音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■「能管」の独奏曲 ■

2007-12-20 00:24:52 | ★旧・伝統芸術、民俗音楽
■「能管」の独奏曲 ■
2006/5/26(金)

★日本作曲家協議会(JFC)が、ことし2月に製作しましたCD「日本の作曲家2005」に、

私の作品「深山鶴声」が収録されています。

「能管」の独奏曲です。

多分、この楽器による独奏曲は初めて、と思われます。

一昨年(2004年)に、アリオン音楽財団<東京の夏音楽祭>関連公演として、伝通院で初演されました。

このCDの演奏は、昨年(2005年)2月にサントリーホールで収録されました。

国内外の大学、図書館、放送局などに送付されるものですが、日本作曲家協議会に連絡しますと、

入手可能です。

また、この楽譜も、JFCで出版されていますので、入手可能です。

伝通院での実演の録音は、DVDとVIDEOの「変身譚物語」に収録され、平凡社出版販売で購入

できます。

どちらも、福原百七さんが、素晴らしい演奏をされています。

緊張感の漂う初演のDVD版と、半年間、“発酵”させて自在な表現となっているCD版、どちらも

優劣つけ難いといえます。

幽玄な伝通院・本堂での、実際の演奏風景をご覧になれることから、DVD版がいいかもしれません。

福原さんは、日曜夜のNHK大河ドラマのテーマ曲で、笛の演奏をされています。

お能や歌舞伎などで使われる「能管」は、雅楽で使われている「龍笛」以降に出現した楽器です。

能管、龍笛とも、外見はほとんど同じです。しかし、構造はかなり異なります。

能管は、まず、竹を細く割箸のように裂き、すべすべした竹の表皮が笛の内側となるよう表裏を

逆にして管状に継ぎ合わせ、漆で張り合わせます。

張り合わせたものをさらに、樺あるいは桜の皮で巻き上げ、また漆で固めます。

漆は塗装剤として認識されていますが、実は強固な接着剤でもあるのです。

太古の昔、鏃(やじり)を木の柄に取り付ける際、天然の漆が接着剤として使われた、とも言われます。

また、錆止め剤としても強力で、戦時中は国内で採れた漆のほとんどが、砲弾の錆止め用に徴用されていた

そうです。

少々、脱線しましたが、能管は、龍笛のように一本の竹をそのまま使うのではなく、非常に手の込んだ

凝った作りです。

あの小さな笛から大音量が出てくる秘密の一端は、竹の硬い表面を管の内部にもってくることにあるそうです。

さらに、管内部の唄口近くに、鉛製の“喉(のど)”といわれる円い筒が嵌め込まれ、蝋で封印されて

います。

大気を引き裂くような鋭い音が出るのも、この“喉”の効果が大きいようです。

そうした構造のせいか、ピッチを龍笛や篠笛のように、正確にとることが極めて難しいそうです。

ことし7月1日の伝通院コンサートで、龍笛の曲を書きますが、龍笛を自分で体験して、能管や篠笛との

比較をいつか、まとめてみたいと思います。

7月1日の伝通院コンサート「東北(とうぼく)への路」では、八木千暁さんによる龍笛の名演を

聴くことができます。


★「変身譚物語」のDVDとVIDEO、「東北への路」チケットお申込みは...
  平凡社出版販売株式会社 中崎まで。
                電話 03-3265-5885 FAX 03-3265-5714

★中村洋子のホームページ http://homepage3.nifty.com/ytt/yoko_r.html


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