一つのテーマで、10回以上ブログを書いている人がいます。そんなブログに出会いますと、私は読みません。ブログを書くくらいなら、自費出版の本でも出せば良いのにと敬遠します。
それなのに自分のブログでは、10回以上の連続したブログを、何度も書いています。他人を批判しても、自分には甘い・・このように身勝手な私ですと、今更言わなくても、訪問される方々はとっくにお見通しかもしれません。
だから、私のブログを読んでくれる人がいると言うのが、正直な驚きです。と言うより、感謝すべきなのでしょうか。私のブログは「温故知新」なので、現在世間を賑わせている事柄には、あまり触れません。
「トランプ大統領は、中国寄りのWTOから脱退すると、正式に通告しました。」
「バイデン氏は自分が大統領になったら、トランプ氏の決定を取り消し、 WTOに再度加盟すると・・。」
今日のニュースは、大統領選挙を狙う二人の言葉を、伝えていました。本当にこれが、世界の大国と言われるアメリカの大統領候補の意見かと驚きます。
「東京地検は本日、河井前法相を選挙違反容疑で起訴しました。100日裁判で、裁かれる模様。」
先程のニュースでしたが、どれも世間を騒がせるホットな事件です。時々刻々の出来ごとについて、無関心なのではありません。こうしたテーマでブログを書けば、10回以上も続ける必要がなくなります。
しかし現在進行中の出来事なら、息子たちは、私の長いブログよりテレビや新聞を読むでしょうし、その方が手軽です。今は多くの人が手軽さを求めますから、息子たちばかりを責められません。
ホットな現在の出来事を横目に、「温故知新」の読書を続ける理由は二つです。
1. 歴史は必ず、繰り返す。
( 人間のやることは本質的に、過去も現在も変わらない。)
2. 昔の本を読めば、自ずと答え が見えてくる。
( 時の試練に耐えた答えの方が、貴重な教訓を含んでいる。)
立派な人物の本には立派な教えがあり、愚かな人間の書には、反面教師の愚かさがあります。だから私はこれからも「温故知新」で行き、今は馬野周二氏の著書に向かっています。
何のためにこんな言い訳をするのか、自分でもよく分かりませんが、ちょっと寄り道をいたしました。本題へ戻り、45ページで発見した、氏の歴史観を紹介します。正しいのか間違いなのかと、そんな次元を超える独特の見解です。
「時代の駆動力は、交替する。私の歴史観によれば、現代の世界史を駆動する、決定的因子は科学技術であり、戦争という人間の巨大な営為も、その支配から脱れることはできない。」
「原爆とロケットという、現代科学技術の最終的兵器が使われた、第二次世界大戦、もっと突き詰めて言えば日米戦争は、その交替の断絶的変化を象徴したものだった。ろ
難しい言葉が並びますが、親切な氏は優しい言葉で言い換えてくれます。
「断絶的変化とは、何か。工業大国間の戦争は、もうあり得ないということだ。」「戦争は、消滅した。
( もとより、中東戦争のような、小国の通常兵器による代理戦争はあるが )、核爆弾とミサイルを使う、本格戦争は絶滅している。この結論は、歴史工学からの結論である。」
ここまで言い切れる氏に、敬服いたします。人間は、人類の絶滅となるような戦争はしないと、氏は断言します。人間の理性を信頼する者でなければ、こういう結論は出せません。
私は人間をそこまで信じていませんから、核戦争の可能性がまだあると、考えています。北朝鮮の指導者や中国軍将軍の脅しを見ていますと、何かのはずみで、核のスイッチを押すのでないかと警戒が解けません。
「では、国家間の闘争は無くなったのか。いな、それは明白に存在する。今日、一国内での、戦争はない。」
「だが、企業間での経済的戦闘は、熾烈に行われている。それと同じく、国家間の軍事力による衝突はなくなるが、代わって、経済闘争が登場する。」
氏は、核兵器の超絶的威力が戦争を不可能にしたと言います。科学技術が、戦争を否定したと断言します。小規模な通常兵器での小競り合いは無くならず、代わりに、経済戦争が登場するという氏の意見に、私は反対しません。
日米、日中、米イ、米ロなど、多くは確かに経済戦争です。しかしそれでもなお、自国だけは生き残ると考え、核の使用を企む指導者がいるのが現実ではないでしょうか。
もし氏の言が正しいのなら、軍の保有を否定し、核兵器もなく、米英仏ソ中の大国や、小国の北朝鮮からも威嚇される日本で、「敵基地攻撃」の議論が生じるでしょうか。沢山毒舌を並べても、人間の理性を信頼している氏は、善良な大正人間でないのかと、私は少し贔屓目に解釈します。
今夜はここまでとし、続きは明日にいたします。息子たち以外は、気の向いた方だけ「ねこ庭」へ足をお運びください。