「識者評論」 「地方自治法改正案」
反日左翼勢力の親玉というのは、「日本弁護士連合会」のことです。当連合会の役員を掌握しているのが共産党ですから、共産党傘下の活動組織とも言えます。
実は6月3日の共同通信社の記事より前の、令和6 ( 2024 ) 年3月13日に「日本弁護士連合会」が、「地方自治法改正」に反対する「声明」を発表しています。
〈 声明 〉・・正式には「意見書」と言っている
・政府は、2024年3月1日、地方自治法の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)を閣議決定し、法案を国会に提出した。
・当連合会は、本年1月18日付けで「 第33次地方制度調査会の " ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申 " 」における、大規模な災害等の事態への対応に関する制度の創設等に反対する意見書 」(以下「意見書」という。)を公表し、答申に基づく法案の国会提出に反対した。
さすが法律の専門家のトップ組織です。言葉の使い方が正確で、非の打ちどころがありません。そのかわり素人には、ややこしく面倒で、難解な文章になります。
・意見書では、答申の「第4」で示された「大規模な災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応」に関する「国の補充的な指示」の制度の創設は、
・2000年地方分権一括法により、国と地方公共団体が「対等協力」の関係とされたことを大きく変容させるものであるとともに、自治事務に対する国の不当な介入を誘発するおそれが高いなどの問題があることを、指摘した。
ここまで読むと、似たような表現をしていますので、阿部記者が「声明文」を見ていたことがなんとなく分かります。
・すなわち、答申の「第4」は、その根拠とする大規模災害及びコロナ禍についての実証的な分析検証が行われていない点、法定受託事務と自治事務を区別せずに国の指示権を論じている点、
・及び現行法では国の地方公共団体への「指示」は、個別法で「緊急性」を要件として認められているのに対し、一般法たる地方自治法を改正して、自治事務についても、個別法の根拠規定なしに、
・かつ「緊急性」の要件も外して、曖昧な要件のもとに国の指示権を一般的に認めようとする点で、地方分権の趣旨や憲法の地方自治の本旨に照らし、極めて問題があるものである。
面倒な方は、適当に読み飛ばしてください。紹介しているのは、阿部記者の記事の根拠にこの「声明」が利用されている事実を知るためです。知る必要を感じない人には、時間の無駄になります。
・しかし、今回出された法案は、これらの問題点を解消するものとは到底言えない。
・すなわち、その根拠とする大規模災害及びコロナ禍については、災害対策基本法や感染症法などの個別法で国の指示権が規定されているのであるから、
・さらに地方自治法を改正する必要性があるのかが疑問であり、その点が法案提出に際して、十分に検討された形跡はない。
・また、法案は、現行法の国と地方公共団体との関係等の章とは別に、新たな章を設けて特例を規定するとして、この点において法定受託事務と自治事務の枠を取り払ってしまっている。
・さらに、法案は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」、「地域の状況その他の当該事態に関する状況を勘案して」など曖昧な要件で指示権を認め、「緊急性」の要件を外してしまっており、濫用が懸念される。
・そして、2000年地方分権一括法が、「対等協力」の理念のもと、法定受託事務と自治事務とを区別して、自治事務に関する国の地方公共団体への指示権を、謙抑的に規定した趣旨を没却するものであり、憲法の規定する地方自治の本旨から見ても問題である。
・以上から、当連合会は、法案について、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と地方公共団体との関係等の特例」に関する章のうち、
・「事務処理の調整の指示」を定めた第252条の26の4における「指示」を「要求」に改めること、「生命等の保護の措置に関する指示」を定めた第252条の26の5を削除すること、
・「都道府県による応援の要求及び指示」に関する第252条の26の7の標題を「都道府県による応援の要求」に改めた上で、同条第2項以下を削除すること、
・及び第252条の26の8の標題を「国による応援の要求」に改めるとともに、各大臣の指示権を規定する同条第4項以下を削除することを求める。
2024年(令和6年)3月13日
日本弁護士連合会
会長 小林 元治
国会決議の結果を、NHK NEWS WEBが 6月19日に次のように報じていました。
・感染症の大流行や大規模災害などが発生した場合に国が自治体に必要な指示ができる特例を盛り込んだ、改正地方自治法が、19日の参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。
・改正地方自治法は、2020年にクルーズ船で新型コロナの集団感染が発生した際、国の権限が明確でなかったことから、自治体をまたぐ患者の移送の調整に時間がかかったことなどを踏まえたものです。
・改正法には、感染症の大流行や大規模災害など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合、個別の法律に規定がなくても国が自治体に必要な指示ができるとした特例が盛り込まれています。
・指示を行う際はあらかじめ国が自治体に意見の提出を求める努力をしなければならないとしています。
衆議院で可決された法案が、参議院では圧倒的多数で可決されたというのですから、国会議員諸氏の常識が阿部記者の常識を圧倒したとことが確認できました。頼り甲斐のある日本の政治家ではありませんか。
久しぶりに、爽やかな気持になりました。