■「能管」の独奏曲 ■
2006/5/26(金)
★日本作曲家協議会(JFC)が、ことし2月に製作しましたCD「日本の作曲家2005」に、
私の作品「深山鶴声」が収録されています。
「能管」の独奏曲です。
多分、この楽器による独奏曲は初めて、と思われます。
一昨年(2004年)に、アリオン音楽財団<東京の夏音楽祭>関連公演として、伝通院で初演されました。
このCDの演奏は、昨年(2005年)2月にサントリーホールで収録されました。
国内外の大学、図書館、放送局などに送付されるものですが、日本作曲家協議会に連絡しますと、
入手可能です。
また、この楽譜も、JFCで出版されていますので、入手可能です。
伝通院での実演の録音は、DVDとVIDEOの「変身譚物語」に収録され、平凡社出版販売で購入
できます。
どちらも、福原百七さんが、素晴らしい演奏をされています。
緊張感の漂う初演のDVD版と、半年間、“発酵”させて自在な表現となっているCD版、どちらも
優劣つけ難いといえます。
幽玄な伝通院・本堂での、実際の演奏風景をご覧になれることから、DVD版がいいかもしれません。
福原さんは、日曜夜のNHK大河ドラマのテーマ曲で、笛の演奏をされています。
お能や歌舞伎などで使われる「能管」は、雅楽で使われている「龍笛」以降に出現した楽器です。
能管、龍笛とも、外見はほとんど同じです。しかし、構造はかなり異なります。
能管は、まず、竹を細く割箸のように裂き、すべすべした竹の表皮が笛の内側となるよう表裏を
逆にして管状に継ぎ合わせ、漆で張り合わせます。
張り合わせたものをさらに、樺あるいは桜の皮で巻き上げ、また漆で固めます。
漆は塗装剤として認識されていますが、実は強固な接着剤でもあるのです。
太古の昔、鏃(やじり)を木の柄に取り付ける際、天然の漆が接着剤として使われた、とも言われます。
また、錆止め剤としても強力で、戦時中は国内で採れた漆のほとんどが、砲弾の錆止め用に徴用されていた
そうです。
少々、脱線しましたが、能管は、龍笛のように一本の竹をそのまま使うのではなく、非常に手の込んだ
凝った作りです。
あの小さな笛から大音量が出てくる秘密の一端は、竹の硬い表面を管の内部にもってくることにあるそうです。
さらに、管内部の唄口近くに、鉛製の“喉(のど)”といわれる円い筒が嵌め込まれ、蝋で封印されて
います。
大気を引き裂くような鋭い音が出るのも、この“喉”の効果が大きいようです。
そうした構造のせいか、ピッチを龍笛や篠笛のように、正確にとることが極めて難しいそうです。
ことし7月1日の伝通院コンサートで、龍笛の曲を書きますが、龍笛を自分で体験して、能管や篠笛との
比較をいつか、まとめてみたいと思います。
7月1日の伝通院コンサート「東北(とうぼく)への路」では、八木千暁さんによる龍笛の名演を
聴くことができます。
★「変身譚物語」のDVDとVIDEO、「東北への路」チケットお申込みは...
平凡社出版販売株式会社 中崎まで。
電話 03-3265-5885 FAX 03-3265-5714
★中村洋子のホームページ http://homepage3.nifty.com/ytt/yoko_r.html
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽
2006/5/26(金)
★日本作曲家協議会(JFC)が、ことし2月に製作しましたCD「日本の作曲家2005」に、
私の作品「深山鶴声」が収録されています。
「能管」の独奏曲です。
多分、この楽器による独奏曲は初めて、と思われます。
一昨年(2004年)に、アリオン音楽財団<東京の夏音楽祭>関連公演として、伝通院で初演されました。
このCDの演奏は、昨年(2005年)2月にサントリーホールで収録されました。
国内外の大学、図書館、放送局などに送付されるものですが、日本作曲家協議会に連絡しますと、
入手可能です。
また、この楽譜も、JFCで出版されていますので、入手可能です。
伝通院での実演の録音は、DVDとVIDEOの「変身譚物語」に収録され、平凡社出版販売で購入
できます。
どちらも、福原百七さんが、素晴らしい演奏をされています。
緊張感の漂う初演のDVD版と、半年間、“発酵”させて自在な表現となっているCD版、どちらも
優劣つけ難いといえます。
幽玄な伝通院・本堂での、実際の演奏風景をご覧になれることから、DVD版がいいかもしれません。
福原さんは、日曜夜のNHK大河ドラマのテーマ曲で、笛の演奏をされています。
お能や歌舞伎などで使われる「能管」は、雅楽で使われている「龍笛」以降に出現した楽器です。
能管、龍笛とも、外見はほとんど同じです。しかし、構造はかなり異なります。
能管は、まず、竹を細く割箸のように裂き、すべすべした竹の表皮が笛の内側となるよう表裏を
逆にして管状に継ぎ合わせ、漆で張り合わせます。
張り合わせたものをさらに、樺あるいは桜の皮で巻き上げ、また漆で固めます。
漆は塗装剤として認識されていますが、実は強固な接着剤でもあるのです。
太古の昔、鏃(やじり)を木の柄に取り付ける際、天然の漆が接着剤として使われた、とも言われます。
また、錆止め剤としても強力で、戦時中は国内で採れた漆のほとんどが、砲弾の錆止め用に徴用されていた
そうです。
少々、脱線しましたが、能管は、龍笛のように一本の竹をそのまま使うのではなく、非常に手の込んだ
凝った作りです。
あの小さな笛から大音量が出てくる秘密の一端は、竹の硬い表面を管の内部にもってくることにあるそうです。
さらに、管内部の唄口近くに、鉛製の“喉(のど)”といわれる円い筒が嵌め込まれ、蝋で封印されて
います。
大気を引き裂くような鋭い音が出るのも、この“喉”の効果が大きいようです。
そうした構造のせいか、ピッチを龍笛や篠笛のように、正確にとることが極めて難しいそうです。
ことし7月1日の伝通院コンサートで、龍笛の曲を書きますが、龍笛を自分で体験して、能管や篠笛との
比較をいつか、まとめてみたいと思います。
7月1日の伝通院コンサート「東北(とうぼく)への路」では、八木千暁さんによる龍笛の名演を
聴くことができます。
★「変身譚物語」のDVDとVIDEO、「東北への路」チケットお申込みは...
平凡社出版販売株式会社 中崎まで。
電話 03-3265-5885 FAX 03-3265-5714
★中村洋子のホームページ http://homepage3.nifty.com/ytt/yoko_r.html
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