愚かな人間の書には、反面教師の愚かさがあります。だから私はこれからも「温故知新」で行き、今は馬野周二氏の著書に向かっています。

 何のためにこんな言い訳をするのか、自分でもよく分かりませんが、ちょっと寄り道をいたしました。本題へ戻り、45ページで発見した、氏の歴史観を紹介します。正しいのか間違いなのかと、そんな次元を超える独特の見解です。

 「時代の駆動力は、交替する。私の歴史観によれば、現代の世界史を駆動する、決定的因子は科学技術であり、戦争という人間の巨大な営為も、その支配から脱れることはできない。」

 「原爆とロケットという、現代科学技術の最終的兵器が使われた、第二次世界大戦、もっと突き詰めて言えば日米戦争は、その交替の断絶的変化を象徴したものだった。ろ

 難しい言葉が並びますが、親切な氏は優しい言葉で言い換えてくれます。

 「断絶的変化とは、何か。工業大国間の戦争は、もうあり得ないということだ。」「戦争は、消滅した。

 ( もとより、中東戦争のような、小国の通常兵器による代理戦争はあるが )、核爆弾とミサイルを使う、本格戦争は絶滅している。この結論は、歴史工学からの結論である。」

 ここまで言い切れる氏に、敬服いたします。人間は、人類の絶滅となるような戦争はしないと、氏は断言します。人間の理性を信頼する者でなければ、こういう結論は出せません。

 私は人間をそこまで信じていませんから、核戦争の可能性がまだあると、考えています。北朝鮮の指導者や中国軍将軍の脅しを見ていますと、何かのはずみで、核のスイッチを押すのでないかと警戒が解けません。

 「では、国家間の闘争は無くなったのか。いな、それは明白に存在する。今日、一国内での、戦争はない。」

 「だが、企業間での経済的戦闘は、熾烈に行われている。それと同じく、国家間の軍事力による衝突はなくなるが、代わって、経済闘争が登場する。」

 氏は、核兵器の超絶的威力が戦争を不可能にしたと言います。科学技術が、戦争を否定したと断言します。小規模な通常兵器での小競り合いは無くならず、代わりに、経済戦争が登場するという氏の意見に、私は反対しません。

 日米、日中、米イ、米ロなど、多くは確かに経済戦争です。しかしそれでもなお、自国だけは生き残ると考え、核の使用を企む指導者がいるのが現実ではないでしょうか。

 もし氏の言が正しいのなら、軍の保有を否定し、核兵器もなく、米英仏ソ中の大国や、小国の北朝鮮からも威嚇される日本で、「敵基地攻撃」の議論が生じるでしょうか。沢山毒舌を並べても、人間の理性を信頼している氏は、善良な大正人間でないのかと、私は少し贔屓目に解釈します。

 今夜はここまでとし、続きは明日にいたします。息子たち以外は、気の向いた方だけ「ねこ庭」へ足をお運びください。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嵌められた日本 - 7 ( 中曽根総理への酷評 )

2020-07-08 17:53:24 | 徒然の記

 今回は、レーガノミックスと中曽根総理への酷評を紹介します。

 「レーガノミックスの無理の堆積、石油危機以来の技術経済の構造変化への対応不十分、軍事覇権力へのアナクロニックな思い込み、といった過誤と錯誤の総決算の時期が、いよいよ来たことを告げたのが1987( 昭和62 )年のニューヨーク市場の暴落であった。」

 「もはや再び世界は、大統領の景気の良い口説につられて、紙切れに近い米国債を大量に買う気にもなるまいし、どこかで戦争が起こっても、アメリカ軍が来援してくれると、考える国もあるまい。」

 「もっとも日本だけには、まだアメリカ信仰が残っているが、これも遠からず消えていく。」

 氏はこう述べましたが、記憶が間違っていなければ、中曽根氏以後、竹下、宮沢、橋本、小泉、安倍と、今日に至るまで歴代の内閣が、紙切れ同然の米国債を買い続けてきたのではなかったでしょうか。途中から共産党の中国政府まで参加し、今では日本を超える米国債を所有しているはずです。

 しかしレーガノミックスに関する氏の意見には、無視できない事実が含まれていて、頭から否定するわけにいきません。財政・金融音痴ですから、専門家と自称する氏の意見を素直に聞きました。

 「世界中のすべての株式市場における、同時大暴落。80年代の初めまでならば、こんなことは起こらなかったのかもしれない。」

 「当時はなお、先進各国の経済はずっと独立して運営されており、株式市場間の連携は薄かった。ニューヨーク市場が下がっても、東京市場に影響はあるものの、それはあくまで、日本の市場関係者の自主的反応に俟っていたのである。」

 ここからが、痛烈な中曽根総理への批判となり、同時に、私の知らなかった事実が明らかにされます。

 「ところが中曽根政権下の、急激な自由化、国際化によって、東京市場はニューヨーク、ロンドン市場とで、世界の資金と時間帯を、三等分する形となった。」

 「米英系資金が大量に東京市場に入るようになり、特にアメリカの証券会社は東京に支社を開き、金融、株式売買に直接参加できるようになっている。」「かくて、アメリカの巨大投資家たちは、単にニューヨーク市場だけでなく、広大な先進国市場全体で、一挙に暴落を仕掛けることが可能になった。」

 「今にして考えればイギリスのBBC放送の記者が、中曽根首相を評して、トロイの木馬と言った意味がわかるように思われる。中曽根首相を操縦し、東京市場の自由化、国際化を急がせた理由が分かる。」

 「1987( 昭和62 )年、ニューヨーク市場の暴落の翌日東京市場は暴落した。これは主として、米国証券業者の売りによるものだった。」

 ロン・ヤス関係と煽て、親密な日米関係を築いたとマスコミは盛んに中曽根首相を持ち上げていましたが、なんと言うことはありません。氏は、日本市場を解放するための、トロイの木馬の役目をしていたのです。日本弱体化のためのアリの一穴を、日本経済の横腹に開けたのですから、米国政府に喜ばれるはずです。

 「ともかく中曽根親米政策のツケが、100億ドルを下らない損害として、日本に降りかかってくるのは、必定だ。馬鹿げた米国債の購入の損害は、まだ大蔵省、日銀、市中銀行、生保の帳簿に載っているだけだが、これはジリジリと、実績とて国民の肌身に染み込んでくる。」

 中曽根首相の下ことを、今頃になって知ると、日本のマスコミの捏造報道の酷さを教えられます。これも捏造報道だったのでしょうか。

 「中曽根は国鉄民営化を成し遂げるとともに、ロナルド・レーガン大統領とのロン・ヤス関係や、不沈空母発言で貿易摩擦等により悪化していた、日米関係を改善させ、強固なものとした。」

 「若手議員の頃は青年将校と呼ばれ、後に原子力関連法案の議員立法にも尽力。首相公選制を唱え、憲法改正を悲願とした。小派閥を率いる中で、政界の風見鶏と呼ばれることもあった。」

 中曽根氏を紹介する、別の情報です。批判と言うよりむしろ称賛で、昔から私の知る説明と同じです。保守政治家だと思っていましたが、氏は青年将校でなく、生涯「政界の風見鶏」だったようです。

 「北海道の土地問題」と「習近平国賓招致」で、国民を裏切った安倍総理に劣らない自民党の政治家です。

 日本のマスコミの報道が、いい加減なものである事実を、息子たちは肝に銘じて欲しいと思います。

 只今39ページです。つき合い切れないと思われる方は、スルーしてください。私は明日も、氏と向き合います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする